『患者よ、がんと闘うな』の読書感想 – 自分の病気の人任せにしてはいけない

患者よ、がんと闘うな

死が迫るとしても、人生の決断は自分で決めたい。

近藤誠著『患者よ、がんと闘うな』(文春文庫)の読書感想です。

この本について

「がん放置」で有名な近藤誠先生の本。

近藤誠とは

がんの放置療法など、独自のがん医療を主張する医者。その主張には賛否両論があるものの、がん放置を主張した著書はベストセラーになり、患者に新しいがん治療の選択肢を提供している。

「がん」というと、病院で治療しなければ死につながる恐ろしい病気という印象が強いですが、近藤先生の主張によると、がんでも治療すべきものと、放置して様子をみた方がいいがんがあるそう。

むしろ注意すべきなのは、従来のがん治療による弊害(手術や抗がん剤)で、場合によっては放置するのが最善の方法になることもあるというのが近藤先生の主張です。

『患者よ、がんと闘うな』では、なぜがんを放置したほうがいいのか、近藤先生に基本的ながん放置治療の考え方を始め、他の医師からの批判への返答など、がん放置について、患者側が正しい判断をするための知識が得られる一冊になっています。

以下、本書の読書メモです。

がん治療について(P1)

手術はほとんど役に立たない。抗がん剤に意味があるのは、全体の1割程度。がん検診は意味があるどころか有害。

がんと「戦う」姿勢が悲劇を招く(P30)

がん治療では、積極的な治療(手術や抗がん剤)が推奨されるが、それによって、患者が悲惨な負担を負うことになる。

生きるか死ぬか、差し迫った状況で、病気を取り除こうとするのが従来の考え方だが、病気と共存し、治療しないという考え方もある。治療を受けない、抗がん剤治療は止めるという選択肢もある。

抗がん剤の有害性(P33)

抗がん剤は、効果があると言われているものの、副作用の有害性が目立ってしまう。しかも、抗がん剤治療の問題は、受けるまで結果が分からないこと。

副作用があるのに、やってみないと効果が分からない。抗がん剤治療で得をする人はいないのが現実。

医師の言うことを頭から信じてはいけない(P43)

がん治療の原則は、医師の話を頭から信じないこと。

がん治療では、医師が患者にある意図を持って情報を伝えるケースがある。また、自分の治療について、根拠の無い偏った、根拠の無い個人的信念に基づきがん治療をする医師もいる。

だからこそ、患者側が、医師の話を聞きつつ、判断は自分自身で行うこと。

「がん=手術」なのか(P121)

日本では、がんは手術するべきものという風潮が強いが、治療は手術だけではない。がんを取り除くのではなく、放置して、経過を見るケースが良い場合もある。

問題なのは、日本ではがんが手術で除去されている治療が多く、がんを放置して自然経過に任せた場合の事例が少ないため、がん治療の方法が偏ってしまっていること。

治療で寿命が縮む抗がん剤治療(P178)

治療のなかには、今は助かるが、先の寿命を削ってしまう治療がある。抗がん剤治療もその1つ。

抗がん剤を始めて、すぐには死なないが、その副作用によって、じわじわと体の体力が奪われていく。1割の患者に抗がん剤は効果がある場合があるが、9割の患者には、不利益しかない。

がん検診は病院の金儲け(P225)

がん検診は病院にとって美味しいビジネス。

検査などで大きく稼げるため、病院にとって、患者がきちんとがん検診を受けてくることが、病院にとっての利益になる。

がん検診が無効と分かれば大人の事情で困る人々がおり、患者の健康のためにがん検診が推奨されているわけではないという現実を知っておく。

感想など

「今までのがん治療はどこかおかしいのではないか?」

そんな疑問に答えてくれる本。

「がんが発見され、入院するまではピンピンしていた人が、入院してがん手術すると、みるみるやつれ、他界してしまった・・・」という話を聞きますが、私の祖父もそのような一人

このような個人的経験から、現代のがん医療については疑問を持っています。

医者を信頼して施術を任せることが大切なのは当たり前かもしれませんが、世の中には、患者のことをモルモットか自分の研究材料、出世の踏み台としか考えていない医師がいるのも現実。

だからこそ、医者が信頼できるか、安心して手術を任すことができるのか、医者任せではなく、患者側が知識をつけることが大切のように思います。

医者としっかり話し合い、納得できれば治療をお願いする。そのさいは、先生を信頼する。しかし、万が一納得できないこと、先生に不信感を感じれば、治療は中止、別の病院へ。

文字にすると当たり前のことですが、結局は自分の体の話です。

手術などの治療は自分が責任を負うしかありません。だからこそ、医者といえど、言いなりにならず、自分で考えて判断できるよう、勉強しておくことが大切だと感じています。

『患者よ、がんと闘うな』では、がん治療という日本人の多くの死因となっている病気について、新しい考え方を提供してくれます。

がんを放置することが正しいか間違っているか、問題はそこではなく、自分自身でがん治療について、納得のいく答えを見つけることだと思います。

「先生があなたはがんだから、手術しましょうと言った、だから手術します」というような受け身的な姿勢ではなく、どんな治療が一番自分に最善なのか、患者側が判断する積極性を持つことだと思います。

結局、手術の結果は医師ではなく患者が一番責任を負うもの。だからこそ、最善の答えは自分で見つけるしかないのかもしれません。

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