中村うさぎ&佐藤優の対談集『聖書を読む』の感想です

聖書を読む

教養&欧米文化研究のために岩波文庫の『創世記』と『新約聖書 福音書』を読んでみたものの意味が分からず挫折。気軽に聖書の内容が楽しめる本がないかと探していたところ、見つけたのがこちら、『聖書を読む』です。

キリスト教の成り立ちやユダヤとキリストの関わり、カインとアベル、ノアの方舟などの有名な話が、中村うさぎさんと佐藤優さんの対談形式で分かりやすく理解できる本で、読みやすく知識のない私でも、サクサク読むことができました。

個人的に印象に残ったのは、P109〜の言語の話。

内容ですが、「神様は人間に対して厳しい姿勢を持っていて、みんなが同じ1つの言葉を嫌う。なぜかというと、1つの言葉で人々がコミュニケーションをすると、知恵や知識が集約され、人間が神様に対抗できるから」という話で、この話が、ローマ帝国の崩壊の話やソ連などの帝国の話とつながっていきます。

少し長いですが、引用します。

佐藤「一般に帝国というのは、人を集める、情報を集める、富を集めて膨張していく。しかしどこかのタイミングで一気に瓦解する。ローマ帝国にしてもソ連帝国にしてもそうだし、やがてアメリカ帝国や中華帝国もそうなってもおかしくない。」

中村「その瓦解の理由として、ここでは<<皆1つの言葉を話している>>ことを挙げていますね。瓦解する理由は他にもいろいろあると思うんだけど。」

佐藤「ひっくるめていえば、帝国が崩壊するのは外的の侵入でなくて、内側から矛盾が拡大してくるせいなんです。」

中村「そうすると、神様が<<直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬように>>したのは大正解だったわけ?」

佐藤「そう。ここのところは実に興味深い。」

このような感じで、聖書を題材は過去や現在、世界で起こる様々な現象とリンクするのんだなぁと知り、とても面白かったです。

嫉妬で弟を殺したカイン、世界を浄化しようとする神のノア計画、映画にしろ、ゲームのストーリーにしろ、小説にしろ、その原型的なものは聖書の話を模しているものが多くて、聖書の内容を知っておくことで、物の見方が1つ増えたように感じます。面白い一冊でした。

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