やっぱり先人たちから学ぶことは多い。『仕事・人間関係に役立つ 教養としての日本史』の読書感想

仕事・人間関係に役立つ 教養としての日本史

日本史を彩った男たちの生き様。そこから学べることがたくさんある。

皆木和義著『仕事・人間関係に役立つ 教養としての日本史』(KADOKAWA)の読書感想です。

この本について

「日本史を生きる知恵、教養として学びましょう」という本。

聖徳太子や織田信長、徳川家康など、歴史上の偉人達の生き方を通じ、現代でも役に立つ、人間社会で生きていくための普遍的な学びが得られるヒントが満載の内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに、教養とは(P3)

本当の教養、実際に役立つ教養を身につけることは、ただ単に知識を習得するだけでなく、自分なりの生き方や考え方、物事の判断基準をしっかり身につけること。

知識を覚えることが教養を身につけることではない。教養は生きることに役立つものであり、生き様や人間性がにじみ出るもの

聖徳太子から学べること(P30)

聖徳太子は日本最初の政治改革リーダー。新しい制度や仕組み、役職や階層を作り、それによって日本の政治に新しい風を起こした。

しかし、いつの時代でもそうだが、新しい風を起こそうとするときはいつも、既存の勢力、今の制度で恩恵を受けている既得権益者によって、足を引っ張られることになる。

これは聖徳太子の時代以来、今も変わらぬ人間世界の掟。リーダーを目指すものは、反対者を恐れぬ使命感とやるべきことを断固としてやる、実行力と覚悟が必要。

権力を独占しようとすること(P44)

中大兄皇子(天智天皇)と大海人皇子(天武天皇)の話。

大化の改新で権力を握った中大兄皇子は後に天智天皇となり、死の間際まで、自身の権力に固執した。

天智天皇は自分の権力を実の息子に継がせようと画策、その邪魔者となりそうな弟である大海人皇子に天皇を継ぐ意志があるかどうかを確認し排除しようとする。

しかし、大海人皇子は兄の真意を知り「私は権力には興味がありません」と出家。難を逃れる。

そこで安心した天智天皇は死に、天智天皇の息子である大友皇子が後を継ぐが、天智天皇の独善的、身内びいきの姿勢に周囲の家臣の不満が蓄積。

その流れを読んだ大海人皇子が「時来たれり」と軍を起こし、壬申の乱が発生。結果は歴史が示す通り。

このことから学べるのは、どんなに大きな権力を持っているものでもやがて死に、その権力を独占、身内びいきをしようとしても、周囲から反発を招いてしまうということ。

独善的な姿勢、権力の独占はいつの時代も人の身を滅ぼす。

自分磨きより大切なこと(P55)

知識やスキルを習得する、そういう自分磨きの努力は大切。

でもそれ以上に大切なのが、マインド。知識やスキルはいくらでも学べるが、マインドは意識しない限り磨かれることはない。

人を本当に変えるのは心の在りよう。知識やスキルだけでなく、心を磨くことも忘れてはいけない。

権力者に身を滅ぼされないために知っておくべきこと(P70)

いつの時代も権力者は冷酷なもの。

必要となくなったときはいつでも、それまでの功臣であれ、バッサリ切り捨てる残酷さを持っている。

権力者は常に自分を脅かす可能性のある存在を恐れている。大きな才能、実績があるものは尚更。

組織で生き残るために知っておくことは、「いつ引くか」という身の処し方。どれだけ実績があろうと、生き残るためには自ら身を引くタイミングがある

歴史上、漢の功臣の韓信を始め日本では源義経など、身の引き際をあやまり、自らの身を滅ぼした人は数多い。

トップはいつでも自分に刃を向けてくる、そのことを忘れず、生き残るための引き際を、あやまってはいけない。

蓮如から学べること(P83)

戦国時代に猛威をふるった本願寺の信徒。なぜ本願寺が多くの信者を獲得できたかというと、分かりやすく具体的、シンプルな教えにあった。

民衆の心をつかむために大切なのは、高尚な教えではなく、誰でも分かることで具体性があることが大切。

人を説得したり影響を与えようとするときは、分かりやすさを意識すること。

小が大に勝つ方法(P106)

戦国時代、革新的な思想と行動によって日本を変えた織田信長。

その信長の人生のピンチが桶狭間の戦いであったが、桶狭間の戦いは小が大に勝つ模範例のようなものであり、学べることは多い。

信長は大軍の今川軍に勝つための戦略を考え、「総大将の義元の首を取る!」という一本戦略を取った。

大将の首をとるために、今川軍の動きを随時情報収集、戦を仕掛ける場所、タイミング、全て考えた上で奇襲を仕掛けた。結果、小勢だった織田軍は、大軍の今川軍に勝利することができた。

このことから分かるのは、どんな大勢力であっても、よく見れば弱いところがどこかにあり、そこを集中的に狙っていけば、小勢力でも勝機があるということ。

小勢力は小勢であるがゆえ、身軽に動くことができ、行動の柔軟性が高い。

大切なのは、自分の勢力に応じた、勝ち方を模索すること。小勢には小勢の戦い方がある。「今の」自分たちが勝てる方法、勝てる場所を見極め、勝負を挑む。

秀吉がのし上がった理由(P119)

持たざるものから天下人まで上り詰めた豊臣秀吉。

秀吉は運に恵まれ成功したラッキールーザーではなく、自らの努力と意志によって上まで上り詰めた偉人。

秀吉が成功した理由は次の5つ。

1・与えられた仕事は、それがどんな仕事であれ一生懸命頑張った。

2・相手(上の人)のニーズを読み取り、それを満足させるように頑張った。

3・物事の本質を見抜く視点を持っていた。

4・人の力を借りることの大切さを知り、人を上手く動かした。

5・常識や既存のアイディアにとらわれない自由な発想力があった。

家康が勝者になった理由(P134)

戦国時代、最終的な勝利者となった徳川家康。家康が江戸幕府を開き、それが数百年も存続できた最大の理由は、ゆっくりじっくり、急がずに成長したから。

急激な成長は、必ずどこかで歪みを生じさせる。物事には適切な成長スピードがある。変化の激しい今だからこそ尚更「急成長しない」という視点が大切。

急ぐべからずで、一歩一歩、着実に進んでいくことが大切。それが持続的な成長につながる。

感想など

「日本史=生きていく上で役に立つ教養」という視点で学べるところが実用的で刺激的な本。

現代を生きる私たちは、普段歴史を意識することはあまりありませんが、今の日本にしても、過去の時代を生きた先立ちがいて、先人たちのおかげで、私たちの現代社会があります。

「人間が悩むことはいつの時代も変わりない」という名言がありますが、過去の偉人たちも、彼らも人生、人間関係、生き様、私たち現代人が悩んだことに悩み、生きたのだと思います。

だからこそ、時代や状況は違えど、生き様、信念、考え方、先人たちから学ぶべきことはたくさんあります。

より良い未来を生きるため、先人から学びたいものです。

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