昔起こったことはまた起こる。『経済は世界史から学べ!』の読書感想

経済は世界史から学べ!

歴史はこうして繰り返す。

茂木誠著『経済は世界史から学べ!』(ダイヤモンド社)の読書感想です。

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この本について

世界史をもとにお金や経済のことを分かりやすく学べる本。

いつの時代も「歴史は繰り返す」で昔あったことは未来でもまた起こるもの。消費税もTPPも、この本を読めば本質が分かる!

以下、本書の読書メモです。

お金について(P14)

お金とは発行者の信用。

ただの紙切れであるお金が信用されるのは、それを発行している人(国)の信用があるから。信用が価値を保証している、それがお金。

プラザ合意とバブル(P69)

プラザ合意→日本企業は円高不況になる→日本銀行が金利を引き下げ、どんどんお金を使うように国民に促す→金利が低いので銀行にお金を預ける人が減る→お金が株式や土地に流れる→バブル経済発生

経済の自由主義と保護主義(P87)

経済活動の自由を求める考え方を自由主義、グローバリズムと言う。一方で、国内の産業保護を第一にする考え方を保護主義と言う。

保護主義では、国内の市場が管理され、外国製の安い商品が流入しない(高い関税がかけられるから)ので、国内の産業を守ることができる。

一方、グローバリズムは常に経済的に強い者が勝つ世界。経済的強者はますます強者になるが、経済的弱者がグローバリズムを採用すると、ますます弱くなる。

そのため、必ずしも経済の自由化が全ての人を幸せにするわけではない。

政治家と既得権益(P96)

歴史的に、儲かった団体というのは自らの既得権益を守るために政治家を使い、自らの都合の良い法律を制定させ、既得権を死守しようとする。

どの時代にも既得権益者が根絶できないのは、彼らとつながった政治家がいて、彼らを守る法律を作っているから。

彼らの既得権益を破壊しようとするとき一悶着起きるのはそういうこと。

日本の国民皆保険制度について(P121)

小泉首相の構造改革によって郵政民営化を始め、司法制度改革、労働者派遣法など、様々な改革が行われたが、これらは全てアメリカの要求が元になっている。

構造改革で唯一保持されたのが日本の医療制度と国民皆保険制度。

アメリカからすれば、日本の保険制度はアメリカの外資系の保険会社の参入を拒む非関税障壁のようなものであり、アメリカは自国の利益のため、日本に対して障壁の撤廃を要求してきた。

TPPもその一つ。関税を0%にし、金融や保険、医療、あらゆる分野で外資系企業が日本に参入することを認めること。これがTPPの本丸。

ユダヤ人が金融業を選んだ理由(P130)

金融の歴史は迫害の歴史。ユダヤ人など歴史的に迫害されてきた人々が金融業に携わってきたのは、いつでも逃げられる仕事だから。

金融業は持ち逃げできる資産をもとに商売ができる。だからいつどこで迫害されても、違う土地に逃げれば、また同じ商売ができる。

保険の誕生(P144)

保険は17世紀末のロンドンで、航海のリスクを分散する目的で誕生した。

当時イギリスは東インド会社を設立、世界を股にかけ大きな貿易を行っていた。航海は上手くいけば儲かるが失敗すると大損する。

そこで失敗したときのリスクに備える保険ビジネスが誕生した。

投資について(P146)

投資=将来価値が上がると予想される商品を買うこと。モノを保有し、時間差で利益を得る行為のこと。

アメリカ人と貯金(P162)

アメリカ人は貯金を好まない。貯金をするお金があれば、株式や債券に投資し、お金を儲けようとする(「利息で儲ける」という発想をしない)。

家を買うにも、ローンで家を買い、利息が上がる前に借金して新しい家を買う。

中国の王朝が滅びるとき(P172)

歴史上、中国の王朝が滅亡するパターン。

1・官僚機構が誇大化する(汚職や腐敗)+軍事費が増大する

2・増税により民業が圧迫される

3・景気が後退し貧困層が増大する

4・農民が暴動を起こし軍が王朝に離反する

5・王朝が崩壊する

6・新しい王朝ができる

7・1に戻る

田沼意次と松平定信(P191)

江戸時代の改革で有名な政治家、田沼意次について。

現実主義者の田沼がしようとしていた改革は重商主義政策で、極めて合理的な改革だったが、頭の固い保守的で理想主義者の松平定信に失脚させられ、改革は頓挫。

松平定信の保守的で時代遅れな改革によって、財政はますます厳しくなり、結局最後まで江戸幕府は財政を回復させることができなかった。

廃藩置県が上手くいった理由(P196)

藩を解体して県にする。このような革新的な政策が上手くいったのは、幕末の藩主が貧乏だったから。

藩主の多くは借金を抱えており財政は火の車。そこで政府が借金をチャラにすることを条件に、廃藩置県が断行。血が流れない領主廃止制度が実現した。

消費税の是非(P219)

消費税はモノの売買に課税する間接税。消費税は脱税が難しく、政府としてはとりっぱぐれのない美味しい税金。

しかし消費税は景気を後退させデフレが起こる。古代ローマも消費税(物品税)を課したことで国が衰退し、挙句は滅亡した。

結局消費税は諸刃の刃。税収の面では確実に税を徴収できるが国の衰退を招く税金。

感想など

お金のことや経済のこと、「今」につながる話が歴史をもとに分かりやすく理解でき、とても勉強になった本。

タイトルには「経済は世界史から」という文言がありますが、個人的には経済だけに限定される話ではなくて、世界史の大きな流れが分かりやすく学べる本だと思います。

「こういう出来事があった、その結果こういうことが起こった」という因果関係が分かりやすくて、なるほど、歴史とはそうやって生まれて、そして歴史の変化でどんな風に時代、世の中の仕組みが変わっていくか、自分なりに考えることができます。

細かい話はネタバレになるので書きませんが、結局昔あったことはまた起こる可能性あり。

「歴史は繰り返す」

それを実感できる一冊です。

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