「折れない心」を育てる方法をこの本で。『 「レジリエンス」の鍛え方』を読む

「折れない心」はこうやって育てる!

久世浩司著『世界のエリートがIQ・学歴よりも重視!「レジリエンス」の鍛え方』(実業之日本社)の読書感想です。

この本について

ストレスや苦しみに負けない折れない心、レジリエンスを育てるための本。NHKの番組でレジリエンスという言葉を知り、本を探してみたところ見つけたのがこちらの入門書。

折れない心をどうやって育てるか。「レジリエンス力」とは

レジリエンスとは何なのか、なぜ必要なのか、レジリエンスを身につけるためにはどうすればいいのか、様々な視点でレジリエンスの基本的な情報がまとめられています。

以下、本書の気になった内容です。

挫折に対処できないエリートは詰む(P3)

純粋培養、心の弱い人は成功できない。心のたくましさ、メンタルタフネスのないエリートは、やがて挫折する。

今の時代に必要なレジリエンスとは(P16)

レジリエンスとは、困難な状況に耐え、ストレスから回復する能力のこと。きついストレスでダメージを受けても立ち上がり、自己修復できる心の強さのこと。

レジリエンスはポジティブシンキングではない(P38)

レジリエンスを身につける=折れない心を育てることだが、ネガティブな感情を否定して、ポジティブなことだけを考えるようなポジティブシンキング的なものではない。

恐れや不安、ネガティブな感情を感じるのは自然なことであり、レジリエンスでは、それらの感情を否定せず、上手く対処していく方法を身につけていく。

失敗は意味のある学びである(P40)

失敗体験は不快で悲しいものではあるが、実は成長のために欠かせない、大切な経験。

失敗することは避けられないことであり、その失敗から学ぶことが、自分の成長につながる。大切なのは、失敗を否定せず、失敗の後にどう対処すればいいか、反応法を知っておくこと。

ただし、同じ失敗は避ける(P47)

失敗は価値があるが、同じ失敗を繰り返してはいけない。予防できること、避けられること、知っていれば対処できる失敗はしないこと。

ネガティブな感情にどう対処するか(P58)

私達は、失敗にともなうネガティブな感情によって、自らの可能性を狭める行動をとってしまうことがある。恐れや不安などのネガティブな感情によって、失敗をおそれ、挑戦した方がいいことも避けてしまう。

しかし、この不安に対処しない限り、恐れに支配され、したいこともできなくなってしまう。ネガティブな感情を感じたら、まずはその感情を認知して、その感情に対処することが重要。

日々のネガティブな感情を解消するために、運動や呼吸法(マインドフルネス)、音楽などの気晴らしで、余計なストレスを貯めこまないようにすることが重要。

心のなかの7つの思い込み(P92)

私達は、世界をあるがまま見ているのではなく、私達自身の「思い込み」というフィルターを通じて世界を見ている。よくある思い込みのパターンは次の7つ。

1・「○○すべき、△△であるべき」という思い込み

2・「自分は絶対に正しい」という思い込み

3・「ここが人よりも負けている」という思い込み

4・「何でも自分が悪い」という思い込み

5・「悪いことが起きるのではないか」という思い込み

6・「自分では何も変えられない」という思い込み

7・「つまらないものだろう、どうでもいいさ」という思い込み

自分はできる」という自信を持つ大切(P111)

「自分はやればできる!」という思い(自己効力感)のある人間は強い。レジリエンスにおいて、「やればできる」という思いを高めていくことが、折れない心、挑戦する心を養う基礎になる。

自己効力感を高めるためには、成功体験を積み重ねること、上手くいっている人の行動を観察して真似ること、人から認めてもらうこと、成功を感情的にイメージして体感することなど、様々な方法がある。

したいことがあるならお手本を見つける(P118)

目標があり、達成したいことがあるときは、まずお手本(ロールモデル)を見つけること。その人を手本にすることで、達成のための具体的な手段と、「自分も出来る!」という気持ちを持つことができる。

強みを見つける(P144)

仕事で結果を出すためには、自分の強みを活かせる仕事をすること。得意なこと、努力しなくても出来る仕事をすれば、結果も出るし、ストレスも感じにくい。

強みはどこで見つかるのか(P157)

していて好きなこと、満足感を感じること、自分らしいと感じること。このなかに、自分の強みがある。

努力には限界がある(P158)

苦手なところを努力しても、それは苦手が普通になる程度がせいぜい。もとから得意な人には勝てない。

弱みは所詮弱みであって、努力しても大きな改善は期待できない。そんなことに労力を注ぐなら、強みを強化した方がよい。

自分が持つ強みが、仕事であれ人生であれ、生きる道を支えてくれる。

弱みは他の人の力を借りて対処する(P160)

弱みは弱み。

弱みを補う努力を投資するより、もっとクレバーな方法を。「自分が出来ないことは人に任せる」(事業の場合は自社の弱みを他社に外注してやってもらう)など、弱みは人の力を借りてカバーすればいい。

修羅場やどん底を経験すること(P223)

人生で経験する様々な出来事を乗り切ることで、人はPTG(もがいて奮闘することによる心身の成長)という変化を経験する。

逆境やどん底は、私達を苦しめ、悩ませる。しかし、そこを乗り越えれば、大きく成長した自分と出会うことができる。内面の成長が人としての成長につながる

松下幸之助はピンチをどう乗り越えたのか(P229)

松下電器で有名な「経営の神様」松下幸之助は、戦後の混乱とGHQの政策によって、ピンチに追い込まれていた。働いて稼いだお金は没収され、身動きも取れない、大ピンチ。

そんなとき、松下幸之助はそのピンチを自分を見直す機会と捉え、逆境に陥った原因や意思決定の問題など、沈思黙考する。

これらの反省をもとに、PHP研究所を設立、新しい一歩を踏み出す。

どんな逆境にも意味がある。落ち込んだときは、希望を捨てず、次の成功の種子を見つけることが大切。

辛い体験を学びに変える3つの質問(P238)

トラウマやネガティブな経験は、そのままでは苦しいだけ。苦しみから学びを得ることが重要。そのために、

1・この経験から何を学んだのか?

2・この経験はのちの人生でどんな意味を持っていたか?

3・俯瞰してみることで、その体験からどんな流れが見えるか?共通点はあるか?

という質問を自分に投げかけ、経験したことの意味を見つける。

感想など

人生の成功や満足度を決めるのは能力よりもメンタリティであることが分かる本。

人は頭だけでなく、心で感じて生きていくもの。お金を手に入れても、高い地位を手に入れても、心に問題があれば、満足や幸福感、人生の楽しさを味わことができません。

結局、何をしても、どこにいても、いつも付き合うことになるのは自分です。そこで、自分を動かす心の存在、心との上手な付き合い方抜きに、良い人生はありえません。

生きていれば、良いこともありますが、イヤなこともたくさんあります。

イヤなことがあったとき、自分の感情を沈め、上手く付き合い、心に平和を生み出していく。この技術は、今の不安定でギスギスした世の中で、必要不可欠な技術となりつつあります。

心を強くしなやかにすることができれば、世の中がどうであれ、周りがどうであれ、素晴らしい人生を送れるに違いありません。

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