人と人が分かり合えない原因はココ。それを解決すればコミュニケーションはもっと上手くいく。
山崎啓支著『マンガでやさしくわかるNLPコミュニケーション』(日本能率協会マネジメントセンター)の読書感想です。
この本について
コミュニケーションに焦点を当てたNLPの本。
NLPとは何なのか、それを実際のコミュニケーションでどう生かしていけばいいのか、マンガで分かりやすく理解できる内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
はじめに、NLPとは(P24)
人間の反応をプログラム(入力と結果=反応)と考え、そのプログラムをより良いものに書き換えることで、より良い結果を得ていく。これがNLPの考え方。
なぜ言葉が届かないのか(P37)
人に話しても伝わらない、その理由は人それぞれで言葉の受け取り方に違いがあるから。
人は言葉を自分の体験に基いて発している。しかし、体験というのは人それぞれ違う。だから言葉の受け取りに違いが出て、コミュニケーションの食い違いが生じる。
そこでコミュニケーションでは、「話し手の伝えたい体験と聞き手の理解に食い違いがある」という前提に考える必要がある。
空白の原則(P48)
人の脳は、空白(分からないこと)を埋めようとする習性がある。
人は本質的に安全や安心を求めており、分からないこと=不安。安全安心を得るために、人は分からないことを知ろうとする。
分からないことを知ることで、脳は安心することができる。だからコミュニケーション上の最大のポイントは、安全と安心を提供できるかどうかがカギになる。
ペーシングでラポールを築く(P83)
人は無意識に安全・安心を求めている。
心理的、空間的に自分と近いと感じる人や環境に、安心感を感じる。安心感を感じたら、人は心を開く。
私はあなたと同じですよ、それを伝える技術がペーシング。相手のペース、価値観、考え方に合わせ、感覚的に同調する。
これがペーシングで、ペーシングが上手くいくと、相手と波長が会い、「この人は安心できる=信頼できる」と感じてもらうことができる。
ミスコミュニケーションを防ぐ3ステップ(P109)
コミュニケーションで失敗しないための3つのステップ。
1・プリフレーム
→相手に「詰問されている」と感じさせないための段階。
2・省略、歪曲に関する質問
→質問を柔らかく受け取ってもらう。そこで笑顔、優しい口調を意識する。
3・確認
→受け取った内容を自分の言葉で表現し、イメージの質感を伝える。
会話のキーワード(P130)
ラポールを築くためには会話。
優しい表情とゆったりした口調で簡単な世間話をし、オウム返しの技術を使う。そして相手から「はい」を引き出す。
相手から「はい」を引き出していけば、無意識レベルで心が開かれていく。
出来事は無色透明(P141)
出来事は本来無色透明。そこに意味づけをするのは人。人の受け止め方次第で、良いものにも悪いものにも変わる。
同じことが起こっても、人によって受け止め方が違うのは、人の受け止め方、考え方が違うから。
そして、受け止め方、考え方の違いの原因はその人のビリーフ(信念や価値観)。根っこの原因はココにある。
無意識と現状維持(P162)
無意識には安全欲求があり、そのためにプログラムが作られる。この意味で、これまで自分が身につけてきたことというのは、全て自分を守るためのプログラム。
それには自分を守る反面、自分を制限してしまう側面がある。その窮屈さを感じたときこそ、変化していくとき。
無意識は現状維持を望むので、新しい行動をしようとするとき、不安を感じたり緊張したり乗り気にならなかったり、体が変化に抵抗しようとする。
そこを乗り越えられるかどうかが、変化できるかどうかのカギとなる。
感想など
『マンガでやさしくわかるNLP』が面白かったので合わせ読んでみた本。
外資系でバリバリ働いていた女の子が、実家の倒産しそうなスーパーを継ぐことになって、そこで従業員とコミュニケーションを改善しつつスーパーを立て直していくという話で、コミュニケーションに焦点を当てた内容になっています。
人と人、上手くコミュニケーションを取るためにNLPをどのように活用すればいいのか、基本的な考え方を示しつつ、その具体的なイメージをマンガで理解できます。
いろいろ難しい用語が出てくるので、その教えを完全に理解して実践するのは難しいかもしれませんが(反復しないと理解が難しいです)、コミュニケーションの原則的、根本的な考え方はとても勉強になります。
NLPとコミュニケーションに興味がある方は、きっと参考になると思います。