歯は一度削ると、もう元には戻らない。『歯を削るな・神経を取るな・歯と歯をつなぐな!』の読書感想

歯を削るな・神経を取るな・ 歯と歯をつなぐな! 改訂増補版: 私が顕微鏡を使って治療をする理由

歯医者選びで後悔しないために、患者側が知っておきたいこと。

西村清著『歯を削るな・神経を取るな・歯と歯をつなぐな! 改訂増補版: 私が顕微鏡を使って治療をする理由』(合同フォレスト)の読書感想です。

この本について

自由診療による歯科治療を行う著者が、日本の歯科業界の現実と、患者自身が知っておきたい歯科治療の知識を、分かりやすく説明している本。

大切なのは歯をむやみに削らないこと。可能な限り神経を取らないこと。信頼できる歯医者のもとで治療を受けること。

以下、本書の読書メモです。

なぜ歯を削ってはいけないのか(P50)

歯にはエナメル質によって守られている。

ところが、歯を削ることによって、このエナメル質も削られてしまい、歯そのものが弱くなってしまう。

だから歯を削ってしまうと、治療をしても、再度問題が起こる可能性が高くなってしまう。

例)

一度治療した被せ物の下から虫歯が発生する

保険診療の限界(P89)

今の保険制度においては、歯医者がきちんと一人一人患者に真摯に向き合う時間を確保するのは無理。

きちんとした治療をしようとすればするほど、歯科医院の経営は苦しくなる。すぐ歯を削りたがる歯医者、神経を抜きたがる歯医者が多いのは、こういう事情があるから。

患者として、本当に納得できる医療を受けたいなら、保険診療だけでなく、自由診療まで幅広く、検討する価値がある。

歯を失うということ(P144)

歯を失えば、食べ物が食べにくくなるだけでなく、そこから老化が始まり、身体的な面だけでなく、精神的な面まで、様々なところに影響が出てくる。

それくらい、歯を保つことができるかということは、QOLを高める上で、とても大切なこと。

たった1本の歯でも、できる限り最後まで残すこと。歯はそれくらい人の健康にとって、大切なもの。

歯医者選びの注意点(P204)

「こんなふうに歯医者を選んではいけません」という注意点。

1・料金が安い

→安いからといって安易に選んではいけない。値段と治療の内容は基本的に比例するから。

2・会社や自宅の近くにある

→歯医者は通いやすさよりも質と内容。遠くても、信頼できる歯医者を選ぶこと。

3・治療時間が短い

→効率重視の歯医者は要注意。流れ作業で、患者一人一人を丁寧に見ているとは限らない。

4・歯医者が多い

→治療のレベルが安定しないリスクあり。

5・周りの評判

→人の口コミはあてにならない。

6・優しい

→優しい先生は良いが、優しい=歯科医として優れているとは限らない。大切なのは治療の結果。

7・丁寧な説明がある

→基本的にインフォームドコンセントがしっかりしている歯医者は信頼できる。

ただし、診断結果、診察の内容、治療にかかる時間、必要な治療費。このすべてをきちんと説明してくれるかどうかがポイント。

8・都心の目立つビルに医院がある

→基本的に、都心の目立つ場所にある歯科医院はやめたほうがいい。高額な経費がかかっているので、儲け主義の経営になっている可能性があるから。

9・診療室がきれいで清潔

→清潔さは歯医者を選ぶ重要なポイント。治療室がきれいな歯医者は安心できるが、それと同時に大切なのが、待合室の清潔さ。

待合室の清潔さと治療室の清潔さは比例する。待合室が汚いところは、やめたほうがいい。

感想など

歯の大切さと、その治療のための歯医者選びの大切さが分かる本。

そもそも歯医者はどんな治療をするのか。それにはどんな理由があるのか。そういう基本的な知識を公開した上で、患者としてはどうすればいいのか。

その話がとてもわかりやすくて、もし真剣に自分の歯の健康を考えるならば、ただ削って詰める。そんな保険診療だけでなく、あらゆる選択肢を検討する価値がある。

そのことを実感した本でした。

歯はある意味、すべての健康の基本。自分を歯を長く使う。問題が起こっても、その影響を最小限に留める。

そのためにどんな歯医者がいいのか。どんな治療を受けることが安心なのか。興味がある方におすすめしたい本です。

本の購入はこちら