本田直之著『何を捨て何を残すかで人生は決まる』(青春新書インテリジェンス)の読書感想です。
この本について
断捨離をベースとした人生観が説かれている本。
なぜ人生では足し算ではなく引き算で考える必要があるのか。身軽で自由な人生とはどのようなものなのか。この本でもっと身軽に生きるための考え方
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P3)
人生を身軽に生きるために大切なのは、ものを減らすとかそういうことではなく、自分にとって本当に大切なものを見極めて選択し、見た目だけではない豊かさを追求すること。
自分で考え選択する、それによって幸せに自由に暮らしていくことができる。
欲しいものを手に入れようとする前に(P7)
たくさん稼いでたくさん使う。そんな欲求を置い続ける人生に幸せはない。
欲求の連鎖から抜け出し、自由で身軽な暮らしをするためには、自分にとって何が不要なのかを知ること。
自分にとって必要かどうか。やる必要があるのかやる必要がないのか。会う必要があるか会う必要がないか。
自分で選択する力は誰からも奪われない。自由で身軽にいるために、自分に不要なものはいさぎよく、捨ててしまったほうがいい。
予想される未来(P40)
効率重視の社会は終わり、今後は効率化できない独自性が評価される時代がやってくる。
周りに足並みを合わせて「右に倣え」をしている人は無個性で苦しいが、逆に自分の独自性を追求し、人とは違う生き方をしている人にとっては、生きやすい時代がやってくる。
まずはやってみる(P45)
新しいことに挑戦する、そのときは恐れやリスクを感じてしまうが、どんなことも実際も始めてみれば、自分が思ったよりリスクや危険はない。
どんな不安なことも、実際に通り過ぎてしまえば「こんなものか」で終わる。
新しいことを始めようとするときは、いろいろ不安になるものだが、まずはやってみること。失敗したらしたで間違いを修正すればいい。
見栄でお金を使わない(P69)
良い暮らしをするために働き続けなければいけないのは最も不自由な生活。
大切なのはお金はものではなく体験に使うこと。人に見栄をはるために高級品にお金をつかうのはお金の使い方としては適切ではない。
身につけるものではなく、自分自身のレベルを上げるためにお金を使う。
名刺交換は無意味(P98)
異業種の人と出会うことには意味がある。しかし異業種交流会のようなビジネス目的の交流会では良い出会いは期待できない。
そこでたくさんの人と名刺を交換したとしても、本当の人脈は手に入らない。せいぜい知り合いが増えるくらいで、知り合いが何人増えようと実際は何の意味もない。
そんな「人脈作り」に時間を割くより、自分が人から必要とされる、誰かに頼られる存在を目指すこと。
誰かに頼られる存在になれば、自然と人脈が広がり、重要人物との出会いがやってくる。
出世を目的にしてはいけない理由(P132)
自分の会社で出世して社内で評価されたとしても、外部からの評価は別。
社内という限られたコミュニティにおいては出世することは意味があるが、出世を目的に仕事を頑張ると、やがて限界がやってくる。
大切なのは出世ではなく、仕事そのものを頑張り、会社以外でも活躍できる力を持った人を目指すこと。そうすれば、どこへ行っても活躍でき、人生の自由度もアップする。
目的意識を持つ(P153)
今なぜ、その仕事をするのか。何のためにそれをするのか。必要なのはこの意識。
ただ無意味に目の前のことをこなしていくのは人生のムダ。大切なのは目的。何のためにするか、それは自分にとってどんな意味があるのか。
それを見定めた上で、やるべきこと、やるべきでないことを選別する。
オリジナリティを手に入れるために(P155)
オリジナリティ=「これしかできません」という姿勢。「あれもできます、これもできます」ではオリジナリティは手に入らない。
ローンは怖い(P180)
ローンを組むこと=住む場所が固定され、ローン返済のための自分の人生の大まかなストーリーが決まってしまう。
ローンを組むことで人生はガチガチに固まり、そのときそのときに応じた、自由で柔軟な生き方ができなくなってしまう。
ローンを組むなら、「これから30年以上自分は絶対こうして生きていく」という覚悟が必要。
感想など
何かを得ようとする前にいらないものを捨てて身軽になる大切さと、「欲しい欲しいでは人生が上手くいかない」というのが印象的
人生を縛る不要な常識を捨て、自分にとっていらないものを捨て、必要以上のつながりを捨て、やらなくていい仕事を捨てる。そして、自分が扱えないお金はきっぱり捨ててしまう。
こんな引き算的発想の本なのですが、読んでみると案外納得できる話が多くて、人生は足し算より引き算の方が、気楽に自由に生きられることが分かります。
まぁ、足し算の人生は刺激的で楽しくはありますが、それには必ず限界がやってくるのも確か。というのは手に入るものが多ければ多いほど、それを失うことを恐れるからです。
何かを持てば持つほど、そこに執着が生まれ、それによって不自由さが生じます。
それなら、自分は本当に何が必要なのか、持つのは最低限必要なものだけ選び取り、自由で軽やか、いつでも身軽にいられる状態を目指す。
こんな生き方もありなのかな、と思います。
ただ、人生で何も持たず身軽になりすぎると、最後にはどこにもたどり着けない根無し草になってしまう可能性もあります。
人生のどこかでは、人生で必要なものを背負い、「自分はココでこうして生きていく」という覚悟を持ちたいもの。
そのときが来るまでは、自由度重視、身軽で柔軟に生きていたいもの。どうやって?気になる方は、この本がきっと、参考になることでしょう。