人生とはこんなにも壮絶なのか。『ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書』を読む

ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書 (中公新書 (252))

北清事変で有名な陸軍大将、柴五郎の自伝『ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書』(中公新書)の読書感想です。『自己啓発の名著30』でこの本のことを知り、読んでみたのですが、柴五郎の人生が壮絶すぎて思うようにまとめができません。

10歳で会津城落城(祖母や母、姉妹は戦争前に自刃)、戦後は極寒の青森の地へ送られます。生き残った父や兄達と青森の極寒の地で暮らすのですが、餓死寸前の生活、ここでの生活の様子は、読み進めるのが難しいものがありました。その後東京へ出て、下男として生活、陸軍幼年学校に入り軍人の道へ。ここまでが、本書の主な内容です。

こうサラサラと文字に書いたものの、実際には1ページ1ページを読み進めていくのが重く、印刷された文字から、こちらの感情を刺激する「何か」が感じられました。

明治維新という激動の時期、どんなことがあって、どんな風に生きたのか。我々は、歴史を数字や出来事によって学ぶことができますが、歴史はかつて生きていた人々の記録であり、かつて在った現実です。

敗者の残酷さ、負けた者の屈辱、時代の変化に乗り遅れた者の不運、この本には、時代の変化のなかで生き抜いた、人間のリアルな記録が残されています。世の中を、勝者の視点ではなく、敗者の視点から見ていくと、つくづく人生や歴史の残酷さを感じざるを得ません。

人には意志があるけれども、時代の流れには逆らえない。もしそうなら、我々はどう生きていくのか。読後複雑な気分になった本でした。

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