『戦国武将の処世術』の読書感想 – 男たちはこうやって乱世を生き抜いた

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乱世を生きる成功の極意 戦国武将の処世術

生き抜くためには是非もなし。

水戸計著『戦国武将の処世術』(彩図社)の読書感想です。

この本について

戦国武将たちから生きていくための教訓を学ぶ本。

この本では、織田信長などや武田信玄などの有名大名をはじめ、蒲生氏郷や細川幽斎など一流の武将たちの処世術をピックアップ。

戦国武将たちがどう考えどう乱世を生き抜いたか、現代でも役立つ教訓が満載です。

以下、本書の読書メモです。

恐怖政治のコツ(P15)

強い組織を作るために必要なのは緊張感。

部下に適度に緊張感を持たせる必要があるが、恐怖だけで部下を支配しようとしてもダメ。適度に部下を喜ばせるアメが必要。

勝つべくして勝つ(P20)

信長の教訓から。信長というと桶狭間=奇襲のイメージが強いが、信長の戦いは慎重かつ合理的で、堅実な作戦を好んだ。

現時点で戦っても勝てない相手には徹底して土下座外交で敵意を持たれないようにし、力を蓄え、絶対に勝てる見込みができた段階になって、戦を仕掛けた。

戦うなら勝つ。負けるなら戦わず力を蓄える。乱世こそ堅実に動く。

家康が最後に天下を制した理由(P46)

家康は信長、秀吉に比べ、独自性、斬新なところがほとんどない。

家康は他者の良いところを取り入れ、ひたすらそれに改善を続けた努力型の人間だが、家康のすごいところは、当たり前のこと、シンプルだけど絶対に大切なことを粘り強く続けたこと。

目標を決めて、それを達成するためにひたすらタイミングを待ち、我慢する。一時の感情に惑わされず、冷静に状況を見極め、待つ。そしてときがきたら動く。

それができたからこそ、家康は戦国時代の覇者となった。

失敗したときの責任を取り方(P80)

失敗したとき、リーダーの責任の取り方として、辞めるというのも責任の取り方かもしれないが、辞めるだけが責任の取り方ではない。

現状を分析して失敗によって生じた損失を軽減、危機を回避し、問題を収束させる。失敗したあとの後処理もきちんとやることが、本当の責任の取り方になる。

常に複数の選択肢を持つ(P110)

先が見えない状況を生き抜くカギは常に「たられば」の発想を持つこと。

選択肢は一つだけに絞らず、別の可能性も想定する。他にもっと良い道がないか、良い策はないか、複数の選択肢を準備する。

それによって、結果が思い通りにならなくても、最悪は免れることができる。

自分の限界を見抜く(P115)

人には器がある。器以上のことはできず、自分より大きい器の人間には勝てない。

「俺はやればできる!」と考えて自分の力を過信するのもいいかもしれないが、自分に期待しすぎると痛い目に遭う。

生き残るためには、自分はどれくらいのレベルで、誰に勝てて誰に勝てないのか、現実的な認識が必要。

あえて目立たない(P151)

山高ければ谷深し、才能を発揮し、どんどん結果を出して目立っていけば、得られるものは大きいが、その分知らないところで人からの反感や嫉妬を買う。

目立つのは良いことばかりではなく、目立ったがゆえに、敵を作って、辛酸をなめさせられることも多い。

「能ある鷹は爪を隠す」で、生き抜くために、あえて自分の能力をアピールせず、周囲から警戒されないような演技、配慮が必要になってくる。

感想など

戦国武将たちの人生から今に生きる教訓を見出す本で、仕事から人間関係、いろんな処世術が学べます。

この手の戦国ネタ本は好きですが、特に面白かったのは、本の最後、失敗した武将たちの教訓。

・足利義昭

→劣等感の裏返しの誇大プライドによって現状認識をあやまってしまった。必要なのはプライドではなく客観性。

・武田勝頼

→カリスマの先代を持った悲劇。先代が優秀だと後任は大きなプレッシャーを受け、自分を見失いやすい。自分は自分と割り切り、冷静になって現状を把握する。

・柴田勝家

→人格的に優れた良いリーダーでも、それだけではだめ。上に立つ人間に求められるのは人の良さではなく将来性。組織をどう導くか、道筋を示す。

・佐竹義宣

→関ヶ原での風見鶏でチャンスがピンチに。中途半端な行動、優柔不断は自分の首をしめる。決断すべきときは、リスク覚悟で決断する。

という具合、最後に負けてしまった、あるいは不遇を味わった武将たちの教訓があります。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉があるように、もしかしたら、成功の道に絶対的な法則はないのかもしれません。運もあるでしょう。

でも、失敗例は「これをやってはダメ」的な決まりのようなものがあって、成功例から学ぶより、はるかに有益で実用的な学びが得られるように思います。

この意味で、本書の五章の「敗者の処世術」はとても興味深く読んでしまいました。

乱世という生きるか死ぬか、厳しい状況のなか、なぜこの武将は生き抜いて、なぜこの武将は不遇の運命を辿ったのか。

戦国武将たちの教訓を、仕事や会社、社会、身近な人間関係に当てはめてみると、今の時代でも役に立つ教訓が見つかると思います。

本はこちら

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