具体的にamazonの何がどうスゴいのか。『amazon』を読む

amazon 世界最先端の戦略がわかる

世界No.1通販サイトAmazonの実像と未来。

成毛眞著『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)の読書感想です。

この本について

「今や知らない人、利用する人がいないのでは?」と思えるほどネット通販でダントツの存在となったamazonを詳細かつ分かりやすく分析している本。

amazonの強みは何なのか。これからどこへ向かっているのか。本書を読んだあと、ネット通販、いや、世界の未来が分かるかも。

以下、本書の読書メモです。

大きな特徴(P32)

amazonの特徴は、ともかく投資への貪欲さ。新しい事業を立ち上げるときでも、赤字になることはいとわない。

現状に甘んぜず、手にした利益を惜しみなく新しい事業に先行投資していく。ここにamazonの強さと特徴がある。

ネットの重要性(P39)

大会社なのに潰れる会社は、ネットを甘く見ている。

ネットの影響力を過小評価したため、ネットの影響力の強さを知っているamazonなどの新興企業に食われる。

これがダメになる守りの会社の特徴。逆に、輝いている会社はどこも、ネットの世界で活躍するための投資を惜しんでいない。

急成長の秘訣(P57)

amazonの面白いところは、トップが事業展開の方向性をコントロールせず、現場の判断を優先させ、現場に自由に事業を展開させているところ。

だからそれぞれの部門が自由に、かつ柔軟に事業を展開していけるため、成長の速度が早い。

普通の企業では、この速度についていくことができない。

amazon最強の理由(P60)

品揃えが大量+かつ安い→amazonが最強である理由。

楽天とは何が違うのか(P87)

日本におけるネット通販サイトの雄はamazonと楽天だが、両者は同じ通販サイトでありながら、そのビジネスモデルは全く違う。

amazonはネット通販に特化した、BtoCのビジネスで、一番の客は一般の客。

一方、楽天のモデルというのは、楽天というネット上の土地にお店を出店してもらい、出店料という場所代を稼ぐビジネス。

つまり、楽天の商売の一番の相手は一般の買い物客ではなく、お店を出している人。

BtoBが楽天の本質であり、この性質上、楽天はamazonに安値競争で勝つことはできない。

ネットの世界で生き残る方法(P112)

これからネット通販の世界ではますますamazonの利用者が増え、それによって食われてしまう会社が増大する。

しかし、そのなかでも生き残る方法はある。そこで大切なのは、敵を知り己を知ること。

amazonが最強の品揃えと安い価格で勝負していることを踏まえ、どうすれば生き残ることができるかを、検討する必要がある。

単価、利益率が高い商品を扱い、安売り競争に走らないことや、逆にamazonが利益を出せないような単価が低いビジネスをするなど、方法はいろいろある。

敵の土俵に上がらず自分でニッチを開拓する。その努力ができなければ、ネットで物を売ることは難しい。

未来への投資を惜しまない(P150)

amazonはまだその存在が小さいときから、積極的に未来への投資を推進していた。

それが儲けを出さなくても、赤字を垂れ流していても、惜しまず投資を続けた。それは長期的展望を持っていたから。未来への必要な投資であるビジョンがあったから。

目先のことだけではなく、将来的にどうなるか。未来に必要な投資なら、惜しまずお金を投資することが大切。

リアル書店の未来は暗い(P264)

リアル書店はamazonに勝てない。なぜなら、リアル書店には万引きという決定的リスクがあるから。

ネット上なら万引きは絶対に起こらない。

今の本販売の構造上の仕組みがある以上、リアル書店は本で利益を出すのが難しい。そこに万引きというリスクもある。

リアル書店が生き残っていくためには、本を売る店という今までの概念から脱却し、客に別の付加価値を提示していく必要がある。

感想など

それにしても、amazonが実はクラウドサービス(AWS)で稼いでいるなんて、全然知りませんでした。

てっきり、通販だけの世界で巨大化してきたのかと思ったら、ぜんぜん違うんですね。

それと、amazonと楽天のビジネスモデルの違いの説明もとても興味深かったです。

同じ通販サイトでも、ビジネスモデルそのものが違う。だから当然戦略も方法も違う。

ネット通販の構造的にはamazonの方が有利なので、楽天が今後どうなるか。ヨドバシ.comなどの他のサイトがどうなるか。

それにかかっていますが、やはり現状amazonは強い。強すぎる。

個人的にはamazonに依存するのが怖いので、ヨドバシ.comも利用していますが、やはりまだまだamazonにはおよばないのが実際のところ。

ヨドバシは配達速度とか、利用しやすさとかはいいですが、商品検索の精度やサポート対応の遅さがどうしても気になります。

日本ではもはや、amazonに対抗できる企業が現れず、将来独占状態になってしまうのではないか。

そんな未来がうっすら浮かびます。

ということで、普段ネット通販でamazonを愛用している方もそうでない方も。

amazonとは一体どんな企業なのか。これからどこへ向かい、どんな影響を私達に与えていくのか。

本書はそれを知るための格好の一冊です。ネット社会に生きる私達に、大きな気づきとビジネス上のヒントを与えてくれることでしょう。

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