これこそがマーケティングの決定版。
佐藤昌弘『売れないモノの9割は売れるモノに変えられる』(アスコム)の読書感想です。
この本について
いかにモノを効率的に売るか、知っておいて損がない実用的マーケティングの考え方が学べる本。
モノを売る上で大切なのは視点。視点を変えれば結果が変わる。そのことが実感できる一冊です。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P2)
モノが売れない。それは伝え方が悪いから。
伝え方が悪いから、商品の良さが伝わってこない。買う必要性が分からない。だから売れない。
そもそもビジネスとは(P20)
ビジネスの75%=問題、悩みの解決。
つまりその商品を買うことによって、問題を解決できること。これこそがビジネスの本質。
人は太古の昔から、いろんなことに苦しみ、悩み、生きてきた。それを解決するために、お金を払う。
ビジネスをする上では、まずこの本質を忘れないこと。
ビジネスと感情(P30)
人は自分の悩みや苦しみを解決するためにお金を払う。人の行動の源泉となるのが感情。
人にはいろんな感情があるが、行動を引き起こす感情として、15の感情がある。
それが、
1・怒り
2・妬み
3・不満
4・心配
5・悲しみ
6・恐怖
7・恥
8・孤独
9・ロマン
10・愛情
11・安心
12・満足
13・希望
14・喜び
15・興奮
この15の感情。
これらの感情は特に、人の行動を引き起こす力を持っている。自分のビジネスがこれらの感情とどのように関係しているのか。
そこを理解すること。
厳禁ワード(P42)
商品を売る上で絶対に使ってはいけない言葉がある。それが、「絶対」という言葉。
「この商品は「絶対」おすすめです」
「この商品は「絶対」効きます」
など、「絶対」という言葉を使うのはダメ。
人は妥協を求める。妥協の余地を求める。「絶対」という言葉は、その余地を潰してしまう。だから、かえって「買いたい」気持ちを減退させてしまう。
売れる営業マンの手法(P50)
売れない営業マンはお客の心理を無視し、モノを売り込むことで精一杯。だから売れない。
一方、売れる営業マンは
1・お客が何に不満を持っているかを探る
2・その不満を解決するためにはどんな手段があるのかを提示する
3・その手段にはどんなメリット&デメリットがあるのかを示す
4・最終的に相手に妥協点を決めさせる
この4つのステップを踏んでいる。
つまり、お客の感情の動きにそって適切なアプローチをしている。
お客の感情を理解し、その流れに応じたステップを踏みセールスをかけていく。これこそができる営業マンの手法。
中小企業の生き残り方(P113)
中小企業ほど八方美人の経営は厳禁。自社の強みと弱みを分析し、強みも弱みも武器にする。
弱者にとっては、弱点すら実に武器になり得る。自分が何を持っているか。まずはそれを知ること。
共生と寄生(P237)
人間のビジネスは生物の捕食戦略と同じ。
例えば両方ともメリットがある共生。一方、片方しかメリットがない関係である寄生。
行動生態学の考え方を参考にすると、驚くほどビジネスとの類似点が見つかる。
感想など
モノを売るということについて、極めて本質的な気づきを得られる本。
なぜ人がモノを買うのか。モノを買うとき、どのような心理的過程を得て購入に至るのか。ビジネスとはそもそも何なのか。
ノウハウ的な話もありますが、どちらかというと本質。仕組みについて、自分の頭で考えて、戦略を考えることができるようになる本です。
偶然見つけた本ですが、読んでみると発見がたくさん。
今の世の中、絶対の安定はありませんが、自分でモノを売る力があれば、何がどうであれ、生きていくことができます。
ということで、マーケティングの本質的な本をお探しの方に、特におすすめしたい一冊です。