岡田尊司著『境界性パーソナリティ障害』(幻冬舎新書)の読書感想です。
「気分が天気のようにコロコロ変わる。」
「ベタベタしてくると思ったら、急に態度が変わり冷たくなる。」
「言葉に毒がある。人を傷つけることを無遠慮に言う。」
一見、わがままな性格と勘違いしがちな人がいます。でも、もしかしたら、その人は境界性パーソナリティ障害で悩んでいるのかもしれません。
不安定な性格
境界性パーソナリティ障害とは、対人関係において、感情や行動が不安定になる障害のこと。ボーダーライン人格障害とも言われます。
メンタル面の不安定さが特徴で、イライラしたり不安になったりして、心の衝動を抑えることができないのが特徴と言われます。
本書では、境界性パーソナリティ障害の症状やメカニズム、発症の遺伝的要因などの基礎知識が分かりやすく解説されており、周りから見えれば、不可解で理解できない行動が少しは理解できるようになります。
自己中な人が増えている?
著者によると、「現代は境界性パーソナリティ障害の人が増えている社会」と言います。その大きな原因は、私達が育つ環境にあるそう。
遺伝的要因に加え、父親や母親との関係。親の養育態度や教育方針、現代人の家族関係(核家族の弊害)によって、情動や対人関係のコントロールが訓練されず、結果「世界は自分だけのためにある」と勘違いする誇大化した自己愛を持つ人が増えていく・・・。
現代人に境界性パーソナリティ障害が増えている理由、具体的な例、エピソードも多く、読んでいて「なるほど!」と納得してしまうことが多かったです。
予備知識と対処法を学ぶ
いわゆる自己中、「自分さえよければ、人に何をしてもいい」というような問題人物はどこの世界にもいて、社会と関わる限り、そのような人物に悩まされる事が多いと思います。
なぜ彼らがそのような行動を取るのかは、なかなか理解が難しいですが、なるほど、この人達がそのように振る舞うには、いろんな理由があるのだなぁと理解できました。
この本には、境界性パーソナリティ障害のタイプと、支え方も説明されていますので、知識として、知っておくことで、人間関係の悩みを軽減できるかもしれません。
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