心の知識を実学に。
植木理恵著『人の心がまるごとわかる心理学』(中経文庫)の読書感想です。
この本について
心理学の知識を人間関係にいかしていく本。
自分との関係、親との関係、恋人との関係など、心理学の知識を、様々な人間関係に適応、関係を良くするためのヒントが満載の内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
人生、苦労しているのは自分だけではない(P18)
人生で上手くいかず、「なぜ自分だけ上手くいかないの?」と思ったら、「自分だけ」という考えをやめる。
頑張って上手くいかないときも、「自分だけ」ではなく、「みんな」悩んでいると考えを変える。
感情は出していい(P28)
感情が表に出るのは、それは自然な働き。
喜怒哀楽を表現することで、人は心の平衡を保つことができる。無理に感情を抑圧すると、その影響はどこかで出てくる。
人に好かれる会話術(P31)
話し上手な人はえてして人の話を聞くのが苦手。
本当に人を惹きつけるのは、聞くことが上手な人。人は、たくさん話を聞いてもらった人に好感を持つ。
仲良くなりたい人がいる場合、自分が話すよりも、相手の会話を広げて、聞き役になった方がいいかも。
辛い思い出は半年我慢すればいい(P43)
人は、どんなことでも、時間が立てば忘れてしまう。
半年ほど立てば、どんな思い出も色褪せ、記憶からフェードアウトしていく。
辛い思いをしても、辛いのは最初だけ、苦しい思いも、時間が解決してくれる。
初対面で自虐キャラにならない(P51)
人の印象は、出会って最初の2分間で固定される。
最初に謙虚になりすぎたり、ネガティブなイメージを相手に与えると、その印象が固定され、損をしてしまうことも。
失敗したときこそ学ぶ(P67)
人生に「ムダ」な失敗はない。
大切なことは、失敗した理由を見つけ、次にいかすこと。トライアンドエラーで人は成長していく。
人心掌握のコツ(P82)
人の心をつかむコツは、アメとムシ。
相手が期待通りに動かないときはムチで罰するのではなく、ムシして放置、良いことをしたときだけ、アメを与える。
ただし、アメは毎回与えない。3回アメを与えたら1回、次は4回に1回という具合、適度にランダムにアメを与えないこと。
勢いが衰えたら(P110)
人はずっと、勝ち続けることはできない。自分の勢いが衰え、下り坂になったら、それを素直に認めること。
勝者として振る舞うのではなく、自分の弱みをさらけ出し、周囲に支えてもらうようなキャラに転向すること。
刺激か安定か(P115)
恋愛では、刺激的な相手ほど楽しい経験ができるかもしれない。
が、結婚を含め、長期での関係を求めるのであれば、刺激よりも、居心地の良さを求めた方がいいかも。
一緒にいて穏やかな気持ちになる人との方が、長い関係と高い幸福感を維持できる。
次に会いたい人にはこのテクニックを(P134)
デートで「次も会いたい!」と相手に思わせるためには、何もかも相手に満足と情報を与えてはいけない。
「この人どこかまだ気になる、まだ分からないところがある」というようなところを残し、話を中途半端に終わらせて別れるなど、未完の部分を残す。
人は、完結したものよりも、まだ終わっていないものが気になる(ザイガルニック効果)。
「この人、どこかまだ分からないな」というところを残した方が、相手をもっと知りたいという気持ちを誘発させることができる。
嫉妬心は独占欲(P142)
嫉妬心は、その人を自分のことだけに目を向けさせたいという独占欲が原因。
嫉妬を感じたら、疑うべきは相手ではなく、自分自身。冷静になり、自分の感情をチェック、相手を信じる。
男女は喜ぶポイントが違う(P148)
男は仕事や能力、行動を褒められると喜ぶ。女は存在そのものを認められると喜ぶ。
夫婦が男と女の関係であり続けるためのコツ(P171)
妻は子育ての負担が大きいと、夫へ注ぐエネルギーがなくなり、女の魅力を失う。
夫と妻、いつまでも男女のような関係を築くために、夫は妻の家事に協力、妻の負担を軽くすることが大切。
同時に、父親と母親、互いの立場を自覚し、恋愛時代とは違う、新しい恋愛のステージを意識する。
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