酒池肉林の人生に幸福はあるか?『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の感想

金持ちになって成功した。豪邸も高級車も女も、全て手に入れた。そして最後に得たものは。

レオナルド・ディカプリオ主演、マーティン・スコセッシ監督作品『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)の感想です。

あらすじ

22歳で結婚したジョーダンは「金持ちになりたい!」という野心を秘め、ウォール街で株屋となる。

紆余曲折するものの、やがてジョーダンは自ら会社を作り成功。若くして巨額の富を得、稼いだ金を遣い酒池肉林の暮らしへ。

金の力でテストステロンムンムンの男の欲望を実現していくジョーダンだが、やがてそのツケを払うことになる・・・。

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感想など

「男の愚かな(本能的)欲望をそのまま現実にしたコメディ映画」かと思っていたら、これ実在の人の話なんですね。

「いつも金持ちになりたかった」という貧乏な育ちから株屋として成功、大金持ちに。

豪邸に車、そして女遊び。清々しいまでに欲望に忠実で、いい暮らしに女、本能のまま前へ。男が憧れる暮らしを手にします。

が、最後はお約束の結末で、金で得たものを失っていく。美人の妻と別れるときの構図なんてモロ「金の切れ目が縁の切れ目」の言葉通り。

ジョーダンはお金によって多くのものを得て、ほとんどを失ってしまいましたが、お金についての考え方は、

「金は暮らしを良くしたり車や女を買うだけじゃなく、いい人間にもしてくれる」

「貧乏は最悪だ、何にしても金がなきゃ何にもならない」

という具合、納得できる言葉も多いです。

ジョーダンの人生は極端ですが、極端を突き詰めていくと、案外本質が見えてきます。お金について、生き方について、この映画は極端を通じて、人とお金について、考えさせてくれます。

「豊かになりたい、成功したい。お金を稼いでいい暮らしがしたい。豪邸に暮らして、高級車に乗って、女にモテてて・・・!」

そんな上昇志向を抱いたときこそ、その罠にはまらないよう、注意したいところです。