今こそ知っておきたい日本財政の守護神の人生。『高橋是清自伝』を読む

スポンサーリンク

高橋是清自伝(上) (中公文庫)

どデカい男は、生き方もどデカい。

高橋是清著・上塚司編『高橋是清自伝』(上下、中央文庫)の読書感想です。

スポンサーリンク

この本について

明治から昭和初期にかけて日本の政治、金融に多大な貢献を果たした偉人、高橋是清が、自身のその生涯について語っている本。

明治初期における諸制度の創設や日露戦争時における戦費の調達などの有名な話だけでなく、有名な奴隷生活、芸者通いの放埒な生活など、その人生をまるごと告白。

日本にはかつて、こんな大きい男がいた。そして、激動の時代をどデカく、まっすぐに生きた。

それは決して武勇伝の類ではなく、まさに一人の偉大な男の人生の軌跡。

高橋是清の生き様を知ることで、現代に生きる我々に大きな大志を与えてくれる内容になっています。

感想など

随想録』を読んで、高橋是清の人生を知りたくなって読んだ本。

それにしても本当にすごいの一言。幕末の激動の時代に生まれ、好奇心に背中を押されて甘エリカに渡米。

ところが、それは奴隷として売られてしまい、農園で下働きの日々。

運良く日本に帰国することができ、アメリカで身につけた英語力を生かして生きる術を得るものの、なんと芸者遊びにハマり、堕落。

今で言うキャバクラ通いの果てにキャバ嬢のヒモになって、暗黒生活を送ります(本書の上巻でもそのことが語られています)。

それだけでなく、英語教師としてかなりのお金をためたのに、損場に手を出し大損。その後も南米の鉱山開発などの投資事業に手を出しては失敗。

それだけの人生なら高橋是清の名前は決して世の中に残ることはなかったでしょうが、ここからがすごい。

つてで日銀のお偉いさんから仕事をもらい、まさにゼロから再出発。そこから着実に実務家としての実力をつけ、やがては政治家として活躍。

日本の命運を分けた日露戦争の影の功労者たる大活躍を果たし、その後も日本の政治に携わり、蔵相として幾度も日本の金融危機を救っています。

これらの出来事が本人の口から語られているのが本書で、まさに激動。偉人の人生とは、こんなにも激しいものなのかと、読後は方針してしまいます。

それにしても、せっかく志を立ててアメリカに行ったのに奴隷にされたり、帰国後に青年の過ち的にプロの女性にハマって文無しになったり、高橋是清にはとても人間臭さを感じます。

あだ名が「だるま」で、その人懐っこい顔によって幸運を得たことが語られていますが、スケールが大きい人は、スケールの広さが顔にも出るのかもしれません。

ということで、上下巻あわせて800ページ近くの本でしたが、本当に面白かった。明治の人はすごかった。大きかった。

そのことを、改めて実感しています。

本の購入はこちら

コメント