名門武田家、ここで消ゆる。『真田丸』第2回「決断」の感想

第二回

『真田丸』も第2回がスタート。

今回はいよいよ信長や徳川、北条、上杉、名だたる大名が登場。武田家滅亡間際、真田の家はどうなるのか?

2016年NHK大河ドラマ、『真田丸』の第2回「決断」の感想です。

第2回「決断」のあらすじ

真田昌幸の息子二人は主君勝頼の決断を尊重、昌幸の待つ岩櫃城へ向かう。ところが、その道程で盗賊やら追い剥ぎやら、様々な困難が真田兄弟を襲う。

一方、主君勝頼は、いよいよ最期の時を迎えようとしていた。

信じていた家臣に裏切られ、逃げ場を失くした勝頼は天目山で最期を迎える。武田家の滅亡によって真田家には織田家の大軍が。

奮戦むなしく武田家は滅亡、残された真田家は生き残りのための決断を迫られることになるが・・・。

感想など

コメディとシリアスがバランス良い回。

ドラマは武田滅亡→真田は上杉家につくか北条家につくかを決める→織田につく、という流れで進んでいきますが、見どころはやっぱり武田の滅亡。

真田兄弟二人とその一族の岩櫃への逃避行はややコメディ調ですが、武田勝頼の運命は、やはりジーンと来てしまいます。

楯無、信玄の魂(ちょっと鎧が安っぽいですが)が登場するシーンは悲しく、戦国の習いとはいえ、やっぱり何とも言えないものがあります。

今回で武田家は滅亡、それによって、真田家は生き残りをかけ、独自の選択を迫られることになります。

ところで、今回徳川家康がガッツリ登場しましたが、予想に反してかなりいいキャラになってます!

初回、一瞬ちらっと登場したときはネタキャラ臭がしましたが、今回の家康はコメディ系のゆるキャラ扱いで、愛嬌があっていいですねぇ。

裏切り者の穴山梅雪と面会する場面のタヌキおやじらしい二枚舌なんて最高に笑えます。

腹黒いけどコミカルで憎めない、こんな家康も魅力的です(謀臣の本多正信もいい味だしてますねぇ、いかにも腹の底が読めない参謀っぽい感じです)。

あと、小山田信茂はざまぁ。やっぱり最後の最後で裏切る奴はやっぱり虫が好きません。

土壇場で勝頼を裏切って家の存続をはかったのかもしれませんが、結局、打首になって「裏切り者」の代名詞として後世の人々に記憶されることになったのは自業自得。

最後の最後まで勝頼と一緒に戦っていれば、戦で負けて死んでも、忠誠心厚い名臣として名を残せたかもしれないのに・・・。

小早川秀秋にしろ、最後の最後で寝返った人間は、ロクな死に方ができないのは偶然でしょうか?)

それはともかく、真田家は武田家の滅亡によって、生き残りをかけた選択を決断。

「織田と組むぞ!」というところでドラマは終了します。次回はいよいよ信長が登場か?

やっぱり運も必要か?

今回の「決断」では、いよいよ武田家が滅亡してしまいました。

諏訪家のものとして生まれ、本来は武田を継ぐ予定のなかった最後の、そして悲運の武田家当主、勝頼。

一般的に、勝頼は武田を滅ぼした無能者扱いされていますが、近年の武田勝頼関連の本を読むと、やっぱり勝頼が無能当主という評価はちょっとな、と思います。

もちろん、勝頼が大名として致命的なミスをいくつかしたのも事実です。それによって、自らのクビを締めたのも確かでしょう。

【勝頼のミス】

・30歳、長篠の戦いの惨敗。ここで山県昌景や馬場信春など、武田軍を支えた名だたる名将たちを失う(真田昌幸の兄二人も長篠で戦死しています)。

・34歳、御館の乱で上杉景勝を応援してしまったこと。結果、北条家との同盟が破棄され、勝頼は織田、徳川、北条に囲まれてしまう(同盟者の上杉景勝は援軍を送る余裕なし、本能寺の変が起こらなければ、上杉も滅亡した可能性が高いです)。

・37歳、最後の最後、真田昌幸の岩櫃城に逃げるか、小山田信茂の岩殿城に逃げるかの選択で痛恨のミス。やっぱり勝頼は運がないです。

でも、信長でも家康でも、その人生において、何度もミスをしており、ピンチを招いています。

【信長のピンチ】

・27歳、桶狭間の戦い。今川義元の上洛作戦で大ピンチ。奇襲成功で運命逆転。

・37歳、朝倉戦、金ヶ崎撤退戦。同盟者の浅井長政の裏切りで挟み撃ちに、このとき秀吉が殿をつとめ、信長はなんとか本拠地の岐阜へ撤退。

・39歳、武田信玄の上洛作戦。このときは信長の状況はヤバく、もし信玄が病気で死ななければ、歴史は変わっていたかも!?

【家康のピンチ】

・25歳、三河一向一揆。家臣団が真っ二つになるほどのピンチに。

・31歳、三方原の戦い。討ち死に寸前まで武田信玄にぼこられる。夏目漱石の祖先、夏目吉信ら忠臣が家康の身代わりになってくれたおかげでギリギリのところで死地から生還。運が悪ければ家康の人生はここでゲームオーバー。

・41歳、本能寺の変後の伊賀越。死の危険があったが、なんとか三河へ生還。

こんな具合、天下人たちもその人生で、大きな危機を迎えています。しかし、その危機を乗り越え生き残っています。

信長も家康も、全ての行動が上手くいったわけではありません。ときに、致命的なミスを犯し、ピンチを招いています。しかし、信長も家康も、運がありました。

「もうダメか!?」というときも助かっている。我々歴史を知る人間は、結果論で歴史の敗者をさばいてしまいがちですが、武田勝頼という男を知れば知る程、「運」というものについて、考えざるをえません。

勝頼と同じ状況だった上杉景勝も運がいいのかもしれません。本能寺の変で助かったことや、直江状で家康に歯向かったのにお家取り潰しにならなかったこと、やっぱり運がいいのか?)

今回武田家が滅亡してしまいましたが、生きるか死ぬか、極限の状態になると、人の運命なんて、運というか、そういう要素で決まってしまうものがあるのかもしれません。

戦国大名、滅んだ大名の生き様を学ぶと、そんなことを強く感じます。

第1回「船出」の感想

第3回「策略」の感想

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