読んで今すぐ使える説得の秘術。
荘司雅彦著『3時間で手に入れる最強の交渉力』(ビジネス社)の読書感想です。
『3時間で手に入れる最強の交渉力』について
ビジネスやプライベートなど、対人交渉において失敗しないためのノウハウを学ぶことができる本。
具体的に人を説得するために大切なのは何なのか。どうすれば人の言いなりにならず、自分の主張を相手に受け入れてもらうことができるのか。
その方法をこの本でチェック。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P3)
どこでも使える実用的な交渉力を身につけるために何より大切なのは、交渉のパターン(型)を身につけること。
人を説得するためのパターンは決まっている。大切なのはそのパターンを覚えて実践していくこと。パターンを自分のものにすること。
交渉を始める前に(P29)
交渉ノウハウを使う前にまず知っておきたいのが、「交渉当事者同士は決して対等ではない」ということ。
立場の上下、有利不利がある。それを知らずしていたずらにノウハウを利用しても、良い結果を得ることはできない。
交渉力とは(P41)
交渉力=問題解決のスキル。お互いに抱えている問題をクリアにして、解決していくための技術。
交渉のための3つの原則(P57)
交渉するにあたっては、
1・問題解決の責任は自分にある
2・相手に見返りを与える
3・相手の利益や価値観を知る
この3つのポイントが必要不可欠。
自分だけの利益のために人を説得することはできない。人を説得せんとするのであれば、相手の利益や立場を尊重した上で、説得を試みること。
話を聴く人になる(P65)
私生活でもビジネスにおいても、人の話を真剣に聴ける人は成功する。普段からの心得としては、聞き役に徹すること。自分からでしゃばらず、人の話を聴く人になること。
おすすめの交渉時間(P73)
交渉時間としておすすめなのは、意識が緩む午後が良い。特に演説などこちらの話を人々に無意識に浸透させたいのであれば、夕方がいい。
この時間は、人の意識がぼやーとし、理性が麻痺しやすい時間。人々に、抵抗感なく、話を聞いてもらいやすくなる。
保有効果を利用する(P85)
人は手にしたものを失いたくない。
そのため交渉においては、まず相手に何かを与えてしまうのはNG。こちらが圧倒的に不利になってしまう。
大切なのは、向こうから先に利益を引き出すこと。そうすればこちらが余裕を持って交渉に望むことができる。
ポイントは、自分より先に相手から何かを提供させること。これが交渉を有利に進める原則。
人は変わりたくない(P114)
人は本来保守的。物事を変えず、従来のやり方に固執する傾向を持っている。それを変えるには、小さいことから相手を動かす。
最初動かすのはたいへんだが、スモールステップの原理で、小さなことから始めさせれば、石が坂を転げるように、あとは自然と動き出すようになる。
ミラーリングのコツ(P131)
人は自分と似た人に好感を持つ。そこで試したいのがミラーリング。相手の行動をさりげなく真似ていく。
露骨にするとバレて相手に不快感を与えるので注意。相手のペースにあわせ、さり気なく行うのがミラーリングのコツ。
めんどうな相手への対処法(P154)
普通に暮らしていて関わりたくない人々への対応の原則は、毅然たる態度で、絶対に揚げ足を取られないようにすること。
まずは20分程度、相手に徹底機にしゃべらせてガス抜きをし、担当者は向こうよりも多い人数で対応する。そして、いつでも警察に連絡できる体制をとっておく。
中途半端に相手に迎合するような対応は絶対にダメ。
影響力とは(P188)
影響力=人々の判断や行動に影響を与える力。影響力のある人は、自然に人々の考えや行動に影響を与える力がある。
感想など
読後に交渉力がアップしたかどうかは分かりませんが、自分の意見や考え方をきちんと人に伝えるためにはそれなりの技術が必要だということは分かりました。
世の中確かに、「この人の意見はなぜか納得してしまう」という話の上手い人、自分の意見を人に伝えるのが信じられないくらい上手な人がいます。
こういう技術を持っていれば、交渉事も恐るにたらず。最終的にこちらが望む条件でめでたしめでたしになれるはず。
生きることは争いの連続。であるならば、最低限自分を正しく主張する術くらいは、身につけておいて損はないはずです。