「最近、ちょっとつかれたな」と思ったら。
衛藤信之著『今日は、心を見つめる日。』(サンマーク出版)の読書感想です。
この本について
カウンセラーによる幸福論。
人生で起こる様々なことについて、柔らかい語り口の文章で、ゆったりまったり考えられる内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
失敗するから成功できる(P18)
「上手くいって当たり前、失敗は悪」という考え方は、上手くいかないことを拒否し、必要な経験、学びを得る機会を失ってしまうことに。
物事には失敗したからこそ価値があることある。失敗したからこそ成功できることもある。失敗を恐れず、否定せず、必要な学びを得られればよい。
悩みの本質(P29)
人生で悩むこと=人生で与えられた課題や宿題。
悩むことは悪いことではない。悩みと向き合うことによって、自分自身が鍛えられ、成長していく。
悩みがあるときは、その悩みを無視せず、安易に解決しようとせず、じっくり向き合うくらいの姿勢を持つと良い。
幸せと不幸は表裏一体(P34)
幸せと不幸は一対のコイン、分かつことができない兄弟のようなもの。
幸せのなかには不幸の種があり、不幸のなかに幸せの種がある。幸せだけ得ることはできない。
必要なことは必要なときに起こる(P41)
物事は起こるべくして起こる。人生で必要なことが、必要なタイミングで起こる。今起こっていることには必ず意味がある。
長い目で見れば、人生で起こる出来事に無意味なことは何一つなく、必然だからこそ起こっている。
安易な答えを求めるとカリスマのエサになりやすい(P84)
依存心のある人はカリスマ性のある人に洗脳されやすい。
尊敬する人を絶対視することで、自分の頭で考えることを放棄し、カリスマの言動に心酔し、全てを委ねてしまう。
その背景には、安直に答えを求める依存心が背後にある。答えを自分の外側へ求め、正しい答えを持つ人を探し求める。
他力本願、自分で考えない人は物事を断言するカリスマの養分となる。
「ふつうである」という名誉(P94)
家族のために働き、会社に行き、歯を食いしばって毎日働く。辛いことがあっても愚痴を言わず、泣きたい夜も明日に備えて目覚ましのアラームをセットする。
そんな「ふつう」の生き方はとても尊い。
私たちは、金持ちになることばかり重要視し「ふつう」であることを軽視しているが、お金は幸せの基準にはなりえない。
平凡でありきたり、当たり前のようなことこそ、本当に価値がある。
心は行動で変える(P103)
行動を変えれば気持ちが変わる。体を動かすことで感情が変化して気持ちも変わってくる。
したいと思うことはやってみる。感情は後からついてくる。
人生の道連れは自分自身(P146)
結局、人生の最後の最後まで一緒にいて頼りになるのは自分自身。
孤独でも何でも、自分を信じて自分だけの道を歩む。そしてそんな自分を、自分でサポートしてあげればいい。
感想など
ソフトな文章がすんなり心に響いてくる本。
個人的に印象に残ったというか、「そうだよなぁ」と何度も頷いてしまったのが、「必要なことが必要なタイミングで起こる」(P41)という考え方。
私たちは、「ああしたい」「こうしたい」と物事を自分の思い通りに進めようとしますが、思い通り、スムーズに行くことはあまりありません。
実際には上手くいきそうなタイミングで想定外のことが起こったりして、「人生は上手くいかない」という気持ちにさせられます。
しかし、実際には、思ったとおりにいかないことによって助かっている部分があるかもしれないのが人生の面白いところ。
予定通りに進んでいたら、それが後々、とんでもない問題につながったかもしれない。失敗したからこそ助かったのかもしれない。
そんな妙というか、不思議なことがあります。
それを考えると、人生で起こる様々なことは、それがたとえマイナスにしか思えなくても、探そうと思えば意味が見つかるかもしれません。
10年後に「あぁ、そうだったのか!」と意味が分かるかもしれません。
結局、人生は塞翁が馬で、最後の最後まで、物事の禍福は判断できないものなのかもしれませんね。
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