『モーム語録』を読んで興味をもったイギリスの作家、モーム。
『サミング・アップ』に続き、小説三冊(『人間の絆(上下)』、『月と6ペンス』)、モームの人生を追う『モームの謎』を読了しました。
読んだ本
・人間の絆(上下)
上下でそれぞれおよそ600ページ、合計1200以上ある長編小説。
読むのにかなり時間がかかりましたが、モームの自伝的な小説らしく、作家の育った環境、人生観のようなものが垣間見れて興味深かったです。
・月と6ペンス
家庭を捨てて芸術の道を選んだストリックランドの生涯を描いた小説。個人的には『人間の絆』よりもこちらの方が面白かったです。
ここで引用はしませんが、ところどころ「ドキッ」とする名言がちらほら。セリフというか、言葉に強く惹かれるものがあります。
・モームの謎
モームの人間像、家庭環境、女性関係、晩年の姿など、モームという人間の「謎」に迫る本。
作家が生み出す小説の背後にはその作家の人間性というか、人生があると思うのですが、この本を読むことで、モームがどのような人間だったのか、興味を満たすことができます。
(それにしてもモームスパイ説は面白いですね。)
感想など
モームの本を読んでみて、言葉が素直に心に響いてくるところ。
人生観にしても人間観にしても、とても現実的で、ある意味とても素直な感覚がします。「人間像を洞察」的な堅苦しさがなくて、言葉は自然で、現実的なものが中心。
見方によってはシニカルなものもありますが、でも、個人的には「シニカル」というよりも「現実的」な響きがしました。
さすがに長編小説を読み返すのはきついですが、『モーム語録集』や『サミング・アップ』は、折に触れて読み返したいと思います。