『フリーランスで生きるということ』の読書感想 – フリーランスという働き方を選択する意味

フリーランスで生きるということ (ちくまプリマー新書)

フリーランスとして生きることは価値観と人生観を選択すること。

川井龍介著『フリーランスで生きるということ』(ちくまプリマー新書)の読書感想です。

この本について

フリーランスとして働く著者によるフリーランス論。

仕事も生活も将来も、何も保証がないフリーランスという働き方にどのような魅力があるのか、マイナス面は何なのか、フリーランスの実態を現実的&公平に理解できる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

フリーランスという働き方は一つの選択肢(P14)

どんな仕事、働き方にも長所と短所がある。

会社員には会社員の、フリーランスにはフリーランスの、何もかもが完璧な仕事はない。

だからこそ大切なのは、それぞれの仕事の長所と短所を見極めた上で、自分の生き方に合う仕事を選ぶ。

「フリー(自由)」の意味を考える(P42)

物事には良い面と悪い面、両面が必ずある。ということは、何もかもが良い、絶対的なプラスは存在しない。

フリーランスという働き方の最大のプラスは自由に仕事ができるところで、自分中心、仕事やライフスタイルをコントロールすることができる。

上司に命令されることもなければ、面倒な人間関係も拒むことができるので、自由に動いて仕事をするなら、フリーランスの働き方はとても魅力的。

しかし、自由であることは不安定で孤独なことでもある。

仕事は結果責任、困っていても自分で何とかするしかないし、不安定であるがゆえに、将来への不安を抱えることになる。

安定を求めれば自由を失い組織に自主性を縛られることになる。一方、自由を求めれば安定を失い孤独となる。

フリーランスを目指すなら、「自由を得る変わりに失うものがある」ということを知っておく。

フリーランスは現金重視で(P56)

フリーランスは会社員と比べ、社会的な信頼度が低い。

ローン審査、賃貸等、会社員に比べ信用してもらいにくい現実があるので、常に貯金し、お金に余裕を持っておく。

安定と信頼を得る代わりに失うもの(P109)

世の中、正規と非正規が進んでいるが、地位と安定を捨てる覚悟があるなら、非常勤のような非正規の仕事にもメリットがある。

例えば大学の教授と非常勤講師。

大学の正規の教師となり、教授となった場合、安定した収入と社会的地位、信頼度が得られるかわりに、日々の雑用、学生の世話やクレーム対応、学内政治など、様々な面倒事に巻き込まれる。

一方、大学の非常勤講師は、給与面、安定度でかなり不安定だが、授業さえやればいいので、時間の自由度は段違いになる。

結局は、安定か自由か、どちらを大切にするかの問題。選択するものによって、得るもの、失うものが変わってくる。

自分が求めるものがどちらなのか、そこを意識しておかないと、「こんなはずでは・・・」となってしまう。何もかも得ることはできないので、「これを大切にする」という優先度を決めておく。

みんなとワイワイ働きたい人にはフリーランスは向かない?(P160)

会社で人とコミュニケーションをとる、周りにいつも人がいる環境を好む場合、フリーランスは難しいかも。

フリーランスは基本一人。自分のペースで仕事をしていく。そのため、意識しないと人間関係が作れず、孤立してしまうことも。

だからこそ、フリーランスは孤独耐性というか、一人で黙々と仕事をするのが苦にならないくらいでないと、長くは続けられない。

逆に言うと、一人で黙々と仕事をしても気にならない人、人間関係でストレスをためがちな人は、フリーランスとして働く方が、伸び伸びと暮らせるかも。

不安なことを明確化する(P180)

一人で仕事を始めると、いろんなことが不安になってくる。

そこで大切なのは、何に不安を感じているのか、自分が恐れていること、気になっていることを明確にすること。

収入計画はどうなのか、毎月の支払いはどうするのかなど、気にしていること、不安に感じていることを明確にする。

その上で、「どうしたらいいか?」を考え、対処する。

フリーランスはどうやってお金を稼ぐかを追い求める生き方(P185)

フリーランスを選ぶことは、「お金をガンガン稼ぐため」というよりも、「私はこういう生き方がしたい、だからそのための手段としてこうやって働いてお金を稼ぐ」という生き方。

生き方の選択こそがフリーランスという選択であり、結局は価値観、人生観の問題になってくる

仕事の先にどんな生き方、働き方があるのか、それを追い求めていくのがフリーランス。お金や名誉を求める生き方ではない。

感想など

良い面も悪い面、フリーランスの現実的な生き方が客観的に書かれている本。

フリーランスは自由度、自分の価値観やライフスタイルを優先する生き方だと思いますが、仕事のやりがい、人生の満足度が高くなる反面、社会的な信頼性は低いのが現実です。

「フリーランスはローン審査が厳しい」

「家を買ったり借りたりするときは会社員よりも大変」

「融資基準が厳しく不利」

など、この本に書かれている話は本当で、自由に働ける反面、それ相応のマイナスも付随してきます。

私も賃貸を探している時、不動産の営業マンから職業を聞かれたので「フリーランスです」というと、途端担当者が心配そうな表情に。

こんな現実があることを経験しているので、賃貸を借りるときは事前に準備。

それなりに小奇麗な格好と磨いた靴、グランドセイコーの時計をつけ、「これだけ稼いでます」という証明になる確定申告のコピーや、預金通帳を必ず持参。

「収入はこれだけあって、貯金はこれくらいあります。なので家賃を滞納することはないですよ」と安心してもらうための用意をしてから賃貸を借りに行くことにしています。

準備してもダメなところはダメで、収入を証明するための確定申告書や納税証明、銀行残高証明書を用意、保証人の身元や収入もしっかりしているのに、フリーランスというだけで入居審査で難色を示されることもあります。)

まぁ、一般的にはフリーランスの仕事は収入面で波があるというか安定しないイメージを持たれているのは事実。

正直、会社員などの身分が安定している仕事と比べると、そのデメリットというか、信頼されてない感じはヒシヒシ(?)と感じます。

特に会社員をやられていて、フリーとして独立された方はなおさらそれを感じて、会社員には会社員の良さを感じることになると思います。

この本に書かれているとおり、何もかも完璧な仕事はなくて、会社員もフリーランスも、良い面と悪い面があります。

だからこそ、フリーランスとして働くならどんなマイナスがあるのか、どんなプラスがあるのか、それを知った上で、後悔のないよう、決断を下すことが大切だと思います。

『フリーランスで生きるということ』では、そこらへんの話が客観的かつ公平に書かれているので、とても参考になります。

自由を求める生き方を希求される方は、一読をオススメします。

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