『戦国武将の死亡診断書』の読書感想 – 勇将名将、どんな戦国武将も病気には勝てない!?

戦国武将の死亡診断書

武勇を誇った戦国武将も病魔には勝てない!?

酒井シヅ監修『戦国武将の死亡診断書』(エクスナレッジ)の読書感想です。

この本について

戦国武将の死因を医学の点からまとめた独特な本。

信長→ストレスによる循環器系への負担+激高しやすい性格で、本能寺の変が起こらなくても、数年で病死した可能性あり。

秀吉→度が過ぎる好色で肉体が衰え。晩年は痴呆症や脚気の疑いあり。

家康→健康に気を使い、飲酒や好色も節制。医学に凝り、自身で薬の調合も。最後は自分の知識に過信して死亡。

など、著名な戦国武将37名の健康診断や病気の推察+戦国時代のミニコラムという構成になっています。

登場する武将は多いですが、著名な武将は4ページ、知名度がない武将は2ページと、あまり深く掘り下げた内容の本ではありません。『徳川将軍家十五代のカルテ』のような内容を期待するとがっかりするかも。

中盤に登場する武将の大半の死因解説は梅毒がほとんど。構成も同じなため、内容的に物足りないのが正直なところ。まぁ、肩が凝らず気楽に読めるので、気軽に歴史ネタを仕込むにはちょうど良いかも。

感想など

個人的には、戦国武将の死因云々より、北条早雲や宇喜多秀家、松平忠輝など、戦国武将としては異例の長寿を誇った武将たちの解説が面白かったです。

特に、宇喜多秀家や松平忠輝など、権力闘争に敗れた武将が、権力闘争に勝った武将もよりも悠々と長生きしているところを考えると、人生万事塞翁が馬、何が幸せなのかは分からないところ。

宇喜多秀家は関ヶ原で負けて島流しに、そこで妻の前田家に支えられ天命をまっとうするわけですが、秀家を支える前田家の美談は素晴らしいと思います。

興味深いのは、大出世を遂げた武将がその後に死亡しているところです。

西国将軍と呼ばれた出世男の池田輝政、関ヶ原で家康に味方し土佐の主となった山内一豊、信長に認められ秀吉にも評価された名将蒲生氏郷、彼らは皆、出世した後に亡くなっています。

武将の本懐は自身の出世とお家の安泰にあり、領地の獲得は名誉。しかし、その名誉を得るために、様々な負担が武将たちにかかっていたのでしょうか、大出世して領地を得た後、死んでしまうのはなんとも儚い。

上を目指すのは、人生の何かとトレードオフするものなのかもしれませんね。

本の購入はこちら