『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』の読書感想 – ポイントは100%のポジティブではなく20%のネガティブ

ネガティブな感情が成功を呼ぶ

成功したいならダークサイドの力を利用した方がいい!?

ロバート・ビスワス=ディーナー、トッド・カシュダン著『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』(草思社)の読書感想です。

この本について

「何があっても明るく元気、ポジティブでいることが成功&幸せの秘訣!」的な現代の風潮に意義を唱え、怒りや嫉妬など、マイナスの感情の価値や有用性を説く本。

この本を読むことで、ポジティブマンを目指していつもニコニコ、何があっても「これで良かったんだぁ」と考えてしまうポジティブシンキングマインドから冷静になれる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

人生で大切な不快情動耐性(P7)

先が見えず、何をしたらいいのかハッキリ分からないような状況が続くと、人は無意識のプレッシャーを感じ、精神的に参ってしまう。

しかし、これに耐えることが大切で、先が見えない、未来が見えない中を進んでいくのが人生。

この先何が起こるか分からない、先の見えない不安に耐え、頑張る意欲を保ち、自分を見つめ前に進む。これができる人が、どんな状況でも最後には勝利をつかむ。

幸福の秘訣は感情の「全体性」を確保すること(P9)

健全な人生を歩み、人生で成功する可能性が高い人、それは人に与えられた感情すべて、ポジティブな感情もネガティブな感情も受け入れて幅広く活用できる人。

ポジティブな感情だけ大切にしてネガティブな感情は蓋をする、それは健全な感情との付き合い方ではない。感情にムダはない。生じる感情の意味に気づくと、人生はもっと豊かになる。

ネガティブな感情が示すサイン(P36)

不快感や欲求不満、ネガティブな感情は、その意味に気がつくことで、日々の行動をより適切なものへ起動修正することができる。

いつまで経っても上手くいかない仕事、どうみても将来性がない相手との関係など、ネガティブな感情をサインに、不適切な行動を改善して、やめるべきことはすっぱりやめる。

社会的敏捷性とは(P43)

変化する状況を認識し、その場その場で求められていることに自分を適応させる。それを社会的敏捷性という。

この力を持つ人は、行動的で選択力があり、自分の置かれた状況のなかに影響力を行使することができる。

ネガティブな感情が浮かんできたら(P96)

怒りや哀しみ、ネガティブな感情には必ずメッセージがある。それは、「何かが上手くいっていない、すぐに対応せよ」というメッセージ。

ネガティブな感情だからといって抑えこもうとせず、

1・なぜその感情が湧いてきたのか?

2・それがどんな行動を促しているのか?

この2つを確認、ネガティブな感情が教えてくれるメッセージに気づくことが大切。

幸福を求める、だから不幸になる(P140)

今の世の中、幸福ブーム、ポジティブバンザイ教が行き過ぎている。

研究では、幸福のマインドセットに警告を示している研究もあり、幸福を求めること、幸福であろうと自分の考えを変えることの危険性を示している。

大切なのはバランス。良いものだけ、プラスのものだけを求めようとしないこと。プラスマイナス全体のバランスが肝心。

感想など

タイトルに惹かれ購入。

内容はタイトル通りで、いかにポジティブ全能の考え方が偏っているか、ネガティブな感情にも必要性があるのか、そのことが実感できる内容でした。

結局人生で、どれだけ頑張っても良いことだけを持ち逃げすることはできなくて、ときに自分の意図とは全然違うような、やっかいごとをいきなり背負わされたりします。

気付かずに地雷を踏んでしまって、それでしなくていい苦労をするハメになったりもします。

でも、そういう苦労が、その後の「これで良かったんだ~」という結果につながっていたりもして、人生はつくづく、自分で全てコントロールできるものではないなと感じています。

哀しみがあるから喜びがあって、挫折があるから学びと成長がある。縁のない人がいるから縁がある人の価値が分かって、努力してもダメなことがあるからこそ、努力する意味が分かる。

人生プラスもあればマイナスもあって、大切なのはバランス。

明るく過ごそうとする意志も大切かもしれませんが、「ポジティブ80%ネガティブ20%」の指摘通り、明るくなりすぎないよう、マイナスの感情も大切にしたい。

そんなことを実感した本でした。

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ネガティブな感情が成功を呼ぶ