堀辰雄『菜穂子・楡の家』を読んで

菜穂子・楡の家 (新潮文庫)

映画『風立ちぬ』を見てオリジナルを読みたくなり、堀辰雄の小説『風立ちぬ・美しい家』に挑戦。今度は『菜穂子・楡の家』を読みました。

「楡の家」は「菜穂子」の前編なので、感想は割愛します。)

映画と原作

宮崎駿監督は『風立ちぬ』を見て、菜穂子に興味を持たれた方は、原作の「菜穂子」を読むと、その理由が分かるかもしれません。

小説の「菜穂子」も明るい話ではなく、結核を持つ女性が「生きよう」とする話です。この小説でも、信州のサナトリウム(結核の療養所)に菜穂子は一人で行くことになります。

このとき、菜穂子は結婚していて夫がいるのですが、菜穂子は夫を置いて一人でサナトリウム(小説『風立ちぬ・美しい村』でも登場した富士見のサナトリウムです)に行きます。

映画『風立ちぬ』でも菜穂子は一人で療養所へ入り、そしてそこを抜け出すのですが、その行動は小説「菜穂子」と同じ。

宮崎駿監督の映画を見て感動された方は、こちらの小説の方で、原作の設定を調べてみると面白いかも。

感想など

ところで、wikiを読むと、「菜穂子」の主人公の都築明は堀辰雄の弟子、立原道造がモデルとなっているそう。

立原道造といえば、「浅き春に寄せて」など情緒的な美しい詩をたくさん発表していますが、ロマン・情緒という点で、堀辰雄とつながっているところがあるのかもしれません。

「菜穂子」は今で言う、「純愛」系のジャンルですが、読んでいて古臭さは感じませんでした。

むしろ、人間の情緒的な部分、ロマンを求める心は、人間の普遍的なもののように思えます。

読後、なんとも言えない気持ちになった本でした。

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