運には波がある。問題は、波に上手く乗れるかどうか。
竹内一郎著『ツキの波』(新潮新書)の読書感想です。
この本について
運について考察する本。
ツイていることはどういうことなのか、運が良いこと悪いこと、運が人生に与える意味や影響等、興味深いヒントが満載です。
以下、本書の読書メモです。
ツキ過ぎるとダメ(P12)
何もかも上手くいきすぎてツキすぎると、そのしっぺ返しがやってくる。勝ち続けているときにこそ慎重に、適度に負けた方がいい。
運の量(P21)
運には総量がある。人には、生まれつき一定の運を持っていて、その運と引き換えに、お金や名誉を得る。そして、運を使い尽くしたとき、死がやってくる。
運とは何かを得るために使われるエネルギーであり、何かを得るために、それ相応の運を失う。
運が下がっているとき上がっているとき(P29)
運が良いか悪いか、そのときの状況によって行動を変える。
運がいいときは攻めの時期。ガンガンプッシュして、前へ進んでいく。運が悪いときは、無理な勝負は避け、新しいこと、未知の挑戦はせず、守りに入りガードを固める。
運の状態によって自分の行動を変える。これが運との付き合い方。
努力では克服できないものがあることを知る(P36)
学校では、勤勉さ、努力の大切さを学び、頑張った分だけ伸びていくことを体験するが、現実には努力では克服できない問題もあり、それに合わせた戦術が必要になってくる。
上手くいっていないとき、下降運のときの前向きさは致命傷になることもある。傷口が広がらないように抑え、上昇運がやってくるのを待つ。
こんな、その時々の運にあわせた行動が必要。
自分のフォームを見つける(P100)
人生で大切なのは、「俺はこうすれば上手くいく」「こういうやり方なら上手くできる」という自分の型(フォーム)を見つけること。
型とは、「これをしていればだいたい6分4分で物事が上手くいくと思えるもの」で、自分のフォームを安定させることによって、人生の下降時期も、判断基準がブレることなく、耐えていくことができる。
安全な生き方(P144)
不幸ではない生き方=安全な生き方。刺激、新しい体験、他のいろんなことを犠牲にするのが安全な生き方で、不幸ではない生き方。
感想など
運の波や運の総量とか、興味深い考え方が満載の本。
「人生でツキすぎると、いいことばかりだと、必ずどこかでマイナスの影響が出てきて、大きなしっぺ返しをくらう」的な話がありましたが、この考え方は理屈抜きに納得できるものがあります。
仕事もプライベート、人生何もかもが上手くいって幸せの絶頂期で事故やトラブルに遭ってしまうとか、光が濃くなれば濃くなるほど、そこに影が発生。
何もかもが上手くいくのは実は問題で、人生のところどころつまづいて、問題があるのが本来自然なこと。
人生何もかも完璧にはならなくて、どこか不満足なところ、幸せでない部分があった方が、全体としてみれば、それがツイてる状況なのかもしれませんね。