NLP=脳の取扱説明書。
山崎啓支著『マンガでやさしくわかるNLP』(日本能率協会マネジメントセンター )の読書感想です。
この本について
マンガでNLP(神経言語プログラミング)を学べる本。
そもそもNLPとはどんな心理学なのか、それが仕事や人間関係やどのように役に立つか、マンガ+解説で分かりやすく学ぶことができます。
以下、本書の読書メモです。
NLPとは(P24)
NLP=言語学と心理学を効果的に組み合わせた実践手法。ビジネスや能力開発、コミュニケーション、人間生活全般で役に立つ実践的な方法がNLP。
人間には特定の入力で正確に起動するプログラムがあり、体験と言葉で様々なプログラムを身につけていく。これらのプログラムによって、その人の性格や人生ができていく。
意識と無意識(P30)
意識=思考(頭)=言葉(言語)。無意識=身体=感覚。
私達が普段何かを考えているときは、言葉を使って考えている。だから意識とは思考することであり、言葉になる。
一方、無意識はぼーっとしているときなど、言葉ではなく感覚的なもの。あれこれ考えていないとき、人の身体感覚はハッキリしてくる。だから無意識は身体が特徴になる。
知得と体得(P37)
頭で知っていること、それが知得。体得は体が覚えている状態のこと。
実際に大切なのは、頭で理解することだけではなく、体で理解しておくこと。それが実践で使える知識となる。
価値観とプログラム(P66)
起こった出来事を良いものと捉えるか悪いものと捉えるか、それは価値観(プログラム)によって決まる。
私たちは価値観を判断する価値基準があり、それによって、その出来事は自分にとって良いのか悪いのかを、判断している。
結局、良いことも悪いことも、自分の価値基準というフィルターを通じて決まっていく。
変化の本質とは(P70)
幸せな人生とは幸せな時間を感じている時間が長い人生。
幸せは身体感覚であり、幸せを感じるためには豊かさを感じる時間を増やし、ストレスを感じる時間を減らすことが重要。
そこで大切なのが身体感覚をコントロールすること。
身体感覚が変わることによって、物事の感覚が変わってくる。この意味で、本質的な変化とは、ずばり身体感覚が変化すること。
イメージについて(P76)
私たちは何かを体験するとき、特定の「意味」と「印象」に反応してイメージを作り上げる。それによって自分で勝手に出来事を意味付けしている。
ところがそれには実体がない。脳は想像とリアルの判断がつかないため、結局私たちは、実際の出来事より、自らが作り上げたイメージによって苦しむことが多い。
アソシエイトとディソシエイト(P85)
アソシエイト(実体験)=状況にどっぷりつかっている状態。辛い状況などはアソシエイトしている状態。
ディソシエイト(分離体験)=状況の外にいて自分を客観視している状態。広い視野で物事を見ることができる。
言葉を受け入れてもらうために(P103)
人に自分の言葉を受け入れてもらう。そのためにはラポールが必要。
距離が遠い人、つまり心を閉じている人には、何をどう言っても伝わらない。距離を近づけ、信頼関係を作ってこそ、自分の言葉を受け入れてもらうことができる。
ラポールを作るためには安心感が必要。人は無意識的に安心を求めるので、相手に親近感を与えることはラポール形成に効果的(親近感→距離を縮める)。
親近感を与えるには、相手との共通点を探すこと。世間話をして相手との共通点を探し、そこから距離を近づけていけばいい。
無意識は安全を求める(P126)
無意識=生存本能そのもの。
本能的に安全を感じる人には心を開き、「危険だ」と感じる人には心を閉ざし影響を受けないようにする。
安全なのか危険なのか、それを判断するのは知っているか知っていないか、よく分かっているかどうか。
未知のものに不安を感じ、なじみのものに安心するのは、無意識の本能が理由。
自分の基準と他人の基準(P225)
人生で失敗してしまうことの一つに、自分の基準と他人の基準が同じだと勘違いしてしまうこと。それによって様々な誤解が生じ、コミュニケーションが上手くいかなくなる。
自分の価値観が強すぎると、「あいつはダメだ、間違っている」的な他者否定思考になる。人間関係も上手くいかなくなってしまう。
感想など
「NLPってこういう心理学なんだ」と概要を分かりやすく学べた本。
内容はというと、
25歳でカフェの店長に抜擢される→が、店の売上がダウン→店内の人間関係もギスギス→仕事のプレッシャーで死にそう→NLPを学んで実践→めでたしめでたし!
という感じで、NLPを使えば仕事や人間関係がどう変化するか、そのイメージがつかめる内容になっています。
個人的に印象的だったのが無意識と本能の話。
もともと私達には本質的に安全を確保したい欲求があって、人を知ろうとするのも安全本能の一つだとか(P129)。
初めての場所、初めて会う人に不安を感じるのはそれらが未知のこと(知らないこと)で、だから私達の本能は、知ることによって安全を確保しようとするそうです。
「他人をよく知ろうとするのは自分が安心を確保する行為である」という話で、「へぇ、そういうもんか」と思って読んでいましたが、「知らない」ことって、けっこうストレスになるんですね。
まぁたしかに知らないというのはどこか居心地の悪いもの。となると、安心感を得るためには知るということが一番。
自分の環境、仕事の内容、関わる人たち(コミュニケーション)、知ることで安心できて、良い結果が残せる。
こんな感じで、NLPっていろいろ実践的で面白いなと思った本でした。NLPに興味がある方は読んでみるとイメージがつかみやすいと思います。