この世を生き抜く武器を持つとしたら。
佐藤優著『自分を動かす名言』(青春出版社)の読書感想です。
この本について
古今東西の名言を、男と女、仕事、教育、読書、老いなど様々なテーマに分類、そのエッセンスを語っていく本。座右の銘となる素晴らしい言葉に出会える内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
結婚について(P40)
結婚は男女が互いを思いあい、相手と同じ気持ちになって、支え合う関係を構築すること。
結婚は、基本的に相互信頼に基いていて進んでいくものだが、離婚は相互不信に基いて進んでいく。できれば離婚はしない方がいい。
離婚しなくてすむ結婚相手を見つけるためには、3ヶ月や6ヶ月同棲をしてみて、相手の癖や性格をよく見ること。その上で、一緒にやっていけるかどうかを判断し、結婚すればいい。
友人とは(P49)
ロシアやイスラエルの人にとって、友人という言葉は重い。
友人とは、自分に不利益があっても、命を奪われるリスクがあっても、自分を守ってくれる人のこと。友人はたくさん持てないが、困ったとき、友人が助けになってくれる。
今の会社を辞めるか転職するか(P63)
このまま今の会社で働き続けてもいいのか迷ったときは3年5年10年上の先輩の姿を見てみる。それが将来の自分の姿。
一人でも仕事の能力、人間的に魅力を感じる人がいるのであれば、その会社はちゃんとした会社で、その魅力的な先輩を目標に頑張ることで、自分も成長できる。
もし尊敬できる人が一人もおらず、超過勤務時間が月200時間を超えているような会社からは、即刻逃げ出す。間違った場所から逃げ出すのは、早いに越したことがない。
仕事の心構え(P78)
仕事をする上での心構え。
1・あらかじめ仕事の目的を明らかにすること。
→体力、気力、時間には限界がある。無意味な根性論で頑張らず、何の目的で頑張るのか、そこを明確にした上で、頑張る。
2・「人間はもともと悪である」という人間の本性を前提に仕事をすること。
→人は怠惰であり、だらだら仕事をさぼってしまう。今やるべきことを明確にし、やるべきことを処理していく。
運について(P135)
人はある段階の地位や業績は努力によって獲得できる。しかし、それ以上、上を目指そうとすれば、そこには運が必要となってくる。
現実問題、成功しなかった者が努力しなかったわけではない。努力しても中の上で終わってしまう、それは運がないから。巡り合わせが悪いから。
もちろん、運だけでトップになることはできないが、努力論だけで頑張ってもダメ。運に敏感になり、運をつかむ意志を持つ。
人生何度か、運はやってくるので、努力はしつつ、運の流れを意識し、来るべきときにすべき行動を起こし、運をつかむ。
悩みの種類(P150)
悩みには二種類ある。一つは天井のある悩み、もう一つは天井のない悩み。
天井のある悩みは、自分の行動で問題解決ができる悩みのこと。天井のない悩みは、解決するのが難しい悩みのこと。
何とかなる悩みは行動を起こして解決できるが、どうにもならない悩みはどうにもならない。自分の悩みがどちらなのか、見極めて悩む。
読書について(P162)
読書習慣のある人は人生が充実する。
読書は情報を得るための最も安価で確実な技法であり、読書によって著者の人生を代理経験できる。本はたくさん読んで損はない。
ただし、本はたくさんあるので、どの本を読んで、どの本を読まないか、その見極めは必要。読書においては、捨てる技術を重視して、読むべき本を読んでいく。
感想など
「敵には一度、友には何度でも注意しろ」(P50)
「愛とは、この女が他の女とは違うという幻想である」(P58)
「決断力のない君主は、多くの場合、中立の道を選ぶ」(P84)
など、ビビビと来る名言がたくさん見つかる本。
人間関係や仕事、社会、心、人生、テーマごとに名言がまとめられているのですが、どの言葉も、読んでいて心に響いてきます。
この本を読んでいると、昔から残る言葉というのは、人生の真理というか、普遍性のあるものなんだと実感させられます。
たかが言葉、されど言葉。それを知っているか知っていないかは、無意識的な部分で、とても大きな影響力を持っているものだと思います。
いい言葉を知ることは、人生の視野を広げ、深めること。いい言葉は、どんどん読んで取り入れて、人生で活用していきたいものです。