日本のいろんな起源が分かる『歴史を考えるヒント』の感想

歴史を考えるヒント (新潮文庫)

網野善彦著『歴史を考えるヒント』読んだ感想です。

日本の国名、関東や関西など地域の成立、百姓の歴史、言葉の意味(「手」の話)など、日本の歴史のみならず日本人を考察する面白い内容でした。

個人的に印象に残ったのは百姓の話。

百姓には商人、職工人などがいて、百姓=農民ではないというのは全く知りませんでした。

しかも、水呑み百姓と呼ばれる人たちのなかには、商売で成功する人もいるらしく、そのあり方は多様。

そもそも、「百姓」の「百」には、「非常に多くの」「あらゆる」という意味があります。

また、「姓」は姓氏、われわれの苗字とは多少違いますが、血縁集団の名前ということになります。

そして、姓には職能が結びついていることがあるのです。

従って、字義通りにとらえれば「百姓」は「あらゆる姓を持つ人々」あるいは「あらゆる職業の人々」が本来の意味であり、一般の人々を指す言葉なのです。

P73

本書では、なぜ百姓=農民と誤解されるようになったのか、その過程が書かれていますので、興味がある方はご一読をおすすめします。

日本の穢れ思想について

網野善彦といえば、宮崎駿監督の映画『もののけ姫』で登場する業病の人たちの解説をしたことでも知られていますが、 本書でも、穢れ思想の解説があり、日本文化の複雑さが分かります。

歴史は繰り返す?

今日、2020年東京オリンピック開催が決まりました。

1964年の東京オリンピック当時の日本は、「世界に追いつけ追い越せ」で、このオリンピックをきっかけに世界でも類を見ないほど大きな成長を果たします。

今回は二度目の東京オリンピック。日本の姿は1964年のそれと全く違うかもしれませんが、オリンピックを契機に、良い時代が来ればいいですね。

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