英国フォーク・ロックの傑作『リージ・アンド・リーフ+2』を聴く

1969年に発表されたフェアポート・コンヴェンションの名アルバム、『リージ・アンド・リーフ+2』の感想です。

Liege & Lief

イギリスのフォーク・ロックの歴史中でも名盤と名高い本アルバム。

アコースティックなサウンドやロックといった要素に加え、トラディショナル・バラッドと呼ばれる伝承物語歌などの伝統音楽が盛り込まれており、そのサウンドは独特のもの。

エレクトリックでありながら、航海前の船出をするかのような、壮大でどこか懐かしい香りがする音楽となっています。どの曲も温かみがあって、春うらら、天気の良い日にじっくりと聴きたいアルバムとなっています。

以下、曲の感想とメモです。

1. カム・オール・イエ

ドンタタ、ドンタタというドラムのリズムにあわせ、フィドルの音が縦横無尽かけまわる、トラッドポップ。フィドルにからむエレキギターの音も魅力的です。

2. レイナーディン

トラディショナル・バラッドの要素を取り入れた語り調の歌。クリーンなギターが伴奏となり、サンディ・デニーのボーカルが、あたり一面広がっていきます。まるで吟遊詩人の語りを聴いているような歌です。

3. マティ・グローヴズ

トラッドですがリズム感のある曲。このアレンジも良いですが、テンポを落として、アコギでの弾き語りで聴いてみたいと思う曲です。

4. フェアウェル・フェアウェル

ポップでスウィートなとろけそうになる名曲。リリカルでソフト、柔らかく美しいメロディーを味わうことができます。

5. 逃亡者

アコギのストロークが気持ち良い歌。アコギとベースがからむアレンジが、曲への没入感を高めてくれます。

6. 朝のひばり~アイルランドの放蕩者~狐狩人のジグ~トス・ザ・フェザー

カーニバルソングのようなトラック。テンポの速い曲が次々と登場します。山奥のキャンプファイヤーで聴きたいような曲です。

7. タム・リン

エレキギターが活躍するロック調の曲。ただ、メロディー自体はトラッドなのがフェアポート・コンヴェンションの特徴なのかもしれません。

8. クレイジー・マン・マイケル

しんみりくるバラードソング。アコギのアルペジオと、それにからみつく美しいメロディーが、なつかしい郷愁を誘います。

9. サー・パトリック・スペンス

ボーナストラック1です。エレキの音にフィドル、ロックと伝統音楽が融合した独特のサウンドが味わえる曲。

10. クワイエット・ジョイズ・オブ・ブラザーフッド

実験音楽のような電子音から始まる曲。低音で響くフィドルの音は、まるでシタールのないインド音楽のようです。

感想など

ロック&エレキ的な要素はあるものの、伝統音楽色が濃いアルバムです。

フィドルなどの伝統的な楽器の音が目立ちますが、メロディーやアレンジなどは、伝統音楽そのもののように思います。『アンハーフブリッキング』と甲乙つけがたいですが、トラッドな味わいは『リージ・アンド・リーフ』の方が濃いかもしれません。

(個人的には『レッド・ツェッペリン III』と似た匂いを、『リージ・アンド・リーフ』から感じました。)

伝統音楽の良さを、現代風にアレンジ、ポップにしたようなアレンジが多く、このアルバムを聴いていて、メロディーやサウンドの良さはもちろん、懐かしさも感じた不思議なアルバムです。

名盤と名高い『リージ・アンド・リーフ』ですが、このアルバムを聴けば、独特の魅力に納得できるに違いありません。

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Liege & Lief