アトラスの人気RPG『ペルソナ5』の続編、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』をイージー1回、ハード1回、追加モードをクリアした上での感想になります。
重要なネタバレを含みますので、気になる方はご注意ください。
なお、最新のVer(アップデートVer.1.01)においてプレイの進行が不可能になる致命的な不具合を確認していますので、その点もざっくばらんに書いています。予めご了承ください。
はじめに
ハマりにハマって睡眠不足に陥った『ペルソナ5ザ・ロイヤル』の姉妹作品が発売されるということで楽しみにプレイ。
今回はコマンド式のバトルではなくアクションRPGということで、事前に死にゲーとして知られる『ダークソウル3』のカンスト世界を5回周回した上で腕鳴らし。
結論から言って、様々な不満をあるものの、3回周回するほどに楽しむことができたゲームでした。
バトルはアクションですが、「敵の弱点をつく」という「ペルソナらしさ」を強く実感することができます。
ただし『ザ・ロイヤル』で感じたような丁寧さはなく、現状のVerでは様々な問題があります。この点、誰にもおすすめできる作品ではないのがとても残念です。
ストーリー
『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』のストーリーは無印のストーリー後。
めでたしめでたしを迎えたメンバーが夏休みに再会し、全国で起こる怪事件をクリアしていく話です。
舞台は渋谷をスタート。
キャンピングカーで全国を巡ります。
まずは杜の都仙台。
そして札幌。
すすきの周辺はいろいろ作り込まれてます。
札幌の次は京都を経由して沖縄。
沖縄から福岡(探索なしが残念)。
そして大阪。
全国を巡り、怪盗団の活躍を楽しむことができます。
新キャラについて
今回は新ストーリーとして新しいキャラが次々登場。最初からいろいろヘビーなキャラが登場して物語への期待感が膨らみます。
後述する新キャラの刑事さんはかなりいいキャラ。
それと、刑事のボスのこの御方。
最初は絶対に悪役だと思ってましたよ。
それと、この人は最初の段階から「ピン!」と来たので、終盤は「やっぱりなぁ」というお約束。
話の筋が読めてしまった点、意外性がなかったのが正直な感想。
主要キャラ総評
今回『スクランブル』ではゲームがアクションに変化。その点、仲間たちを最初から自由に操作できる点が面白いです。
以下、各キャラの評価です。
坂本くん
初心者向けの使いやすいキャラ。硬い+物理強いで、使いやすさは抜群。某ヒーローとの戦いではかなり役立ちます。
モナ
無印の頃からお気に入りでその可愛さから常にパーティー入りさせてましたが、正直『スクランブル』ではあまりに柔らかすぎて、気がつけば撤退してます。
後述するRiskyでは真っ先にダウンしてしまうので、メンバーとして活用するには強化必須です。スキルは便利なのですが。
アン殿
主人公以外で汎用性が高く使えるのがアン殿。
ポイントはコンセ→大炎上の連発。アン殿だけ状態異常でSP回復スキルを覚えるので、SPが尽きやすい本作ではかなり便利なキャラになっています。
祐介くん
自分で操作するならかなり楽しいキャラです。
カウンターなど使いこなすのは要練習ですが、うまく噛み合うようになると、アクションしてる感が楽しめます。メインの氷結の汎用性も抜群。敵を凍らせるのはかなり強い!
それと、ストーリーでもかなりイケメン化してます。
このシーンからの一連のセリフにはほんと、しびれましたよ。
真ちゃん
無印に比べて正直強さは目立ちませんが、かんたんに言えば死ににくい回復役。
NPCのモナを回復役にしているとすぐに撤退してしまうのですが、真はやや固く、最後まで戦ってくれます。派手さはないけど安定している点が、真の魅力かも。
春ちゃん
無印でも強かったですが今作でも強い!味方を強化してくれるだけでなく、自分で操作してもかなり強いです。特に遠距離からバズーカ連発は最高!
