これからやって来るのはホワイトカラー大量失業時代。『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読む

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AIの発達でこれから世の中が具体的にどう変わるのか。

新井紀子著『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)の読書感想です。

この本について

AIの発達という視点で、次世代の教育及び、生き残りの道を考察する本。

今後AIの発展によって確実に言えるのは、多くの人が仕事を失う、ということ。

本書では「失われる可能性が高い」仕事について具体的に言及。

その上で、今後未来を生きる子どもたちが食いっぱぐれない大人になるにはどうすればいいか。

その解決策も提示されています。

この意味で本書が提示しているこれからの未来を知ることは、生き残りに必要不可欠な視点。

将来のことを考えたい大人だからこそ読んでおきたい一冊になっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P3)

AIの発展によって多くの仕事が失われるが、新しい仕事も登場する。このような楽観論があるが、現実は違う。

AIの代替によって新しい仕事が生まれるのは確かだが、時代の変化についていけず、「淘汰」されてしまう人の方が多い可能性が高い。

歴史は繰り返す(P66)

人類の歴史は、新しい技術の登場によって進化し続けた歴史。

進化が起こったとき、まさに古い技術を持った人たちが淘汰され、新しい時代がやって来る。この繰り返し。

今後なくなる可能性がある仕事(P73)

オックスフォード大が発表したAIの発展によりなくなる可能性が高い仕事ランキングの傾向。

それはAIが得意とすることかつかんたんに人の代替化が可能な仕事。

つまり人がしなくても大丈夫。誰が替わってやっても大丈夫。そういう仕事ほど、将来性がない。

AIの不得手(P171)

AIといっても、得意分野と苦手分野がある。

AIは基本的に決められた枠組みのなかでしか活躍できず、応用が利かない。そのため柔軟性に関しては人間にかなわない。

ここにAIによって失業させれないヒントが隠されている。

すなわち、柔軟性を持ち、決まった枠組みの思考ではなく幅広い枠組みから生み出される発想力を持つこと。

ここに、人が生き残る道がある。

ホワイトカラーは激減する(P261)

今後、誰でもできる事務作業のような仕事や、高度な知的能力が要求されないホワイトカラーの仕事は圧倒的に減少していく。

その結果、サラリーマンは減少し、失業者が溢れ、働き方そのものが変わっていく可能性がある。

これから起こる未来(P273)

AIの発展によって、多くの人が仕事を失う。

仕事を失った人は、誰でもできる低賃金の仕事でこき使われるか、失業者となるか、2つに1つ、選択を迫られる。

この動きは世界で広がり、やがてAI恐慌が発生。1929年のブラックマンデーと同じような、世界的大不況が起こる可能性がある。

生き抜くために(P279)

AIに負けず生き残るために大切なのは、人間らしく柔軟になること。

AIが得意な暗記や計算といった分野で勝負するのではなく、人間しかできないことを仕事にする。

具体的にそれが何なのか、自分自身で考えて見つけ出す。これができる人が、これからの時代を生き抜くことができる。

ヒントとしては、生活のなかで困っていること。「あったらいいのに」に敏感になること。そして、その問題の解決策を考えること。

そこにビジネスのチャンスがある。

感想など

「AIの発展によって多くの人は仕事を失う。とくに、ホワイトカラーの仕事が激減して、多くの人が失業者となる」

という恐ろしい未来が予言されている本。

結論から言えば、AIの発展は避けられない流れなので、これから先、生き残るためには、今までと同じ考え方ではなく、AIの特徴を理解し、人間しかできないことに特化した道を選ぶこと。

具体的には、自分で問題を発見し、それを解決するための思考を身につけること。それをビジネスにすること。

このような、「人間だからこそできること」を磨くことの大切さが印象的です。

非常に納得のいく話で、このことからも、今後、教育を考える上では今で言う学歴社会が過去の遺物となるのは時間の問題かもしれません。

受験の世界のように、どれだけ知識を覚えているか。そんなことはAIには叶いません。

だから、「高学歴でも勉強しかできない人」には非常に厳しい未来がやって来ることが予想されます。

だからこそ、柔軟性。自分の頭で考えて行動する。今あるものでなく、今はないけれど、多くの人が必要としている問題を見つける思考力。

そういった、既存の枠組みの外にあるものに気づける人こそが、今後、世の中で活躍していけることが分かります。

本書は専門的な話が多いですが、AIの発展は、必ず世の中を変えます。問題は、どうしたらその変化を生き残ることができるか。

本書を読めばきっと、そのヒントが見つかることでしょう。

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