心の問題は病気ではない?『精神科は今日も、やりたい放題』を読む

精神医療の問題点を精神医の著者が告発!

内海聡著『精神科は今日も、やりたい放題』(三五館)の読書感想です。

内容について

うつ病を始め、ADHD、発達障害など、「精神的な病気」と言われるものの多くは病気ではなく、精神科医と製薬会社によって「病気が生み出されている」と主張する本。

トンデモ系の本かと思って、斜に構えて読み進めましたが、案外内容は「そうかもしれない」と理解できる分かりやすい内容がほとんどでした。スタンスは、『精神医療ダークサイド』と基本的に同じです。

なぜ近年、精神病患者が「増えている」と言われていますが、その要因は、患者ではなく、「精神科医が病気を生み出している」と著者は主張します。

・気分が落ち込む?それはうつ病ですよ。

・注意力が緩慢?じっとしていられない?それはADHDですよ。

・職場で変なウワサを立てれて困っている?それは妄想で、統合失調症ですよ。

このように、私達が日々経験する感情面の悩み、誰もが経験する心の苦しみを、問題や病気と捉える仕組みになっています。

極端な話、今の精神疾患を判定する基準に従うと、「精神を完全にコントロールできない人間以外は病気」(P62)というような状況になっているそう。

なぜこのような状況になっているかというと、「医者と製薬会社の金儲け主義が問題にある」と著者は言います。

精神疾患患者は大量の薬を飲みますし、服用期間が長いので、たくさん薬を消費してきれます。医者や製薬会社的には、悪い言い方をすると、良いビジネスモデルだそう。

だから、医者と製薬会社が薬を売るために、

・「お父さん、夜眠れていますか?」的な睡眠キャンペーン

・「うつ病は早期献身を!」的うつ病キャンペーン

・「職場にこんな困った人はいませんか?」的な発達障害キャンペーン

このようなキャンペーンが次々と生み出されます。そして、患者は医者に進められるがまま、薬を服用していくことになります。

だからこそ、患者側としては、精神科医がビジネスでやっていることを認識しておくことが大切。「医者の言いなりになって薬漬けになってはいけませんよ」というのがこの本の主張です。

そういえば、糖質制限で有名な本、『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書)でも、医者と製薬会社による薬ビジネスの話がありました。糖尿病の診断の矛盾点、問題点が薬という点から書かれていたのですが、薬ビジネスの問題点はどの病気も同じなようです。)

感想など

本書を読んで驚いたのは、「精神科医の診断は、医者のさじ加減一つ。それで病気だと決められてしまう」ということ。しかも、精神科医自身、診断の客観性的は非常に疑わしいと認めているところもまた驚き。

まぁ確かに、感情面の問題は、簡単に病気判定するのも、なかなか難しいところがあると思います。

うつでなくとも、理由もなく気分が落ち込むときもありますし、周りの人間関係が上手くいっていないと、疑心暗鬼になってしまうのも自然。焦っているときも注意が散漫になってしまうこともあります。

このような感情的なものを、病気と判断するのも、基準はどうなのか、はたから見て納得できる理由があるのか、少し分かりにくいのが現状ではないでしょうか。

考えてみれば、昔仕事の関係で、ADHDや最近流行りの発達障害の本を読んだことがあるのですが、どうにも納得できないというか、「本当に病気なのだろうか?」と疑問に感じていました。

「あいつはADHDなんだよ。」

「あいつは発達障害だから。」

というように、ある種のレッテルを貼るような感覚で、病気ありき、結論ありきで、先入観が作られている気がしました。

そもそも、精神科医の診断は、医者のさじ加減一つ。ある人にはうつ病、ある人は適応障害と診断するものであるなら、メンタルヘルスの問題は、医者次第。感情的な不調を、病気扱いするのも、確かに不思議です。

我々は生きている以上、悲しみ、苦しみ、不安、怒り、様々なネガティブな感情を感じて生きていきます。

イヤな会社で働いていれば気持ちも落ち込み、仕事に行きたくなくなるのも当然。イヤな奴、ヤバい奴が近くにいれば、不安に感じ怖くなるのも自然なことです。問題に巻き込まれ、気分が塞ぎこむこともあるでしょう。

一つ言えるのは、気持ちが落ち込むからと言って、安易に医者に頼ったり、薬を飲むのはやめたほうがいいかも、ということ。

その理由?

この本を読めば分かります。

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