斜に構えるから、真実が見える。『ラ・ロシュフコー箴言集』を読む

ラ・ロシュフコー箴言集 (岩波文庫)

フランスのモラリスト文学の傑作『ラ・ロシュフコー箴言集』(岩波文庫)の読書感想です。

自己啓発の名著30』で紹介されていた本で、「ピン!」ときたので読むことにしました。

ラ・ロシュフコー(ラ・ロシュフコー公爵フランソワ6世)とは、17世紀に生きたフランスの貴族。

モラリストとして知られ、人間の姿を辛辣に考察した箴言集を残しています。本書もその1つです。

モラリストとは

16世紀から18世紀、現実の人間を洞察し、人間の生き方や本性を探求した人々のこと。

名著『エセー』の著者モンテーニュ、「人間は考える葦である」の名言で有名な数学者のパスカルが有名なモラリストである。

短い文章のなか、ときに「ドキッ!」とする名言が登場する本で、「本を読む→気になった言葉に○をつける→その意味を考えてみる」という感じで読み進めていきました。

そのため、読み終えるのに時間がかかってしまいましたが、個人的にいわゆる「熟読」できた本で、読後はとても満足感がありました。

箴言ですが、多くが人間についての内容がほとんどです。

・291

人の偉さにも果物と同じように旬がある。

P90

・375

凡人は、概して、自分の能力を超えることすべてを断罪する。

P110

・451

頭のいい馬鹿ほどはた迷惑な馬鹿はいない。

P128

など、短い言葉で、人間の現実の姿を、ニヒリスティックにストレートに、「これでもか!」とえぐり出します。

紡がれた箴言は的確かつ鋭利。

本を読んでいて、言葉が心の中へ直球ストライク。ラ・ロシュフコーの言葉は、自分の人間観を見なおさせてくれます。

良くも悪くも、我々人間は善人でも悪人でもなく、ただ欲があり、自己中心的。

しかしときに人と協力して生きていくような(しかもそれは善意でなく自己本位的理由であることも多い)、不可思議な存在。

モヤモヤしたように思える人間の姿を、時に辛辣に思えるほど端的に吐き出しているのが本書。

この本を読み過ぎると人間嫌いになること請け合いですが、自分の人間観をとりあえず横においておいて、毒のある人間論を味わってみるのも一興。

個人的に、これから折をみて、読み返したい本になりました。

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