東大卒&官僚の肩書を捨てて分かったこと。『肩書き捨てたら地獄だった』の読書感想

肩書き捨てたら地獄だった - 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方 (中公新書ラクレ)

東大卒&官僚の肩書を捨てた男が教える、これからの時代の働き方。

宇佐美典也著『肩書き捨てたら地獄だった 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方』(中公新書ラクレ)の読書感想です。

この本について

東大卒&経済産業省というエリートコースを辿った著者が、自らの肩書&キャリアを捨て独立。

その経験をもとに、肩書なしで生きていくためにはどうすればいいか、自分の力で食っていくためにはどうすればいいかを語っている本。

官僚を辞めた理由や体験も面白いですが、「自分の足でしっかり立とうぜ!」という熱いメッセージが伝わってくる本になっています。

以下、本書の読書メモです。

肩書で自分の力を勘違いしてはいけない(P38)

人は一人では何もできない。人は社会的動物で、職場で働けば半強制的に人間関係ができ、そのなかで仕事をしていく。

偉い会社や人から「スゴイ!」と言われてるところに勤めていると、自分の力を勘違いしてしまうが、一度組織とのつながりを剥がされてしまえば、無力な自分を感じることになる。

セルフブランドとは(P49)

セルフブランド=認知された個性。オンリーワンのもの。

・有吉弘行

→猿岩石で失敗したけど這い上がり、毒舌で成功したキャラ

・ホリエモン

→IT長者として成功したけど逮捕、そこから這い上がってきたキャラ

というように、「この人はこういう人なんだ」と周囲から認知されている個性。

スペック競争では成功できない(P61)

近頃、世界を視野に入れていろんなことに自己啓発している「意識高い系」の人が多いが、彼らはグローバルマッチョに洗脳され、壁にぶち当たっている。

彼らは学歴や資格、英語など、いわゆる「スペック」を重視し過ぎて、自分という核を見失っている。

結局、スペックを追い求める=既にあるピラミッド構造のなかでNo.1、上を目指していくこと。

そこは競争が激しく、常に努力と限りない消耗戦を強いられる激戦区。競争に勝つのは大変だし、油断するとすぐ脱落してしまう。

世の中のスペックを追い求めるより大切なことは、スペック競争なんてせず、自分の好きなことを追い求めていくこと。好きなこと、興味があることに打ち込むこと。

競争から外れて、心地良い環境で好きなことをしていると、そこで見つかるものがある。それが、オンリーワンの個性であり、自分のブルーオーシャンになる。

組織の人間関係(P77)

終身雇用は、組織に忠誠を誓う代わりに組織が肩書を与え、仕事をするためのブランドを貸出、生活を保証してくれる制度。

安定しているように思えるが、逆に言えば、組織とのつながりが絶たれれば、収入、肩書、人間関係、全て失ってしまう危うい関係。組織に頼りすぎていると、簡単に孤立してしまう。

フリーエージェントが生き残るポイント(P82)

フリーエージェントが生き残るためのキーワードは分散。

一つの仕事相手に頼らない、収入源を一つに依存しない。いろんなところに分散させ、何か一つに頼らない

複数分散で安定性がアップする、それがフリーエージェントの働き方。

人生はドラクエだ(P183)

私たちの人生はロールプレイングゲームのようなもの。

ゲームがスタートするときは、ひのきのぼうにぬののふく、所持金は50Gと貧相な装備でゲームスタート。

そこから弱い敵を倒して少しずつレベルアップ、一緒に戦う仲間と出会い、最後には魔法を倒しめでたしめでたし。

最初から上手くはいかないが、未経験の状態から、いろんなことを経験して、どんどん成長していく。

感想など

タイトルが気になって読んでみた本。

「肩書を捨てて後悔しましたよ」的な話かと思いましたが、そうではなく、「肩書を捨ててもこうやって生きていけますよ」的な本で、なんというか、文章に熱がこもっていて、読んでいて著者のエネルギーが伝わってくる本でした。

著者の宇佐美さんは東大→官僚というエリートコースを歩んでいたものの、東日本大震災をきっかけに人生について考え、独立。

しかし独立してみると思うようにいかず、

「学歴や肩書に頼り過ぎてた俺はダメだ、プライドを捨ててどんなことでもやろう!」と決意

「今の自分を発信して、新しい自分ブランドを作ろう」

「ともかく動こう、自分で人生の活路を開くんだ!」

こんな具合、試行錯誤して自分なりの働き方を発見。

その体験等がこの本で書かれているのですが、著者の覚悟というか、「人生なんとかしよう」という経験談に熱があるというか、読んでいてすごくいい感じがしました。

それと、この本では、官僚を辞めて独立するさいの試行錯誤、肩書を失ったことによる周囲の変化、肩書がなくても食っていける自分ブランドの話とかが体験談的な視点で語られているので、読んでいて単純に面白かったです。

この本を読むと、肩書を持っていてもそれがいかに脆く、頼っていると危険なことなのかが書かれていますが、肩書があるのも、それはそれで難しいもの。

私も会社に属さず100%成果報酬、実力主義の仕事で生計を立てているので、肩書等はゼロ。利用できる肩書がないことのデメリットを感じることもありますが、マイナスあればプラスあり。

肩書がないということは、仕事にお金、いろんなことを自分で考える必要があって、「何かに頼ろう、支えてもらおう」という依存心を持ちようがないところが、逆にいいのかもしれません。

とまぁ、読んでいてガッツを感じた本でした。

「人生一度切り、会社マンで終わってたまるか!」という方は、一読をオススメします。

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