人気グループのトップアイドルの考え方。
指原莉乃著『逆転力 ~ピンチを待て~』(講談社Mook)の読書感想です。
この本について
AKBの人気アイドル、指原莉乃さんの本。
常に目立ち、話題に事欠かない彼女が、どのように自分をセルフプロデュースしているのか、アイドルグループでどのように立ちまわっているのか、その考え方をまとめたのが本書。
人気アイドルのしたたかでタフな姿が垣間見られる内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
ダメな場所からは抜け出せばいい(P26)
いじめられたり、イヤな思いをしたり、そんな場所にずっととどまる必要はない。
世の中、良い場所、面白い場所はたくさんある。辛い時、生きづらいとき、学校でいじめられたり職場に馴染めないときは、別の場所を見つければいい。
キャラは作るのではなく受け入れるもの(P58)
集団やグループにいると、自然の周りが「キミはこういうキャラだよね」と自分のキャラを設定してくる。それを否定せず、のっかって、利用することが大切。
「自分はこういうキャラですよ」と自分でキャラを設定するより、柔軟に動けるし、周りと上手くやっていきやすくなる。面倒なプライドは捨てて、上手く周りにのっかっていけばいい。
本当の自分なんていない(P67)
自分なんて、そう簡単には分からない。自分で自分を見つけようとするより、他人が自分を見つけてくれる。周りが「あなたはこんなキャラで、こんなところがいい」と言ってくれることが自分の姿。
きついときはネガティブ情報をシャットダウン(P80)
しんどいときは、普段気にならないようなことも気になってしまう。だから、意識的にネガティブな情報は見ないようにし、知らぬ存ぜぬの態度でスルーする。
きついときは、心に精神的に負担をかけないことが重要。
仲間と上を目指すとき(P90)
仲間と上を目指すときの4つの戦略。
1)土俵を変えて得意分野で戦いを挑む。
2)ファン目線で考える。(=求められていることをやる。)
3)話題作りを考えて全国に繰り出す。
4)人気者、エースを作り、それをローテンションしていく。
自分一人の力は小さい、だから(P106)
人間の能力なんてたかがしれている。調子乗らず、自分の状態を客観視して、周囲の状態を見ながら、計算高く立ちまわること。これが生きていくためのコツ。
疲れているときこそ人の目を意識せよ(P109)
人への態度だけはどんなときも意識しておく。疲れているとき、しんどいときは無愛想になったり、態度が雑になるが、こういうときこそ愛想をよくして、人からの好感度を高める。
人と話をするときは必ず目を見て(P118)
目を見て話す人は好かれる。目を見て話すのは大変で面倒だが、その方が良い。人から好かれたければ、目を見てきちんと相手の話を聞いている雰囲気を作ること。
偉い人、中途半端に偉い人(P122)
本当に偉い人は、あんがいフランクで、自然体で接してもOK。
しかし、中途半端に偉い人は劣等感が強い人なので、自分がどう扱われるかに敏感。少しでもフランクに接しようとするとキレられるリスクがある。中途半端に偉い人には、低姿勢で接するのが良い。
アンチには存在意義がある(P137)
ファンの反対はアンチ。アンチがいるからファンの存在が目立つ。
一番怖いのは、全く注目されなくなること。アンチがいるということは、存在感がある証拠。アンチがいるから、話題作りにもなる。アンチの存在に感謝しておき、アンチの言動はスルーしておけばいい。
思ったことは一度飲み込め(P141)
twitterやブログをやるときの注意点。
思ったことを感情的に書くと、それが炎上のネタになる。ネットをやると、時々変な人に絡まれるが、それに反応してしまい、カッと反応すると、炎上してしまう。
思ったことは一度飲み込み、客観視すること。ネットに書き込むときは、タイミングや流れを大切にしていればOK。
戦いに勝つ秘訣(P169)
指原流勝利の方程式。
戦いに勝つための原則=自分が有利に戦える場所を選ぶこと。勝てない場所で戦ってはいけない。戦うなら、土俵を変えて、勝てる土俵に移動すること。もしくは、戦わないで勝つ方法を探すこと。
感想など
「売れてるアイドルは本人がいろいろ考えているんだな」ということが分かる本。読みやすく、サクサク読了しましたが、楽しく読ませてもらいました。
AKBについては全く知識がなく、「人気のアイドルグループ」+「握手券商法」というくらいしかイメージしかなかったのですが、なぜ握手しにいくためだけにCDを買うのか、ファンの心理が気になっていたところもあります。
(※大量のCDを買うお金があれば、もっと楽しめるお金の使い方はいろいろあります。)
AKBファンのCD大人買い+廃棄はよく話題になりますが、思えば、何人ものファンに大量のCDを買わせる方法というか、手法はすごいですよね。
そこまでして「お金を出したい、応援したい!」とファンに思わせる仕組みは何なのか、この本を読んで、ほんの少し理由が分かった気がします。
自分が商品としてどう見られているのか、どう立ち回っていくのか、冷静に状況を見つめている、「プロ」のアイドルの考え方が印象的な本でした。
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