人生は運、であるならば。
早川勝著『死ぬ気で行動する人にだけ運は必ず味方する』(かんき出版)の読書感想です。
この本について
生保業界、フルコミッション(完全歩合)のビジネスで成功、「自分の成功は運が良かったから」と語る著者による「運」論。
運を高めるためにはどうすればいいか、考え方から日常の行動まで、運アップのための様々なヒントが満載の内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
運が悪い人の共通点(P18)
運が悪い人に共通しているのはネガティブな頑固さ。
上手くいっていないのに、何を言われても自分のやり方、生き方を変えない。人の意見が全く耳に入らない。
感性が固まった人に、運はやってこない。
心地良い場所を大切にする(P28)
気の良い場所から良質の縁が得られる。
雑然とした場所に幸運はやってこない。純粋に心地良いと感じる場所、そこに運がある。
「ここにいると気分がいい」という場所を大切にすること。
運を高めるためには運がある場所へ行く(P56)
成功した人が暮らす場所は運が漂っている。
調子が悪いとき、人生がイマイチダメで運を感じられないときは、成功した人、豊かな人が集まる場所、暮らす場所へ出向く。
そこでただいるだけでも、運を回復させることができる。
(※本書では「高級住宅地」と書いてあります。)
「運」という観点を持つ(P57)
人生、行動、学びなど自助努力はもちろん大切。
が、それだけでは不十分。「運のマネジメント」という視点を持ち、運を切り開くという発想を持つ。
自分なり、運を高める方法について、模索していく。
幸運の時こそ注意せよ(P89)
物事には「引き際」がある。
引くタイミングはこれ以上ないほど物事が上手くいった、「絶頂の時」。何かを始め、それが上手くいく。最高に上手くいったときこそ、引き際。
運は循環し、上下する。何事も上手く生き続けることはない。良いときにこそ、下り坂を意識し始めることが大切。
決断は考えない(P100)
AかBか、大切なことは考えて決めない。直感で決める。
自分の直感で決めた選択にハズレなし。本当に大切なことは、自分自身が一番知っている。
運動で運を呼ぶ(P106)
運は動き。適度な運動で運を引き寄せることができる。日々、意識的に体を動かすこと。
目指すべきは花咲じいさん(P130)
価値あるお金の使い方について。
世の中には、お金をやたらと貯めこむ強欲爺さんがいる。お金は貯めこむだけではダメ。お金には適切な使い道がある。
自己投資はお金を使って未来の自分に種をまくこと。上手にお金を使えば、使ったお金が自分の成長、未来に帰ってくる。
お金を自分の未来に花を咲かすために使う。自分に成長をもたらすこと、人間的に豊かにしてくれることにお金を使う。
感想など
「人生の成功は運」という主張に共感できる本。
私もフリーランス、完全結果主義の仕事でお金を稼いでいるので、努力や頑張ることも大切ですが、それ以上に、「人生は運じゃないか?」と思うことがしばしばあります。
世の中には、「努力すれば何でも叶う、人生は100%自分でコントロールできる!」という考え方がありますが、個人的には、「人生は努力だけでは不十分では?」と感じています。
運というか、自分の努力とは関係のない要素によって、未来が影響されているように感じます。
仕事にしても人間関係にしてもライフスタイルにしても、自分の意志だけでなく、他のなにか、それを「運」と言っていいかは分かりませんが、意志以外の要素があるように感じています。
個人的には、2015年10月に名古屋から札幌に引っ越し、人生の転機となりました。
もともと、2014年末から北海道の札幌にしばしば出張していましたが、そのきっかけというのは、本当に偶然のものです。
その偶然を追っていった結果、札幌に住むことになったのですが、それは全くの未計画、考えてもいなかったことでした。人生には、こんな意図しない結果、予想外のことが何度も起こります。
だから、個人的には、人生は自分次第、100%自分で意図してコントロールできればいいと思いますが、現実はそうではないように思います。
だからこそ、余計、人生は運というか、自分でコントロールできない要素があることを認識することが大切ではないか、と感じています。
努力だけは不十分、そういう発想があると、人生が詰みそうなときでも、必要以上に自分を追い詰めることもありません。
頑張ってダメなことなら、「縁がなかった、運がなかった」と割り切ることができます。予想以上の良い結果も、「幸運だった」と傲慢にならずに済みます。
運を信じることは、「俺は何でもできるんだ!」と傲慢にならず、人間としての謙虚さにつながるものだと思います。
努力も大切ですが、人生は運に流されるもの。「運気」というファクターを意識すると、物事の見方が変わって、気持ちに余裕が持てるかも。