『ある明治人の記録』の読書感想。ただ思うのは人生の壮絶さ

北清事変で有名な陸軍大将、柴五郎の自伝『ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書』(中公新書)の読書感想です。

自己啓発の名著30』でこの本のことを知り、読んでみたのですが、柴五郎の人生が壮絶すぎて思うようにまとめができません。

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一族の悲劇を乗り越えて

10歳で会津城落城(祖母や母、姉妹は戦争前に自刃)、戦後は極寒の青森の地へ送られます。

生き残った父や兄達と青森の極寒の地で暮らすのですが、餓死寸前の生活、ここでの生活の様子は、読み進めるのが難しいものがありました。

その後東京へ出て、下男として生活、陸軍幼年学校に入り軍人の道へ。ここまでが、本書の主な内容です。

こうサラサラと文字に書いたものの、実際には1ページ1ページを読み進めていくのが重く、印刷された文字から、こちらの感情を刺激する「何か」が感じられました。

明治維新という激動の時期、どんなことがあって、どんな風に生きたのか。

我々は、歴史を数字や出来事によって学ぶことができますが、歴史はかつて生きていた人々の記録であり、かつて在った現実です。

歴史では語られない敗者の悲劇

敗者の残酷さ、負けた者の屈辱、時代の変化に乗り遅れた者の不運、この本には、時代の変化のなかで生き抜いた、人間のリアルな記録が残されています。

世の中を、勝者の視点ではなく、敗者の視点から見ていくと、つくづく人生や歴史の残酷さを感じざるを得ません。

人には意志があるけれども、時代の流れには逆らえない。もしそうなら、我々はどう生きていくのか。読後複雑な気分になった本でした。

追記

何年かの時間を置いて、再度最初から一行一行丁寧に再読。

果たして、自分が柴五郎のような人生を送ったら、ここまで日本人として堂々と胸を張って生きることができたのか?

正直自信がありません。

しかし、かつての日本にはこのような、サムライの魂を持った強い偉人がいたこと。逆境や苦難に屈せずに、己の生き様をこの世の中に残した先人がいたこと。

そのことだけは、強く、心に刻みたいと思った次第です。

21世紀の今を生きる日本人として、せめて恥ずかしくない生き方をしたい。後悔しない人生を生きたい。

『ある明治人の記録』を読んで思うのは、それだけです。

本はこちら

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