組織で生き抜くために必要な政治力。『社内政治の教科書』の読書感想

組織は人の集まり。そこで生き抜くために必要なのは社内政治力!

高城幸司著『「課長」から始める 社内政治の教科書』の読書感想(ダイヤモンド社)です。

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この本について

会社組織を生き抜くために知っておきたい社内政治について勉強できる本。

人が集まるところ、利害や方向性が一致したグループがいくつかできて、それぞれのグループが競争。そこには1+1が2にならないような、人間社会独特の複雑な問題が生まれます。

そこで生き抜くために必要なのが、社内政治の知識。

・社内の空気を読み、どう動けば自分の意見を通すことができるのか?
・どのグループに所属すれば生き残るのか?(or中立を振る舞うならどうすればいいか?)

など、組織で生き抜くための知識を勉強できる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに、政治力とは(P6)

政治力=自分や相手の立場を利用して物事を思うように進めていく力

組織では、論理的、正しい行動が期待通りの結果を生むとは限らない。組織は人間の集まりであり、そこには様々な思惑を持った人たちがいる。

自分の意見を通し、力を発揮するためには、いろんな人の利害関係や思惑を調整する必要がある。

社内で人間関係に影響する力(P30)

社内で人間関係に左右するものが権限。上司は権限を背景に、部下を動かすことができる。

ただし、権限を行使し過ぎると、部下から反発が生まれ、かえって物事が進みにくくなる。そこで、部下と信頼関係を築くなど、権限だけでなく、影響力を発揮していく必要がある。

八方美人は誰からも信頼されない(P36)

八方美人は誰とでも上手くやっているようにみえるが、結局は誰からも信頼されない。

口八丁で場当たり的に上手く人と関わっている八方美人は、最後には必ず孤立する。

人を動かす原則(P43)

人を動かすためにはその人に重要感を与えること

そのために、あいさつや名前で呼ぶなど、普段から人間的な関わりを持つことが重要。

人は、自分を見てくれ、気にかけてくれるのを実感できたとき、重要感を得ることができる。

人には与えよ、ただし(P53)

ビジネスでは返報性の法則が働く。

政治力を発揮するために、多くの人に、「返報性」を感じてもらうことが重要。そのために、まずはこちらから、多くの人に価値のあるものを「与える」必要がある。

ただし、与え方には注意が必要。

人は利で動くが、いきなり大きなものを与えられると、返って警戒心を抱く。与えるものは小さなものから。また、与えた人には「おれはこれだけ与えた」とうぬぼれないこと。

世の中にはもらうだけもらい返すことを知らない忘恩の輩もいる。与えることと頼むこと、セットで考え、返報性の法則を活用する。

議論は不毛、勝とうとしない(P79)

議論でダメなのは相手の意見を否定すること。

議論で正しい間違っているを言い合っても、得るものは何もない。相手の意見を否定するということは、相手の顔を潰すこと。

議論では、相手の顔を潰さず、相手の立場に理解を示す。その上で、自分の立場を説明していく。議論で勝つ必要はない

相手の感情的な抵抗を抑えることを第一にすべし。

ゴシップ野郎とはほどほどの距離で(P101)

社内のうわさ好き、ゴシップ野郎とは最低限付き合っておく。どんなうわさ話が流れているのかは、一通り知っておいた方がいい。

ただし、耳にしたことは絶対他言しない。うわさ話を口にする人は誰からも信頼されない。

ゴシップを聞いても、それは自分の胸のうちにとどめておくこと。また、ゴシップ野郎には自分のことを話さず、決して信頼しないこと。

べき論は役に立たない(P113)

世の中は「こうあるべき」では動かない。清濁併せ呑み、白を黒と言うべきときもある。

理想も大事だが、まずは現実第一。目の前の現実に対処するための、現実的な行動が必要。一歩家から出たら、リアリストになるべし。

下のものから味方につける(P128)

組織で仲間を作るにはまずは立場の弱い人から。

立場の弱い人は社内の民意。立場が弱いがゆえ、よく会社の雰囲気、空気を見ている。社内の実情を理解している人も多い。

また、組織は上のものより下の人の方が数が多い。下の人を仲間につけることは、自分の仲間をたくさん増やすこと。仲間が多い人は潰されにくい。

それに、立場の弱い人を不用意に敵にまわすのは危険。

派遣社員やアルバイトなど、「失うものがない」人はいざというときの行動も過激になる可能性がある。彼らの恨みを買えば、道連れ覚悟で「自爆」されることも。

立場が下の人にこそ丁重に扱う

影響力のある上司は部下のプライベートを知っている(P145)

部下に影響力のある上司は、部下の人間的な部分、プライベートな部分まで気をまわしている。

話を聞き、人間として理解を示し、上司と部下だけではない、人間的な関係を持とうとしている。細かい配慮、柔軟で人間的な対応をしてくれる上司に、部下は忠誠を誓う。

面倒な不満分子を切るためにはどうすればいいか(P180)

原則、部下には太陽のように、大らかに接するのが原則だが、切るべき人間もいる。文句を言って周囲の空気を悪くする部下、裏で工作しこちらの足を引っ張ってくる人間は、容赦なく切るべし。

ただ、切るべき人間が何らかの背景を力にして、むやみに切ることができない場合、まずすべきなのは、その人物の力の源となっている影響力を断ち切ること。

「どんな背景でこの人物はこのように振舞っているのか?」を考え、そこを先に潰す。

人が集まるところ派閥あり(P223)

ある程度の人が集まれば、そこには自然と派閥が生まれる。人はそもそも群れる生き物で、グループを作るのがサガ。

派閥の存在を否定するのではなく、「そういうものだ」と割り切り、適切な対応を考えていく。群れずに孤高を貫くのも1つの方法だが、不用意に派閥の存在を否定しないこと。

社内クーデターを起こす時(P272)

不正な上司に反逆するとき、大切なのは勝つための準備。社内クーデターを起こす場合は、

1・大義

→反逆を起こすべき正当な理由。

2・実力

実力行使できるだけの力があること

3・民意

→周囲の支持を得ていること。

4・背水の陣の覚悟

→退職の覚悟があること。

5・不正の事実

→上司の不正の明確な事実を押えていること。

この5つを押さえてから行動すること。

感想など

私は会社員ではありませんが、組織の人間関係の力学に興味があって、この本を読んでみることにしました。

「社内政治」というときな臭いイメージがありますが、会社といえど人の集まり。そこにはいろんな人がいて、いろんな思惑を持っていて、そのなかで自分の立場を主張していくのは相当なものだと思います。

上司、部下、同僚、利害関係のなか、いろんな人の空気や考えを読んで行動、出世していく人というのは、それなりの政治力、影響力を発揮しているからこそ、上にたどりつけるのかもしれません。

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