大切なのは自分の頭で考えること。『「なんでだろう」から仕事は始まる!』の読書感想

[新装版]「なんでだろう」から仕事は始まる!

自分で考え自分で動く。それが「志を持つ」ということ。

小倉昌男著『[新装版]「なんでだろう」から仕事は始まる!』(PHP)の読書感想です。

この本について

ヤマト運輸の小倉昌男元会長が、仕事に取り組みや社会人としての心得を語っている自己啓発書。

一流の仕事人たる上で何を意識すればいいのか。日々心がけることは何なのか。この本で、その真髄を学ぶことができます。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P14)

経営で大切なのは理屈とか理論を学ぶことではなく、人の動かし方を知ること。

人は理屈では動かない。理論どおりに働いてくれるような存在ではない。

だからこそ一流の経営者にならんとするのであれば、人について知ること。そして、人を動かす術を、現場で知ること。

経営においては勉強熱心なのはよくない。頭でっかちになり、理論と現実が大きく乖離する。

だからこそ、生身の人間と付き合い、どう動かせばいいのか。現場で知ることが大切。

社長は辛い(P19)

社長とは一言で言って、権力を持つ者。そこには当然、社員の人生を預かる責任が生じる。この意味で、社長の仕事は辛い。そして重い。

社員はただ会社を成功させるためのコマでも道具でもない。一人一人がそれぞれの想いを持ち、人生を歩んでいる生身の人間そのもの。

そして彼を幸せにするにも不幸にするにも、社長の責任はとても大きい。社長は常に、そのことを忘れてはいけない。

会社の価値(P40)

会社の根本的な価値とは一言で言うと「志」のあり方。

どんなビジネスをしてそれによって世の中にどのような貢献をしていくのか。それこそが会社の根本であり、存在意義。

この志がない会社は一時的に儲かることがあるが、決して永続することはできない。

なぜなら、会社の志そのものが、社員たちの働き、何より会社の未来を示す道になるから。

人として大切なもの(P66)

誰かを雇うなら、能力とか学歴とか、そういったものではなく、人柄で雇うのが良い。

仕事のスキルとか、能力とか、そんなものは働いていればどうとでもなるが、根本の人柄がダメな人を雇うと、有形無形、様々なダメージを会社に与える。

もちろん、能力が低い社員ばかりだと会社は回らないが、能力が高いだけの社員を集めても、会社はうまくいかない。

長い目でみれば、人柄のいい人が役に立つようになっている。

好奇心を持つ(P114)

自分が目にしたものに「なんでだろう?」と興味を持つのは好奇心の現れであり、それこそが人を人たらしめているもの。

「なんでだろう?」と興味を持てば、自分の頭でそれを考えるようになる。これが重要で、自分の頭で考え、答えを出す。

人から答えを教えてもらってばかりでは、自分では何もできないマニュアル人間になってしまう。そしてそういう人は世の中に多い。

だからこそ、自分の頭で考えて答えを出せる人間は貴重。そんな人を目指すべし。

好きな仕事の見つけ方(P135)

人生最初から自分の天職を見つけることは容易ではない。

現実的な見つけ方としては、今目の前の仕事に必死で取り組む。真剣になる。何より好きになろうと努力する。そうすれば、天職が見つかる。

「世の中のどこかにやりたい仕事がある」と思うのは幻想で、それを探している限りは、天職を見つけることはできない。

清濁併せ呑む(P176)

世の中、必ずしも正しいことがまかり通るとは限らない。ときに理不尽で、どう考えても間違っていることがまかり通ることだってある。

しかしそれが世の中の現実であり、正しいこと。清廉なこと。そればかり主張してもうまくはいかない。

この意味で世の中を生き抜くためにはときに老練さも必要。清濁併せ呑み、生きていくこと。

間違ったことは間違っていると言う(P209)

世の中で新しいことをしようとすれば必ず、既得権益者と衝突することになる。

そこでもし、自分がしようとしていることが多くの人の利益になることを確信しているならば、決して既得権益者の妨害に負けてはいけない。

相手がいかなる権威者であろうと、自分が主張すべきことを主張し、多くの人にそれを知ってもらう。

自分たちに大義があるならば、堂々と自分たちがすべきことをすれば良い。

日本人は日本人のやり方が良い(P243)

日本では何かと西欧の流行したノウハウや技術をありがたがって導入したがるが、西欧のやり方が必ずしも日本人にとってベストとは限らない。

日本人には日本人の国民性があり、国民性が違う西欧のノウハウをそのまま導入しても、良い結果になるどころか、悪い結果になる。

つまりどんなときも自分たちは何者なのか。どんなあり方が一番いいのか。自分の頭で考えて、それに応じた最善の選択をすることが重要。

感想など

仕事との向き合い方を始め、経営の人材採用から人の動かし方などの具体的考え方、仕事を通じて気づく人生のあり方など、およそ260ページに渡り、心に刻みたい言葉が満載の本。

結局、仕事とはお金を稼ぐことはもちろんのこと、自分自身と社会をつなぐ大切な接点です。

だから仕事といかに向き合うかということはすなわち、自分が社会とどう向き合うのかの問題と言うことができます。

この意味で、お金をいくら稼ぐか。そういう問題以上に、一生懸命自分がやるべきことをやること。人様に恥ずかしくない仕事をすること。最善を尽くすこと。

本書を読めば、仕事と真摯に向き合う大切さに気づきます。

ということで、もし今やるべき仕事があるならば。それを成し遂んと強く思う。そんな気持ちになる一冊です。

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