プロを目指すなら1日2000文字以上。S・キング著『書くことについて』を読む

書くことについて (小学館文庫)

『スタンド・バイ・ミー』や『1408号室』、『キャリー』など様々なヒット作を生み出した作家の仕事術とは。スティーブン・キング著『書くことについて』(小学館文庫)を読んだ感想です。

内容など

本書は、スティーブン・キングの自伝、作家として成功するまでの人生や、本の書き方、仕事術などのエッセイ集です。簡易な文体かつ、肩のこらない軽妙な文章なので、サクサク読めます。

スティーブン・キングというと、『キャリー』や『グリーンマイル』、『1408号室』などのサスペンスやホラーが多い(という印象)の作家なので、気難しい人を勝手にイメージしていたのですが、この本のスティーブン・キングは、とてもひょうきんなイメージです。

スティーブン・キングの半生から作家を目指すまでにどんなことがあったか、作家という仕事をするために意識していること、1日の仕事の進め方など、勉強になる内容がたくさんあります。

「作家を目指すなら、とにかく本を読むこと」、「1日2000文字以上書く」など、具体的なアドバイスが満載です。)

感想など

この本を読んで印象に残ったのは、スティーブン・キングが作家を目指すべきか、それとも教師として生きていくか、悩んでいた下積み時代の頃の話です。

家族が貧乏で、大学在学中に妻と結婚。高校教師の仕事をしながら、コツコツ執筆。『キャリー』がヒットするもしばらくは教師業を兼業。その後収入が安定したため、作家業に専念。

「ヒット作が多い成功した作家」というイメージがありますが、実際、成功をつかむまでは、苦労が多く、下積みが長かったようです。

作家を目指すも芽が出ず、「自分は作家としてやっていけないのではないか。このまましがない教師として一生を終えるのではないか・・・。」と悩んでいたスティーブン・キング。

そんな彼を前に進ませたのはキングの妻。「教師をしながら執筆を続ける間、妻は否定的なことを言わず、私を励まし続けてくれた。教師をしながらコツコツ執筆を続けていた時間を妻から否定されたら、私の心は折れていた。」(意訳、P94)と語っています。

「自分は作家として生きていきたい。でも、正直結果が出ていないし、才能があるか分からない・・・。」

このように悩むとき、「お前はダメだからやめろ!」と言われるか支えてもらえるかでは、確かに環境が全然変わってきます。

私の知り合いのミュージシャンも、音楽を辞めるかどうか迷っていたところ、奥さん(当時は彼女)に「あなたは音楽一筋でやってきた。応援する。」ということで、サポートを得て、今は音楽関連の会社で働きつつ、様々なバンドに参加して活躍しています。

成功するには、才能だけではダメ。周りに支えてくれる協力者が必要なのかもしれません。環境は大事ですね。

本の詳細はこちら