ソフィア
『スクランブル』で登場した新キャラですが、常時レギュラー入りの強キャラです。
まず回復役として硬いだけでなく、祝福属性が全般的に活躍します。真とペアで運用すると、かなりパーティーが安定します。
刑事マン
『スクランブル』で登場する新メンバー2。主人公の次に強いキャラです。
まず弱点なし。そして万能属性でどんな相手にも対応可能。おまけに敵を弱体し自分を強化可能。文句なしの強キャラ。
最終的には主人公+ソフィア+善吉+誰かという構成になります。
問題点はこちら
正直な話『ザ・ロイヤル』をプレイしてほとんどゲーム中でストレスを感じることはなかったのですが、『スクランブル』はプレイしていていくらかストレスを感じる場面が少なくありませんでした。
もちろん面白さはあるのですが、ゲームプレイという体験における快適さに関しては、まだまだ改善の余地が多い内容だと感じています。
例えば護衛のミッション。
最初、渋谷でこのミッションが出たときは嫌な予感がしたのですが、案の定敵がナビをめがけて集中的に寄ってくるので、サクサク敵を処理していかないと、ナビが瞬殺されます。
特に、後述するRiskyだとあっという間にゲームオーバーになり、解法は限られています。この点、アクションの面白さを楽しむことはできませんでした。
次に、警戒度の仕様。
今回、警戒度が上がるとジェイルから矯正撤退になるのですが、敵によっては65%→100%と意味不明な上がり方をします。
しかも敵に見つかると、いくら敵との距離が離れていても強制バトルになり、敵をスルーするのが難しい仕様になっています。
カバーして隠れることができる場所もバラバラで不便だし、基本的には全部敵を倒していかなければいけません。
加えて『スクランブル』ではSP管理が厳しいので、『ザ・ロイヤル』と比べてダンジョン攻略でストレスがたまります。
あと目立つ点ではバトル中にワンモアしようとしてファントムムーブが発動する仕様。「自分が想定していない」動作が起こりやすい仕様になっているなど、プレイヤーに不要なストレスを与えています。
そのほか、気になったのはジェイル探索のワンパターンな仕様。
少し進む→「シャドウがでてきぞ!」とバトル→進む→以下同じというように、展開がワンパターンでテンポが悪いのが気になるところです。
ボス戦に関しても、いちいちセリフや演出が入り時間が止まるので、バトルへの没入感が著しく削がれます。なのでボス戦を楽しめたかというと、その点は微妙なのが正直なところ。
その他このような気になる点があります。
バトル面
・チェックポイントの仕様。HPSP回復のためにジェイル離脱が無駄。離脱しても実質デメリットがないのだから、チェックポイントでHPSP全快してもいいのでは?
・バトル画面が忙しく、画面外から攻撃されること多し。
・攻撃が「軽い」ので、ダメージを与える爽快感がない。
・Riskyのゲームバランス(後述)
その他ユーザビリティ
・セリフの自動送りがない。(なので自分は2周目以降イベントは全スキップしました)
→アップデートで追加されました
・街中でダッシュできない&サードアイが使えない
・ロードが長い
Ver1.01における致命的な不具合について
以上の問題は我慢できると言えばできるのですが、問題は「ゲームの進行が不可能になる」バグがそのまま残っている点です。
アップデート1.01でいくらかは解消されたらしいですが、自分が経験した致命的なバグとしては「ラスボス戦で進行不能になる事態」を確認しています。
具体的には、
Riskyでラスボスに挑戦→球体をメンバーで手分けして破壊する場面でメンバーが瞬殺されてやり直し→メンバーを強化して再戦→あと一歩撃破のところで画面の外へ突如落下して進行不能
という状況になりました。これがその状態。
幸い再現性はありませんが『ザ・ロイヤル』ではこのようなゲームが進まなくなるような不具合はなく「『ペルソナ』というブランドは丁寧に制作されたゲームである」という認識を持っていました。
『ザ・ロイヤル』でも一部クエストでゲームが止まる不具合がありましたが、それは避けることができましたので、「致命的」ではありませんでした。
そのため、続編である『スクランブル』でゲームそのものが進行できないという症状が起こったことを、とても残念に感じています。
とはいえ最新のアップデートファイルでバグ等が改善されているようです。本バグについては把握していませんが、今後問題が解消される可能性があります。
良かったところ
以上、様々な不満点はあるものの、正直オリジナルよりも良かった点もあります。
個人的にはペルソナの育成要素と、ストーリーのスキップ機能は『スクランブル』の方が好きです。
ザコ敵がステアップのアイテムを落とすので、周回時のバトルに無駄がないし、スキルカードを頻繁に落としてくれるので、自由にペルソナを編成できるのは素晴らしい。
