年をとっても、本を読む。
鷲田小彌太著『定年と読書』(文芸社)の読書感想です。
この本について
退職後の定年生活と読書について考える本。
退職後の豊かな時間をムダにしないために本を読むこと、本を読むことで得られることなど、気軽に読める読書のススメ本となっています。
以下、本書の読書メモです。
定年後の人生を考える(P22)
医療の発展など、人の寿命が伸び、余生が長くなった。
現代は人生80年。60年から定年を迎えるにして、残りの人生20年を、しっかり計画しておく必要がある。
本は読めば読むほど読みたくなる(P31)
読書の良いところは、1つの本を読むと、知的な刺激を受け、次々と読みたい本が見つかること。
読書には限界がなく、自分の好奇心次第で、無限に読みたい本を見つけることができる。本は本を呼ぶ。
50歳を過ぎたら(P39)
人の顔にはその人の人格が現れる。
昔は「30歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」と言われたが、現在は、「50歳を過ぎたら」自分の顔に責任を持つこと。
顔には精神の荒廃、その人の生き様が現れる。勉強や知的なことに関心を持たない人は、顔に愚鈍さが出るが、本を読む人は違う。いい顔になっている。
人間の脳は使わないと衰える(P44)
人の知能の絶頂は25歳~34歳くらいまで。
35歳以降、脳をきちんと使わなければ、脳は衰える一方。しかし、脳は使いすぎて壊れることはない。日々新しい刺激を与え、脳を活性化させる。
読書は脳を刺激する良いトレーニングになる。
老化の始まり=羞恥心の薄れ(P65)
廊下の影響が真っ先に現れるのは、恥を恥と思わなくなること。図々しくなり、知的なことに関心がなくなってしまう。
読みたい本を買えばいい(P83)
図書館で本を借りるより本は買う。借りるのを待つ時間がムダ。
タイム・イズ・マネー、時間は足したり増やしたりできない。読みたい本は、お金を払って「買う」ことで、時間を節約する。
老後の人生だからこそ、残された時間をムダにしてはいけない。
読書は世界を広げること(P100)
読書=世界と関わること。
本を読むことで、世の中のことを知り、世界と関わることができる。世界にはいろんな人がいて、いろんな考え方があって、いろんな価値観がある。
本を読むことで、自分と世界をつなげ、自分の視野を広げていく。
読書は読みたいとき、読めるときに(P174)
読書のためにわざわざ時間を意識して作る必要はない。日常の細切れの時間、読めるときに読めばいい。
気合を入れず、楽しむこと。
感想など
定年を迎えるわけではない(私の仕事には定年がありません)のですが、読書術に興味があって読んでみた本。
「一線を退いた定年の人生を計画、読書で有意義なものにしよう」というのが本書のテーマで、本とどう向き合うか、読まない人生と読む人生はどう違うのか、読書話が楽しめます。
自由な時間、読みたい本、興味がある分野の本を気ままに買って、好きに読む。考えるだけで憧れてしまう読書ライフ。
何にも縛られるものがない老後の時間、好きな本、興味のある本買って読む。時間を忘れて、興味の赴くまま読む。
それが実現できる人生は、豊かな人生なのかもしれません。