人の性格は形状記憶合金。『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』の読書感想

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)

人見知り芸人の「社会人」コラム集。

若林正恭著『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』(角川文庫)の読書感想です。

この本について

お笑いコンビ、オードリーの若林さんのエッセイ。

「バカとは何?」

「負の感情はどう扱うの?」

「失恋したときはどう立ち直るか?」

など様々なテーマで、まったり、しかしときに少し尖った、じっくり読み込んでしまうエッセイを楽しめる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

頭の良さは要領?(P42)

成績が伸びない子どもの特徴は、「分からないことにずっとこだわり続ける要領の悪さ」。

頭のいい子ども、成績が伸びる子どもは、分からないところはとりあえず放置して、できるところをサッサと進めていく。

もし、頭の良し悪しがあるとすれば、それは、要領が良いかどうかで定義できるかもしれない。

性格が暗い、それなら(P80)

性格は形状記憶合金のようなもので、もともとの形を変えることはできない

だから、性格を無理矢理変えようと努力するのではなく、もとの性格を生かす工夫をすることが大切。ネガティブな性格でも、見方を変えれば、そこに良い面がある。

自分の性格を受けいれ、生かすこと。

人生はマラソン(P123)

人生はマラソン。途中で息切れしないよう、ペース配分が大切。自分の走る速さを保って、マイペースに進んでいく。それが人生の要諦。

人見知りと人嫌いの違い(P237)

人見知りと人嫌いは違う。

人嫌いは本当に人間が嫌いだが、人見知りは本当は人に近づきたいと想っている。でも、近づいて嫌われたら嫌だから、なかなか人に近づけない。

人見知りは自意識過剰で、人と関わりたいのにそれができず、周りに人がいない。だから自分で妄想を抱えて、ますます人に対してバランスが悪くなってしまう。

感想など

2015年の年末、札幌の紀伊國屋書店でこの本が山積みにされていて、「社会人大学人見知り学部」という文言に興味を惹かれ購入。

あまり芸人のことは詳しくないのですが、オードリーといえば春日さんの7・3分けの髪型とピンクの服、爽やかそうな若林さんが印象に残っているくらい。

でも、この本を読むと、見た目の印象(明るくて爽やか)と違って、結構尖っていたり、自己内省的な話題のエッセイが多くて意外。

オードリーが盲学校で生徒と対面したときの話(若林さんのところに子どもは集まらず、相方の春日さんのところへ子どもたちが寄っていた話)では、

「ぼくは、春日が子どもに人気があるのは見た目にインパクトがあるからだと漠然と思っていた。しかし、見た目は関係なかった。春日という男は自分に自信があり、余裕がある。子どもたちはそれを感じ取って春日に集まっているのではないかと感じた。また、逆にぼくの息苦しさも同時に子どもたちは感じ取っているような気がした」(P211)

と、状況を冷静に見ているというか、笑いを商売にする芸人さんは、やっぱり人に興味があって、人のことをよく見ているんだなと思いました。

文章自体も読みやすく、サラサラと読むことができますが、ときにページを読み返して、「これはどういう意味なんだろう?」と考えてしまう話もしばしば。

楽しくも、勉強になったエッセイでした。

本の購入はこちら

コメント