良い質問をすれば、良い答えが返ってくる。悪い質問をすれば、悪い答えが返ってくる。
谷原誠著『「いい質問」が人を動かす』(文響社)の読書感想です。
この本について
質問の重要性を認識できる本。
良い質問は人生を変える力あり。普段の質問を意識することで人生、仕事、人間関係にどんな変化が起こすことができるのか、この本でチェック。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P3)
質問は、人を特定の方向へ誘導する力を持っている。質問をコントロールすることで、自分や他人を、特定の方向へ動かしていくことができる。
だから質問は大事であり、質問をすることで、自分を変えて、他人を変えることができる。
2つの質問(P20)
質問にはオープンクエッションとクローズドクエッション、2つの質問がある。
オープンクエッションは相手の答えが制限されないような自由度の高い質問であり、クローズドクエッションはイエスかノー、相手の答えた方が制限される質問のこと。
それぞれ用途が違うので、質問の意図によって、オープンとクローズド、質問を使い分ける。
質問をする前に(P37)
質問をする前に意識したい4つのポイント。
1・何を目的として質問するのか?
情報を得たいのか、人に好かれたいのか、人を動かしたいのか?質問する目的を考えることで、質問の仕方が変わってくる。
2・相手は質問するに適した人物か?
質問は適切な相手にしないと、質問しても意味がない。
3・質問に適したタイミングは?
質問するにもタイミングあり。相手の都合の良いタイミングでないと、良い答えは返ってこない。
4・質問は最適か?
質問が答えを決める。良い質問をしないと良い答えは得られない。
こんな質問はNG(P47)
質問するときにダメなパターンに陥りやすいNGな質問。
1・ネガティブクエッション
否定的な質問は否定的な答えを強制してしまう。
2・ノーアンサークエッション
質問は答えを期待する。答えが出ない質問はしない。
3・相手の答えを否定する
質問して相手が話したことを否定するのはNG。
4・質問の連打
質問攻めは嫌がられる。
5・誘導尋問
露骨な誘導は相手に不信感を抱かれる。
6・相手が答えにくい質問をする
応えるのが難しい、考えても答えにくい質問は避ける。
7・刑事的質問
年齢や住所、個人情報を聞きまくる質問は質問される側的には苦痛。
人に好かれる6つの法則(P64)
良い質問をするには、人から好意をもたれることが大切。人から好かれるために注意したい6つのポイント。
1・外見的魅力
2・類似性→人は自分と似ている人に好感を持つ(=共通点、類似点を強調する)
3・賞賛
4・単純接触効果(人は頻繁に顔をあわせる人に好感を持つ)
5・協同
6・連合
質問の極意(P81)
質問は相手の関心を見抜いて行う。人は好きなことはどんどん話したいし聞かれたい。
相手の好きなこと、関心があること、心地良いことを見抜き質問をすれば、相手の好意を獲得し、望む情報を得ることができる。
まず感情を動かす(P99)
人が行動を起こすとき、まずそこに感情がある。
人は理性で考えて行動しているように思えるが、実際は人を動かすのは感情。感情を動かすことができれば、人を動かすことができる。
人生で成功するために(P241)
成功者に共通する3つの行動法則。
1・目標を設定する。
2・行動を起こす。
3・成功するまでやり抜く。
人生で問題が起こったとき(P256)
起こる出来事に良い悪いはない。あるのは視点の違いだけ。
人生で何か問題が起こったときも、決して諦めず、ポジティブな質問をして視点を変えること。問題が解決する前提で考え、良い質問を自分に投げかける。
短所は質問で長所に変わる(P258)
ケンタッキーの創業者、カーネル・サンダースは、店舗がないという短所を自由に動ける(=他店舗へ営業に行きレシピを売る)という長所にして成功した。
どんな短所でも、視点、発想を変えればそれは長所にできる。マイナスを質問でプラスに変える。これこそが質問の力。
感想など
良い質問が良い人生を作る。そのことを実感できる本。
自己啓発の本では、「普段考えていることが人生を作る」というようなことが書かれていますが、普段から自分に良い質問をしていれば、良い答えが返ってきます。
しかし、普段から
「なんで俺は失敗ばかりするんだ」
「なんで人生上手くいかないんだ」
などの悪い質問をしていれば、やる気もなくなるし、人生に希望が持てなくなってしまいます。
この意味で、質問をコントロールしていかに良い質問を投げかけるか、それは人生、仕事、人間関係、あらゆる面で大切なことだと思います。
良い質問をするから良い答えが返ってくる。質問するなら、良い意図を持って、良い答えを期待したいですね。