『しあわせのねだん』の読書感想 – お金と日常のささやかなこと

しあわせのねだん (新潮文庫)

今日使ったお金は明日の自分を作っている。

角田光代著『しあわせのねだん』(新潮文庫)の読書感想です。

この本について

『まどろむ夜のUFO』などで知られる作家の角田光代さんのエッセイ集。

昼めし977円、一日(1995年の、たとえば11月9日)5964円というように、お金と普段の生活の思い出がこの本のテーマ。

読みやすい文章で気楽に読めるエッセイが続いていくなか、ときにハッと読み返してしまうものも。

例えばこんな話。

普段、何気に使っているお金が、人を作るという話で、

20代のときに使ったお金が30代の自分を、30代のときに使ったお金が40代の自分を。

今まで使ったお金というのは、どこかで、今の自分を作っている。

お金を使うことには意味があって、それがどこかで、人生の豊かさにつながっている

貯金の数字だけ無意味に高くても、人生の豊かさとは関係ない。

(P174~、要約)

こんな感じの話が出てくるですが、これを読んだときは、思わずハッとしてしまいました。

私の場合、20代の頃はいろいろ失敗続きで、自由になるお金があまりありませんでした。なので、使っていたのはもっぱら本。

だからなのか、20代の頃読んできた本が、30代の自分の価値観、考え方の根になっていて、それが仕事に生きています。

そう考えると、「今まで使ってきたお金には何かしら意味がある」という話は、本当にそうだなぁと感じています。

節約しようとしてもどうしても使ってしまうもの、つい買ってしまうもののことをじっくり考えると、人生、面白い発見があるかも。そんなことを感じたエッセイでした。

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