言葉で人柄、能力が判断される理由。
中山マコト著『地雷語!社会人が決して使ってはいけない42の言葉』(ぱる出版)の読書感想です。
この本について
「社会人としてこんな言葉使いをしていたらNGですよ、評判を落としますよ」という言葉の使い方が書かれた本。
この本では、無自覚な地雷語の使用する危険性を始め、言葉使いで評価を落とさないために知っておきたい言葉の使い方が学べる内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
世の中に出る、それが意味するもの(P20)
私たちは社会に出たとたん、「選別される」立場になる。
この人は仕事ができるか、信用されるか、一緒に働きたい人なのか、選ばれる立場になる。人から選ばれるからこそ、人生の望むステージへ到達できる。
人から選ばえる人間になることが、世の中でやっていくための大前提。
知っておきたい言葉の危険性(P25)
言葉の怖いところは、人によって受け止め方が全く違うということ。
ある人に良かれと思ってかけた言葉が、その人の心の傷をえぐる「地雷語」だったりする。
言葉に無自覚でいると、知らず知らず、自分の評価を下げたり、人から反感を買ったり、恨まれる原因になってしまう。
言葉を上手く使いこなせないということは、世の中で人から選ばえる、評価されるチャンスを失うということ。
言葉の使い方には敏感になった方がいい。
「人脈」という言葉が地雷語の理由(P56)
社会ではよく「人脈」という言葉を使いたがる人がいるが、「この人軽いな、本当にきちんとした人間関係があるのかな?」と軽く見られる要因になる。
長年時間をかけて築き上げてきた本当の「人脈」を持つ人は、軽々しく「人脈」という言葉を使う人間を信用しない。「軽い」と警戒する。
安易に「人脈」という言葉を使っていると、知らない間に、「この人は軽々しいやつだな」と周囲に判断されているかもしれない。
「WIN WIN」という言葉を使う人は自己中?(P67)
「WIN WIN」という言葉は「お互い得をする、メリットがある」という、どちらかというとポジティブな言葉のように思えるが、実際は、物事を自分視点のメリットでしか考えない自己中な言葉。
「WIN WIN」などと言っても、現実問題、自分の利害と相手の利害がきちんと一致するケースはそうない。
「WIN WIN」という言葉を安易に使うと、「この人は自分と目の前のことしか見てないな、損得勘定で物事を考える利己的な人かな?」と思われているかも。
クレクレワードはNG(P78)
「仕事下さい」「~下さい」はクレクレの地雷語。
一般社会でもプライベートでも、あらゆる場面でクレクレ星人は要注意人物扱いされ、距離を置かれる。
自分のことばかりで人にクレクレしようとせず、相手側の立場に立って、物事を考える。その上で、自分が提供できるものを差し出し、人と良い関係を築くことが大切。
他力本願な人の言葉(P125)
他力本願、自分で主体的に動かない人は、「面白いことない?」「~ない?」というような、人に教えてもらう依存系の言葉を使う。
主体的な人は、自分の興味や関心を押さえて、自分で欲するものを求めようと行動することができる。
安直に誰かに何かを教えてもらおうとする言葉は、イコール主体性の欠如であって、依存系の地雷人だと判断される。
商売人なら絶対使ってはいけない言葉(P135)
商売人として絶対NGな地雷語は「儲からないですね~」という商売の努力や工夫を否定するような言葉。
商売人は自己責任。売上も収入も原則自己責任。自分で何とかするしかない。「儲からない」と安易に匙を投げるような言葉は絶対に使ってはダメ。
人の心をつかむ自己紹介のコツ(P196)
人と出会った時必要なのが自己紹介。そのときに折り込みたいキーワードがこちら。
・社名と個人名
・見た目の特徴
・キャッチフレーズ(自分の強みを一言で表す言葉)
・キラーワード(相手にメリットを感じさせる言葉)
会議&ミーティングでの言葉の使い方のポイント(P200)
会議での言葉の使い方4つの注意点。
1・正論を吐かない。
2・出来ないことは言わない。
3・他人に押し付けない。
4・具体的なヒント、方法を提示する。
感想など
「え、この言葉にはそんなニュアンスがあるの?」と言葉に対する意識が鋭くなる本。
確かに、言葉にはすごい力があって、言葉の使い方一つで、印象がガラリと変わってしまいます。
本当は性格が良い人だったとしても、言葉遣いが良くなかったり、人への配慮がかけていると、言葉遣いで「こいつは危険人物かも、距離を置こうかな」と判断されることも。
人間関係も、言葉一つで長年築き上げてきた関係があっけなく壊れてしまうことがありますよね。言葉は使い方一つで武器にも凶器にもなります。
普段、意識しないと言葉の力を実感することは少ないかもしれませんが、話す言葉、使う言葉が、案外私たちの人生で大きな影響を与えているのは確かもしれません。
そのことに無自覚でいると、思わぬところで損をしているのかも。だからこそ、言葉には敏感になって、その場その時、適切な言葉を使いたいものです。
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