「歯医者を探そう」と思ったあなたにおすすめ。『やってはいけない歯科治療』を読む

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やってはいけない歯科治療 (小学館新書)

歯は削るともとには戻らない。

岩澤倫彦著『やってはいけない歯科治療』(小学館新書)の読書感想です。

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この本について

週刊誌に掲載された歯科治療特集をまとめた本。

この本を読めば歯科業界の驚くべき現実と、患者自身が歯を失わないためにどうすればいいのか。どんな歯医者を選ばいいのか。

しっかりと知識をつけることの大切さを実感することができます。

以下、本書の読書メモです。

インチキクリニックの特徴(P5)

歯の調子が悪くなり、急遽ネットで近所の歯医者を探す。

そこで、検索結果上位に掲載された歯科医を信頼できると思って予約すれば、痛い目に遭う可能性あり。

今は歯科医が業者にお金を払って、検索結果で目立つような「工夫」をしている。

このため、ホームページが検索上位でヒットしているからといって安心できるとは限らない。

大切なのは、治療を受ける前にまずクリニックに足を運び、本当に信頼できるのかを自分で確認する必要がある。

そのさいは、

1・きちんと症状を説明してくれること。

2・治療の選択肢を説明してくれること。

ここに歯医者の誠実さが出る。

歯医者に行ったとたん、「この歯はもう抜くしかないですね。インプラントがいいですよ」など、一方的に話を進めていく歯医者は絶対にやめた方がいい。

虫歯治療の罠(P21)

虫歯になれば歯医者に行き、虫歯になった歯を削り銀歯を入れる。これが定番の虫歯治療だったが、近年は、可能な限り歯を削らない治療が主流になっている。

その理由は、削った歯は弱くなり、再度虫歯になりやすくなるから。

銀歯にしたあと、そこからまた虫歯が再発し、最終的に歯を失う可能性が高い。だからできれば、歯を削らずに処置をしていくのが現在の主流となっている。

【歯を失う連鎖】

1・虫歯が発生する

2・歯を削り銀歯をつめる

3・銀歯のなかで虫歯が再発する

4・歯をさらに大きく削り銀歯をかぶせる

5・虫歯が再発する

6・神経を抜く

7・神経を抜いた歯はもろくなる

8・最終的に抜歯になる

金属アレルギーというリスク(P51)

歯の被せ物となる銀歯などの金属は、人によってアレルギーの原因となる。

アレルギーになっても、その影響が必ずしも口に出るわけではなく、手や足、全然違う場所に症状が出る場合がある。

歯が抜ける原因(P60)

歯を失う原因は、必ずしも老化が原因ではない。

本当の問題となりうるのは細菌の感染。口のなかで増殖した細菌によって虫歯や歯周病が発生、それが原因となり、最終的に歯を失う。

初期の虫歯は削らない(P64)

昔は虫歯発見=即削る、というのが主流だったが、現在は違う。

初期の虫歯に限っては、自然治癒する可能性があるので、すぐに削らずに様子を見るのが主流になっている。

人の体には、初期の虫歯くらいなら自然治癒させるだけの仕組みが備わっているから。

何より、歯は削ると弱くなる。削らずに済むなら、それに越したことはない。

逆に言うと、初期の虫歯ですらすぐに削ろうとする歯医者はヤバいので、そのクリニックに通うのはやめておく。

注意すべきは歯周病(P103)

歯を失わないために虫歯だけでなく注意したいのが、歯周病。

歯から血が出るようになってきたら、その兆候があるので、早めに対策をすることが重要。放置すれば、連鎖的に歯を失うリスクがある。

インプラントを検討するなら(P138)

もともとインプラントは、患者の苦しみを緩和して自然な歯を取り戻したいという意欲を持つ歯医者によって日本に普及した。

ところが近年はその理念が理解されず、安易な金儲けの手段として広がり、お金に目がくらんだ悪い歯医者の施術によって、多くのインプランド被害者を生み出している。

しかし、インプラントそのものが必ずしも悪ではない。しっかりと研修を積み、インプラントの素晴らしさを理解している施術者のもとであるならば、検討の価値はある。

そこで、もしインプラント検討する場合は、進めてくる歯医者が自分の家族にインプラントをしているかどうか。それを聞くと良い。

他の治療の選択肢を示しつつ、

「私は自分の家族にインプラントを入れました。検討できる選択肢のなかでは、一番ベストだったからです」

と自信を持ってインプラントを進めてくる歯医者であれば、その話を聞く価値はある。

ただし、問答無用でインプラントをゴリ押ししてくる歯医者は、あなたの歯よりも自分の金儲けしか興味がない可能性が高い。

その歯医者は注意すべし。

歯科医の使命(P145)

歯医者のそもそもの使命は、患者の天然の歯を可能な限り残すこと。

まだ元気なのにウソ八百で抜歯をさせ、インプラントを勧めてくる歯医者は論外。

場合によっては、戦略的抜歯として、どうしても歯を抜いたほうがいい場合もあるが、良い歯医者なら、なぜそれをすべきなのか。

レントゲンなどの資料をもとに、誠実に説明してくれる。患者が納得していないのに、無理に抜歯はしない。

患者が納得しておらず、抜歯の明確な理由を説明もせずにインプラントに誘導する悪徳な歯医者も存在しているので、歯をどうするか。

その件については、歯医者の言いなりにならず、必要におうじてセカンドオピニオンを求め、自分の歯を自分で守るくらいの意識を持つこと。

予約サイトのステマ事件より(P215)

岡山で患者の歯をめちゃくちゃにして逮捕された悪徳歯医者の事件から。

患者は歯の口コミサイトを見てその歯科医を選んだが、ネットの口コミだけで歯医者を選ぶのがある意味、一番危険。

なぜなら、口コミサイトは基本的にステマの温床だから。

悪い歯医者はお金を払い、良い口コミを買っている。だから、ネットでの口コミが良い=信用できると考えると、歯を失うリスクが激増する。

ネットは情報源として頼りになることもあるが、ウソがあることを忘れてはいけない。

大切なのは、患者自身がきちんと知識を身につけること。そして、「この歯医者は・・・」と少しでも疑問に感じるならそこはやめておく。

感想など

歯科医業界の良いところも悪いところもまさにストレート。読後は歯について真剣に考えたくなる話が満載でした。

ただ、こういう本を読んでいると、信念を持って歯科治療に邁進している偉い先生ほど、批判に対して謙虚で、歯科医業界の腐敗を誠実に受け止めている印象が強いです。

インプラントの権威の先生とか、予防歯科の先生とか、今歯科医業界にどんな問題があって、それが患者にとってどんな不利益になっているのか。

明確に問題を認識して、それに対して誠実に取り組もうとする気持ちが、伝わってきます。

まぁ、医者も結局人。

歯科医業界はそもそも構造的に、誠実な医療をしようとすればするほど儲からない構造になっていて、それが原因で、歯科医としての道をあやまる人が出るのも仕方がないのかもしれません。

でもだからといって、自分の大切な歯をめちゃくちゃにされるのは患者として絶対に避けたいところ。

この意味で、自分の歯を守るのは最終的に自分。誰に自分の歯を任せることができるのか。信頼できるのか。

最終的には患者として、知るべきこと。学ぶべきことを学ぶことが、大切なのだと思います。

ということで、今歯に気になるところがある方や、これから信頼できる歯医者を見つけたい方はぜひ本書の一読をおすすめしたいです。

歯は治療後はもとには戻りません。

失敗しないためにはやはり知は力なり。患者として知るべきことを知ることが、最後には自分の歯を守る力になるはずです。

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