頑張れる、それ自体が一つの才能。
山口真由著『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』(扶桑社)の読書感想です。
この本について
東大→財務省→弁護士という、学歴社会の頂点を極めたような経歴を持つ著者による努力論。
「努力はただすればいいだけでなく、効果がでるための効率的な努力をしなければいけない、そのためにこんな方法がありますよ」というのが本書のテーマ。
この本を読むことで、あなたなりの頑張り方が見つかるかも。
以下、本書の読書メモです。
はじめに、努力することについて(P4)
努力=技術。努力することは抽象的な才能ではなく、具体的な技術の集積。正しいやり方を覚えることで、誰もが効果を実感できるようなもの。
努力の原則(P14)
努力する上で大切なのは、努力を具体的な目的のためにすること。そして、その目的のために、反復・継続を続けること。
苦手なことは頑張らない(P17)
人には得手不得手がある。
頑張っても伸びにくい分野はあるので、苦手分野は基本的に頑張らない。頑張っても、努力の割に得られるものは少ない。苦手なものは自分で取り組むのは避けるのも一つの方法。
自分の向いている能力を判定する(P25)
人の得意能力を判定する上で、
1・「読む」「聞く」の内向タイプ
2・「書く」「話す」の外向タイプ
自分はこの2タイプを中心に、どちらに能力が偏っているのかを考える。自分の得意分野を見分けた上で、必要な努力をする。
目指すは上位3分の1(P42)
人生、一番にならなければならないようなものは案外少ない。
一番を目指すよりは、上位3分の1を目指すのが効率がいい。そこの範囲なら、努力しても届きやすいし、人から評価を受けることができる。
教本は一冊に絞る(P69)
資格取得のために勉強をする場合、まず必要なのが教本。
あれこれ教本に手を出したくなるのが人情だが、教本は基本項目がたくさん網羅された一冊に絞る。その一冊をとことん使う。
教本を読む場合は、一回にそれほど時間をかけず、回数重視でこなす。一回で理解できなくてもOK。何度も読んでいけば、理解できることが増えていく。
努力は周りに見せる(P128)
頑張っていることは、その姿を見る人がいて初めて評価される。頑張っていることは、他人に積極的に話すべし。
感想など
努力は根性論ではない、具体的な方法論だということが分かる本。
分かりやすい文章で、努力することはどういうことなのか、どうすれば結果が出るのか、とても参考になる考え方満載です。
あと、「上位3分の1を目指せ!」という話がありましたが、個人的にこの考えはとても好き。
私も、1流を目指すのではなく、1.5流で在りたいと思っていますが、1流は完結した感じがするけど、1.5流ならその中途半端さがかえって良い。
人生、トップが取れなくても、ある程度上を目指せばいいし、自分が達成できそうなレベルを目標に努力することは、とても大切だと思います。
そこそこ頑張って努力以上の結果が得られる。
これが努力の効率化を目指す上で一番大切なことだと思いますが、何に努力して何を頑張らないのか、頑張るためにはどんな考え方をすればいいのか。
そういった努力の方向性を考えること、「上を目指し過ぎない」という姿勢が、長い人生、どこかで生きてくると思います。