そして、周回時にストーリーをスキップしたい自分としては、『ザ・ロイヤル』のような早送りではなく、スキップできる方がありがたい。
Riskyについて
今回、通常モードでラスボスを倒して特定の条件をクリアすると二週目が解禁され、Riskyという超ハードモードをプレイすることができます。
こちらの難易度ですが、二週目に突入できる状況でそのままプレイすると、ストレスでゲームそのものをプレイする意欲が喪失します。
基本的に耐50程度のペルソナでプレイして敵の攻撃を2発ほど食らうとやられます。味方もサクサク瞬殺されます。特に、ナビのような体力が低いNPCは敵の魔法で瞬殺されます。
何の準備なしにRiskyに突入すれば、序盤のチュートリアルに入った段階でピクシーに画面外から攻撃されて瞬殺されます。Riskyに入る前にある程度の強化と準備をしておかないと、まともにプレイできません。
ということで、雷耐性と物理耐性のあるペルソナを作ってレベルは90程度に。その上でRiskyに突入。
1・スキルを厳選した特定ペルソナを作成
2・強化アイテムで味方を強化
この2つをしっかりしておくことで、普通にRiskyがプレイできます。
スキルを厳選した特定ペルソナを作成
Riskyの敵は高火力+硬い+数の暴力と、普通にプレイしていると苦行でしかありません。しかし然るべき準備をすることで、一部ボス以外はあっさりかんたんにクリアできます。
そのために必要なペルソナがこちら。まずルシファー。基本はコンセ→明けの明星で大抵の敵をワンパンできます。
作成は2周目で解禁なので、Riskyに入る前に普通のモードで周回して、事前に作成しておくとRiskyの攻略がはかどります。
次にルシファーの作成以上に重要なのが即死用ペルソナ。
こういうことを書くと語弊があるかもしれませんが、Riskyはいろんな意味で即死ゲーです。敵の攻撃を受ければワンパン。そして敵を倒すにも基本はワンパン。つまりムドかハマです。
Riskyでは運99にした即死魔法を持つペルソナが大活躍します。どんな硬い雑魚もワンパンで倒せます。SPの消費も低く、なんと中ボスにも効きます。
なので敵の弱点をシコシコとつくより、即死でワンパンさせるのが最適解の仕様になっています。
ということでRiskyに入る前にムド成功率アップ+死んでくれる?をつけた呪怨属性のアリス。そしてハマ成功率アップ+マハンマオンを持つメタトロンを作成し、それぞれ運を99にしておきます。
これでRiskyの攻略は劇的に楽になります。
ちなみに呪怨や祝福が無効な相手にはルシファーか、氷属性魔法のペルソナで対処すると楽です。
強化アイテムで味方を強化
Riskyに入ると、ザコ敵を倒すと強化アイテムを入手できます。これが重要で、味方をある程度強化しておかないと、仲間が次々に瞬殺されてジョーカーのソロプレイを余儀なくされます。
しっかり強化アイテムを集めてメンバー全員の耐を最低70以上にしておくと、多少死ににくくなります。
その際は、バンドスキルで宝石ハンターを取得。
ちなみに仙台まで来たら、宝魔狩りをしてお金+スキルカードを入手して、ペルソナを強化していきます。
倒せば全てのスキルカードを落とすようで、魔術の素養や各種最強の属性魔法もサクサクドロップします。
このように、メンバー&ペルソナを強化していくことでクリアすることはできますが、結局難易度の設定面ではやや調整をミスしている感はあります。
コンセプトや開発会社が違う他ゲームと比較するのはナンセンスかもしれませんが、死にゲーとして知られる『ダークソウル3』のカンスト世界では敵の攻撃を食らえば痛いですが、ボスがそこまで固くありません。
なので敵の属性に応じた武器を選び敵のパターンを覚えることで、さっくりボスを倒せるようになっています。
『スクランブル』のRiskyはキャラを強化し、適切な強化をしたところで、敵が硬すぎるために作業感が強いです。倒せることはわかってるけどボスが硬すぎるので無駄にバトルが長引く点、調整が欲しいと思います。
特にラスボス。そして隠しボス(死ぬ可能性がある万能属性魔法の攻撃を避けるだけの作業なので)。
まとめ
以上、長くなってしまいましたが『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』の感想まとめです。
アクションの『ペルソナ』ということで、とても楽しみにプレイしましたが、通常モードのアクションに関しては基本的に楽しむことができました。
プレイヤーにストレスを与える仕様+Riskyに関しては完全を人を選ぶこと+バグなど、いろいろ問題がありますが、良い点もあります。
特にバトルに関しては「アクションのペルソナも悪くない」と思える内容になっています。この点『ペルソナ5』をワクワクプレイした方にとっては、新鮮な気持ちでプレイできる作品です。
以上、『スクランブル』に興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。