子育ては時代が変わることを念頭に。『AI時代の子育て戦略』を読む

AI時代の子育て戦略 (SB新書)

子どもには好きなことを徹底的にやらせること。そうすれば良い大学に入って出世するより、幸せな大人になれる。

成毛眞著『AI時代の子育て戦略』(SB新書)の読書感想です。

この本について

子育ての価値観が転換していることに気づかさせてくれる本。

内容的には常識的な見方とは違うところが多々ありますが、常識は時代とともに変わるもの。「こういう考え方がある」と知っておいて損がない内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P16)

親の能力は遺伝する。基本的には「かえるの子はかえる」で、「トンビが鷹を生む」ことはない。

容姿やスポーツ能力、芸術の才能だけでなく、勉強の能力も遺伝する。だから、親の学歴と子どもの学歴は基本的に変わらない。

子どもの教育は、この現実を前提に考える必要がある。

特に大切なこと(P36)

子どもは親のコピー。

だからこそ大切なのは、親自身が自分にどんな才能や適正があったのか。それを冷静に見極めること。

「自分にはこんな適正があったかもしれない」という要素を見極めた上で、子どもには何が遺伝しているのかを冷静に見る。

そして、子どもが何に夢中になっているか。楽しんで取り組んでいるか。それを見極め、サポートするのが親の仕事。

習い事について(P43)

子どもに習い事をさせるのは良い。

しかし、子どもが興味を示さない習い事、続けるのを嫌がっている習い事は、さっさとやめさせる。

やりたくないことを続けさせるのは無意味なだけでなく有害だから。

学歴について(P84)

日本は学歴社会で、学歴をゲットした人が良い思いをする社会だが、この流れはだんだん変わっていく。

学歴社会の問題点は、勉強だけできる人が社会の上に行けること。

もとから頭がよく、自然に学歴を手に入れた人は問題ないが、ガリ勉して勉強だけしかしてこなかった人が上になってしまうと、社会にプラスよりもマイナスをもたらす。

今、世の中では多くの会社がそのことに気づいており、学歴だけで人を判断する時代は、確実に終わっていく。

学歴よりも大切なのは、自分が何に興味があり、どんなことに適正があるのか。それを知った上で、ベストな道を選択すること。

その方が、無理に学歴を入手して四苦八苦するよりも、よほど幸せで、充実した人生を送ることができる。

大学の選び方(P91)

今までの定番の学歴といえば、東大を始めとした旧帝国大学群をはじめ、関東の私立なら早慶上智ICUにMARCH、関西なら関関同立。

「ここを目指せ!」という、お決まりの大学がある。しかし、これらの「いい大学」に入っても人生安泰な時代は終わっている。

現代は「いい大学」の定義が変わりつつある。それは、秋田国際教養大や立命館アジア太平洋大学など、新しい大学の台頭の動きを見れば明らか。

大切なのは学歴に目をとらわれず、卒業後のことを考えて大学を選ぶこと。学歴だけを目的にしても、それは期待はずれに終わる可能性が高い。

大切なのは校風(P101)

子どもの尻を叩いて「いい大学」に入らせるのはもはやナンセンス。それよりも大切なのは、子どもの性格にあった進路を選ばせること。

東大なら東大。京大なら京大。慶応は慶応。上智なら上智。早稲田なら早稲田。大学といっても、本当にいろんな大学があり、それぞれ校風がある。

ただ、名門校に入らせばそれでいいのではなく、子どもの性格や校風に適した大学を選ぶ。

例えば、子どもがおしゃれに興味がなく、リア充ではない性格なのに、慶応や上智に入っても、本人が辛い。

コミュ障は問題ない(P118)

人間には本来、アウトドア派とインドア派がいる。

前者は積極的に人と会いたい性格の人で、後者はその逆。どちらも良い悪いがあるので、一概にどちらになった方がいいとか、考えるのはナンセンス。

大切のなのは自分がどちらなのか。アウトドアならそっちの生き方をしていけばいいし、インドアなら、そう生きればいい。

無理に本来の性格を変える必要はない。それを生かす道を探せばいい。

お金の教育はしない(P177)

子どもの頃からわざわざお金の教育をする必要はない。

大切なのは、お金とは面白い仕事をしてそれがうまくいったらついてくるもの、ということを教えること。

最初からお金儲けありきを子どもに教えると、小賢しい子どもになってしまい、最終的にはお金目当ての生き方しかできない小さい大人になってしまう。

感想など

時代の流れに適応した、柔軟な子育てについて説かれている本。

ともかく視点の自由さ、幅広さが印象的で、昔のように学歴重視、勉強だけやらせるよりも、ずっとこっちの方がいいなと、個人的には感じています。

それと学校を校風で選ぶこと。これも、本当に大切だと思います。

私も性格的に一匹狼で社交的ではないのに、リア充が多い系の大学だったので、話や価値観が合わなくて、大学では表面的な人間関係に終始してしまいました。

そもそも大学自体があまり面白くなかったので、もとから学校生活に向いていないだけだったのかもしれませんが。

なので、本書で語られているとおり、良い大学とかそんなことよりも、大切なのは進路。どの道に進めば社会人として生きていけるか。

それを視野に入れた上で大学に行くのか。もしくは行かないのか。それを考えることが大切だと思います。

まぁ、有名企業に就職して、サラリーマンとして生きていくなら確実なのは名門大学に入ることですが、それが本人にとって幸せとは限りませんからね。

子どもによっては、ものづくりにコツコツ打ち込んだ方がよほど、幸せかもしれません。

ということで大切なのは社会の尺度で子育てを考えないこと。子どもがどんなことを身につければ大人になって幸せに生きていけるか。

それを考えることが子育て。親の責任なのかもしれません。

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