『節約の王道』の読書感想 – お金をムダ金にしないための節約哲学

節約の王道 (日経プレミアシリーズ)

なぜ、お金を降ろすなら3万4千円なのか?

林望著『節約の王道』(日経プレミアシリーズ)の読書感想です。

この本について

日本文学者として有名な著者による節約論。

良い&悪い節約、お金を有効に遣うための考え方など、節約についての実用的な考え方が満載の内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

身に合った快適な暮らしをする(P14)

人と張り合わず、自分の好み、感性にあったものにお金を遣う、そんな自分丈の生活が人生の基本。

欲を持てばきりがないし、人と張り合う見栄はムダ金に。だからこそ、自分にとって何が快適なのかを見定め、自分丈、自分の軸でお金を遣う

節約もそのため。

何でもかんでも節約すればいいものではない。ケチケチした暮らしは人生の質を損なう。人生の楽しみには、然るべきお金を遣う。

井原西鶴の教え(P16)

自分の仕事をきちんとやる。ムダなお金を遣わない。夜の時間もムダにせず、やるべきことをやる。健康を大切に、早寝早起き。これが成功に必要な考え方。

家計簿はつけない(P42)

お金の収支を理解することは大切だが、細々と手のかかる家計簿に時間をかけるのは疑問。

大切なのはいくら入ってきたのか、そしていくら出たのか、そこのおおよそが分かっていればいい。

細かい数字をチェックしてストレスをためるのは人生の損。

お金も人生を楽しむためにあるのだから、お金で細々し過ぎて窮屈になってはいけない

友人関係ではお金を介在させない(P59)

友人同士でも、お金を介在させると上下関係が生まれたり、トラブルが起こったり、関係が上手くいかなくなる可能性がある。

どんな信用している友だちでも、お金の貸し借り、やりとりはやめた方がいい。

見栄にお金を使わない(P71)

冠婚葬祭、儀式にお金を出すのは見栄のためであり虚栄。お金のムダ遣いの典型。

結婚式はお金をかけなくてもシンプルで質素にできる。虚栄のためにムダ遣いしてはいけない。

お金にルーズな男頼りの女はやめておく(P82)

著者から男子へのメッセージ。

「おごってもらって当然」という態度の女は危険なのでやめておく。女性が見せる態度で、その女性の品格や程度が分かる。

男女関係は原則イーブン。

男性の方がデートでお金を払うにしても、「今度は私が出すね」と自分でお金を払おうとする女は優良株。大切にすべし。

スーツは一度に三着買える価格のものを選ぶ(P102)

一点豪華主義、スーツだけ高級品を買うのは滑稽。

身の丈に合わない買い物は身の破滅のもと。スーツのような実用品は、着回せるよう、同じものを三着一度に買えるくらいのものを選ぶのがいい。

本は借りないで買う(P142)

本は原則買って読む。

借りて読んだ本は、自分の血肉にならない。本にお金を出すからこそ自分の血肉となる。知識への投資は惜しんではいけない

子どもに投資する(P148)

親が子どもに与えてあげられる一番のものは教育。

むやみにモノを買い与えず、子どもの将来に役立つもの、興味を示すもの、学びたいことや行きたい学校には、どんどんお金を使う。

お金は働けばまた稼げる。しかし、子どもの教育はやり直せない一度きりの体験。育て方を間違えったらそれっきり。

小学校は公立でいい(P154)

私立も公立も、小学校教育においては一長一短。

小学校前から子どもを受験で煽る必要はない。受験を頑張らせるのは、中学校からで良い。

子どもには「十分過ぎる」くらい愛情を与える(P161)

子どもを自立した人間に育てるために、確固たる方法はない。子どもは親の思う通りに育たないのが前提。

親ができるのは、子どもの発達に応じて、必要な愛情を注ぐこと。特に、子どもが小さいときは、子どもが求めるだけ、愛情をたっぷり注ぐ。

必要な段階で必要なものを与える、それによって、子どももスムーズに成長していく。

高校・大学は子どもにバイトをさせない(P166)

子どもを学校に通わせる場合、何が一番大切なのか、その本質を見誤ってはいけない。

子どもが高校、大学に入ったときにすべきなのは、高校、大学という限られた時間を、目一杯有効活用すること。

友人と付き合う、精一杯勉強する、このような経験は学生時代しかできない。

だからこそ、親が子どもの学費を払っているうちは、子どもにバイトをさせないで、学生時代しかできることをやらせる。

節約を目的にしない(P190)

お金を無駄遣いしないことは大切だが、貯金することを目的化してはいけない

通帳残高が増えていくのを楽しむのは、神経症的な貯金。人生の豊かさ、生きる喜びには程遠い。

貯金をするなら、何のために貯金をするのか、目的ありきで貯金をする。

「先に備える」など抽象的な貯金は不要。

20代30代のうちは、先のことなど心配せず、自分を磨くためにお金を遣ったり、一生通じるスキルを習得するためにお金を遣う方がいい。

節約するなら、自分の能力を磨くために節約する。

感想など

何にお金を出すか、何にお金を出さないか、明瞭な節約哲学を持つことの大切さが理解できる本。

個人的に参考になったのは、本や自己投資についての考え方。

20代30代のうちは、自分の経験や能力にお金を遣う。それによって、仕事力のアップはもちろんのこと、人生の楽しみも広がっていきます。

この考え方は以前読んだ『しあわせのねだん』という本と近いところがあると思います。20代に遣ったお金が30代の自分を作り、30代で遣ったお金が40代の自分を作る。

お金は貯めるだけでなく、何のために遣うのか、そこを考えることが一番大切なのかもしれませんね。

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