これからの日本で現実的に起こること。『未来の年表』の読書感想

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

3人に1人が65歳以上。3戸に1戸が空き家。自治体の半数が消滅。

河合雅司著『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社現代新書)の読書感想です。

この本について

人口減少でこれから日本がどうなっていくのか、現実的な未来予測とともに、最悪の未来がやってこないために今私たちは何をすべきなのか、対策を提唱している本。

迫りくる人口減少社会は他人事ではありません。今のままでならどんな未来がやって来るのか、その具体的なイメージが理解できる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

2025年問題(P10)

人口ボリュームの大きい団塊の世代が75歳以上となる2025年頃には、大きな病気を患う人が増加し、それによって社会保障も増大。医療機関や介護施設の不足が問題になってくる。

ところが、介護職が不足するだけでなく、企業も人手不足。育児と介護を同時に行う現役世代が増え、現役世代にのしかかる負担は半端ではない。

また、少子化によって警察官や自衛隊、消防士など、若い力を必要とする仕事の人員確保も難しくなり、国防や治安の面で、安心できない時代がやって来つつある。

少子化を乗り越えるために(P11)

少子化を乗り越えるためには、今までの拡大路線を改め、日本を人口が少なくなっても運営できる国家へ転換させていくこと。

現実的に、出生数の減少や人口の減少は避けがたくなっている。であるならば、その現実から目を背けずに、日本の人口が減少したとしても運営できる国の在り方を目指すべき。

東京の人口減少と新しい流れ(P76)

人口減少は首都東京も例外ではない。しばらくは若者の都心回帰減少によって、人口減少は避けられるが、2025年以降は、東京も人口減少の対象となる。

基本的に東京は働き口が多いため、地方の若者を吸い集めることによって成長を遂げてきた街。しかし、今後は地方の若者たちも減っていく。必然的に、東京へ集まる若者たちも減っていく。

若者たちの代わりに今後流入が見込まれるのが地方の一人暮らしの高齢者。かつて地方から東京にやってきた若者たちが年をとり、そこに地方に住んでいる年老いた両親を引き寄せる。

この流れによって、東京では医療機関の不足や福祉施設の不足が深刻になる。

3人に1人は結婚しない社会(P98)

2035年には、男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚の社会がやって来る。今の若者たちは経済的事情から結婚と出産に慎重であり、結婚=出産を一体化して考える傾向にある。

そのため、結婚する若者たちを増やすために、出会いの場を増やすことも大切だが、未婚者の多くは年収300万円未満。

社会全体が、もっと収入面で若者が安心して結婚することができる環境を作っていくことが大切。

結婚の傾向(P100)

近年の結婚キーワードは同級生婚。男性は31.1%、女性は33.9%、高校や大学での同級生とゴールインするカップルが多い。

日本の水危機(P136)

日本は「水が豊かな国」というイメージがあるが、実は世界でも有数の水の輸入大国。日本では食料自給率の低さが目立って懸念されているが、実は水不足の心配もある。

万が一水不足となり、農作物の収穫量が落ち込んで輸出をする余力がなくなってしまえば、致命的な影響が出てくる。

感想など

「これから人口が減っていく日本ではこんな問題が起きますよ」ということが具体的に分かって怖くなる本。

2024年にはなんと3人に1人が65歳以上の超高齢化社会がやって来るって、本当に日本の将来は大丈夫なのか?超高齢化社会のなかで生き抜いていくためには、今から何に備える必要があるのか?

読後は未来のことをあれこれ考えてしまいましたが、個人的には、本書の「今までの拡大路線ではなく縮小路線でやっていける国を目指すべき」という考え方に賛成。

男性に3人に1人、女性に5人に1人が生涯独身の時代、「産めよ増やせよ」で人口が増やしていくのは現実的に無理なのではないか?

「そこで移民で人口減を補いましょう」という議論もありますが、日本の成長のために移民を受け入れるべきなのか、短期的な視点だけでなく、長期的な視点で考える必要があると思います。

そのような拡大思考ではなく、人口減少に合わせた国の在り方を見直していくのも、一つの道ではないでしょうか。

このような具合、読後はこれからやって来る日本の現実的未来について、あれこれ考えを巡らすことができます。

いずれせよ、今の私たちが暮らしている日本は、右肩上がりの成長を続けていたイケイケの社会から、どんどん成長が下がっていく高齢化社会に突入しています。

それはつまり、昔と今はあらゆる状況が違うということ。

となれば、環境の変化に対応するために、前例にとらわれることなく現実を見据え、自ら変化し、適応していく必要があるのだと思います。

本書の未来はそう遠くない話。今何をすべきなのかを真剣に考えたくなる、そんな本でした。

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