『持たない幸福論』の読書感想 – 幸せになれる自分流の価値観の作り方

持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない

「普通」の暮らしが難しくなった今だからこそ考えたいこと。

pha著『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』(幻冬舎)の読書感想です。

この本について

「京大卒のニート」という肩書で有名な著者による生き方論。

ゆるい文体ながらも「こんな風に人生を考えてもいいんだよね」と考え方、生き方の枠が広がる内容が中心。

この本を読むことで、「~せねば」の不自由な生き方から、ほんの少しだけ、自由になれるかも。

以下、本書の読書メモです。

お金で問題は解決しない?(P6)

お金があれば、生活、人生、いろんな面で便利なのは確か。

しかし、生活や人生を「もっと」便利にしようとお金を稼いでいくやり方は、一部の人しか上手くいかない。

一部の人しかたくさんお金を稼げないし、「もっと」を求めることで、過労やストレス、いろんな問題が生まれてしまう。

何より、人生は不安定。不安に完全に備えようとすると、それこそ無限にお金が必要になってしまう。

「普通」のモデルはハードルが高い?(P8)

「○歳までに結婚して△歳までに子どもを作る。」

「人生は自己責任。上手くいかないのは自分の責任。」

「退職後は悠々くらしていくために××××万円の貯金が必要。」

世の中には、生きていくための模範的な「普通の人生」というモデルがある。そのモデルは誰もが実現できるようなものに思われているが、その当然のように思えるモデルを実現するのは、実は難しい。

「普通」の生き方のハードルが高く、その「普通」を満たせない人が人生に悲観して、自分で自分を追い詰めてしまう。

現状は、「普通」と思われているモデルは、一昔前の価値観であって今の現実とはそぐわない古い価値観。「普通」の生き方をして得をするのは、一部の恵まれた人たちと、上手くレールに乗れた人だけ

時代は変わっている。

昔の「普通」は今の「普通」ではない。だからこそ、古い価値観に縛られるのではなく、自分自身で、新しい価値観を作っていくことが大切。

自分にとって何が大切なのか、どんな生き方が最善なのか、自分自身で考え、答えを見つける。

読書する意味(P18)

読書は自分を広げるきっかけ。

世の中にはいろんな考えの人がいて、いろんな価値観がある。本を読むことで、知識を得て、自分の考え方が整理されたり、広がっていく。

それによって、「当たり前」と思っていたことを疑問に感じたり、「こんな考え方もあるのでは?」というような自分なりの考え方ができ、選択肢を増やすことができる。

気分で見える世界が変わる(P33)

幸せや不幸は日常の気分、体調で変わる。

気分、体調がダメだと、目の前が暗くなって、先行きもダメなように感じてしまう。物事は気持ち次第なところがあるので、気持ちが落ち込んでいるときは、無理に頑張らないことが大切。

気持ちが落ち込んでいると、何もかもが上手くいかないように感じてしまう。一度休んで体調を整えれば、また気持ちも変わり、状況も変わってくる。

落ち込むとき、体調が良くないときはあれこれ考えないこと。

得ること、増やすことのマイナス面について(P37)

モノや知識、人間関係、たくさん持てば持つほど、それらが自分の行動を縛るようになっていく。縛るものが少なければ、自由に動けるが、縛るものが増えるほど、生活は窮屈になってしまう。

例)

たくさんものを持つ→物理的な場所、空間がなくなる。

たくさん知識を持つ→一つ一つの経験に新鮮味がなくなり、考え方が固定化、自由な発想ができなくなってしまう。

たくさん人間関係を持つ→自分の時間がなくなり、いろんな人との関係に時間を使うハメになる。

モノや知識、人間関係、「たくさん持てばいい」というわけではない。

何かを得れば失う。必要に応じて、得たもの、増やしてきたものを手放す作業をする。

家族の歴史は古くない?(P77)

私たちがイメージしている家族が生まれたのは、歴史的には非常に新しく、せいぜい50年~100年のこと。

「結婚して家庭を持つのが男として当然」「男は外で働き女は家を守る」などは、昔からずっと続いてきた考え方ではなく、歴史的には新しい考え方。

歴史的に一時的に生まれた考え方を昔からあったものを当然と思ってしまうのは、思考の罠の一つ。家族の在り方については、「こうあるべき」と決めつけるのではなく、個人で最適な在り方を選択すればいい。

価値基準の決め方(P122)

今の世の中は、様々な考え方、価値観で氾濫している。

そのなかで迷わないために、本当に自分にとって大切なのは何なのか、価値基準を定めてくことが大切。

どんな人から話を聞くべきなのか、何を基準に毎日生活をするのか、何が幸福なのか、そういうことを追求していくことで、自分にとって理想の生き方は何なのかが見えてくる。

人の行動欲求(P152)

人が行動する理由は、自分の居場所を探すため。「自分はここにいてもいいんだ」そんな場所を見つけるために、仕事をしたりお金を稼いだりしている。

自分の居場所は一つだけではない。会社や家族、地域、いろんなところで見つけることができる。大切なのは、一つだけの場所にとらわれず、いろんな場所を見つけること。

中には合わない場所、合わない人がいるが、そういう場合は「棲み分け」をして、快適に距離を取ればいい。

人とつながるときも、「いかに人とつながるか」より、「いかに合わない人とつながらないか」が大切。

溜めを作っておく(P177)

人生、どんなに頑張っても、予想外のトラブルというものが起こる。

そういうときに大切なのは、ここがダメならアレという具合、いろんな方面で保障を作っておくこと。

「これしかない・・・」では自分を追い詰めてしまう

「あれもあればこれもある」というように、困ったときに頼れたり、方向転換できるような、選択肢を持っておくこと。それが、いざというときの保障になる。

感想など

「うんうん、そうだよなぁ」と何度も頷きながら読了。

個人的に共感したのは、「普通」の暮らしを求めることの難しさ。

人並みという言葉がありますが、

「○歳までこうしてああして、当たり前に思われていることが、実はとてもむずかしいことではないか?では自分はどうするんだ?」

いつからかそんなことを考えていたのですが、この本を読んで、やっぱり「普通」は案外難しいんだなと納得。

いろんな考えがあってもいい、みんなはこれがいいと言うけどだけど自分はこっちでいい。流されず自分が大切にするものを追っていこう。

そんな気持ちにさせてくれる本でした。

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